「通信文化新報」特集記事詳細

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第6739・6740合併号

【主な記事】

カタログギフト 法人向け市場を開拓
郵便局物販サービスとリンベルが資本提携

 日本郵便の子会社の郵便局物販サービス(TS社)が8月1日、“チョイスギフト(選べるギフト)”など柔軟な発想でカタログギフトのパイオニアとして時代をリードするリンベル社と資本・業務提携を行うと発表した。TS社が第三者割当増資の引受などでリンベル議決権の20%を取得。共同で多様性のあるギフト商品やサービス開発などに取り組み、法人向けに「お客さま販売促進キャンペーンや記念品」のアプローチなど、新たな市場開拓に力を注ぐ。郵政グループが日本郵政の上場をにらみ、収益基盤の多角化、安定化を図る戦略の一つ。グループ中期経営計画「〜新郵政ネットワーク創造プラン2016〜」のターゲットの平成28年度にカタログギフトで10億円の収益増を目指す。第1弾の共同施策「らくらく作れるギフト」は8月25日から展開。郵便局とインターネットの両方で展開し、郵便局ネットワークの価値を高めていく。




 “変わらない上質を、進化しつづけるソリューションを”コンセプトにカタログギフト文化を創造するリンベルの資本金は1億円。商品開発、品質管理、セールス、配送までワンストップで提供するトータルソリューション力とプロデュース力を強みに、全国有名百貨店、ホテル、結婚式場、ギフト専門店、全国量販店、法人などと取引している。
 一方、TS社も資本金は1億円。ふるさと小包をはじめ全国の食料品を主流とする特産品をカタログ販売で提供し、全国の商品提供者と取引している。TS社は郵便局窓口でリンベルの「チョイスギフト」のカタログを販売してきたが、両社が新たな市場開拓に本腰を入れるため、資本も含めて提携することとなった。出資は9月が予定されている。
 共同施策第1弾「らくらく作れるギフト」は、表紙やあいさつページが自由に作成できる斬新なチョイスギフト。法人であればロゴや自社ビルの写真、新商品の画像、記念式典の写真などを使いながら周年記念、永年勤続、来場者記念品、優秀社員褒章、株主優待、販促キャンペーンなどに利用できる。個人向けには、引き出物や出産内祝いなどにも最適だ。
 カタログの中身は、こだわり仕様の道具などを集めたA「趣味・こだわりの逸品」、暮らしを便利にするための日常使いに重宝する品揃えをしたB「便利品・実用品」、料理が楽しくなるツールや食器、調味料などを集めたC「キッチンアイテム」の3種類がある。それぞれ予算に応じて①そよかぜコース(4968円)②あおぞらコース(7128円)③しおさいコース(1万2528円)から選ぶことができるため、9種類の選択肢がある。各カタログにはすべて26品が掲載されている。申込みは、郵便局窓口のほか、ネットからも可能で、発送形態も希望日時、時間帯指定、届出確認ができる。申込みから届けまでは約2週間で、ラッピングパックで送り先に届けられる。
 8月1日の記者会見で、日本郵便の髙橋亨社長は「郵便局物販も今後、品揃えのレベル感も上げていきたい。ギフト市場全体が落ち込む中、チョイスギフトで大きく業績を伸ばし、“ものギフト”だけでなく、宿泊や食事などの体験ができる“ことギフト”の商品化、また、より自由度の高い「スマートギフト」を開発したリンベルの商品企画力に着目した。資本提携を通じ、郵便局ネットワークがお客さまにさらに応えられるように精進したい」と語った。
 リンベルの東海林(とうかいりん)秀典社長は「日本郵便の経営理念の一つ『人々の生活を生涯にわたって支援することで触れ合いあふれる豊かなくらしの実現に貢献する』は、リンベルの『ギフトは人と人、人と地域社会が触れ合う媒体として豊かな社会づくりに欠かせない』との価値観に通じ、共鳴する部分が多い。郵政グループの常に革新し続ける企業姿勢に改めて感銘を受けている。過去30年間、カタログギフトはリンベルが商品を深化させ、マーケットを創造してきた自負がある。TS社と共に改良、改善を続け、人と人との絆を強くし、豊かな社会づくりの一助となる温かみのあるコミュニケーションツールとしてのギフトを全国津々浦々の郵便局を通じてお客さまに届けたい」と述べた。
 TS社の松村茂社長は「郵便局がこれまで弱かった法人のお客さま向けの商品をリンベルとであれば共同開発できると確信を持った。このため、単なる業務提携だけでなく、資本を持たせていただいた。平成28年度にチョイスギフトの数字を10億円程度売り増すことで倍増させたい」と抱負を語った。
 記者団からの「両社のメリットとは」などの質問に、日本郵便の髙橋社長は「郵便、貯金、保険の三事業のサービスだけで展望できるものには限りがあり、郵便局ネットワークを活かし切れない。将来的に商品・サービスをどう広げ、レベル感を上げられるかが課題。ギフト業界で先駆的にチョイスギフトを育ててきたリンベルと組むのが一番良い選択肢と考えた」と説明した。
 リンベルの東海林社長は「安定した販売網が得られる。大変にメリットがある」と答えた。TS社の松村社長は「リンベルのバイヤーとしてのノウハウを使わせていただきたい」などと語った。
また「法人営業とはどのような分野か」との質問に、TS社の松村社長は「ゆうパックで法人と取引しているため、こちらからも紹介できる」とし、リンベルの東海林社長は「退職祝いやキャンペーンなどにカタログが使われるようになっている。これまでの結婚式などとは異なる品揃えもしている」と述べた。
 「新しい多様性のある商品のイメージとは」には、TS社の松村社長が「2月にリンベルが発売した「スマートギフト」は、より高価な商品を選びたい場合は、贈られた方がクレジットカードで追加決済することにより、それが可能になるなど衝撃的なノウハウが詰まったギフトで、ネットとも融合できる。商品の多様性だけでなく、ソリューションに多様性があるというイメージだ」と説明した。
 「リンベルの物流体制は」には、東海林社長が「宅配は8割がゆうパック。どうしてもゆうパックで対応できないところを別業者に頼んでいる」と答えた。「物流業界における日本郵便の強みとは」との質問にリンベルの東海林社長は「日本郵便の宅配精度は非常に良くなってきた。かなり信頼がおける。特に転居先の配送は抜群の精度。郵政グループは日本を背負ってきた企業体で、公共性がある。提携できることを大変に光栄と思っている」と語った。
 「第2弾、第3弾のカタログは」には、TS社の松村社長が「年間を通じて扱えるカタログを開発したい。〝らくらく作れるギフト〟は来年3月31日で終えるが、継続して次のものを出したい。郵便局ならではの手紙を組み合わせた商品開発にも取り組んでいく」と答えた。
 通信文化新報の「トータル生活サポート企業の最終目標に向け、現段階でどの程度まで実現したのだろうか」と問いかけに、日本郵便?橋社長は「まだまだ努力しなければならない」と意欲を示した。


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