「通信文化新報」特集記事詳細
2026年10月19日 第7375号
【主な記事】
日本郵便 松本俊仁執行役員
私たちにとって年賀状とは
今年も年賀状の季節がやって来た。年賀状を受け取るのは、正月でしか味わえない喜びであることはもちろん、年賀状を書くこともまた年末の喜びのひとつでもある。2027年(令和9)年用年賀はがきは11月2日の午前9時に販売開始となる。それまでの間、改めて「今のわれわれにとって年賀状とは何か」という思いを巡らせるのも良いものであろう。その糧になるよう、日本郵便の松本俊仁執行役員/郵便・物流営業部長に話を聞いた。
■2027(令和9)年用年賀はがきの販売開始時期および案内予定を聞かせてください。
11月2日午前9時から来年1月15日まで販売します。販売開始時期に合わせ、商品・サービスの案内を実施する予定です。
■今年の年賀状をめぐる報道や反響について、どのように受け止めていますか。
8月31日の発表後は、年賀状の引受開始日や元日に届けるための差出日目安など、オペレーションの見直しに関する内容が多く取り上げられました。ここ数年では、年賀状を巡る減少傾向や「年賀状じまい」が話題になることもありましたが、今回の見直しを前向きに取り上げてもらえたことは、非常にありがたいと受け止めています。
■年賀状は、日本人にとってどのような存在だと考えていますか。
年賀状は日本の風物詩であり、年が明けた際にあいさつをする文化の一つです。平安時代や奈良時代に始まったとする諸説がありますが、少なくとも千年以上にわたり、形を変えながら受け継がれてきました。自宅を訪問してあいさつする、名刺を置く、はがきを送るといった手段は時代により変化していますが、「新年のあいさつを届ける」という文化の柱は変わらないと思います。
■年賀状に付加された物語性や仕掛けについて、反応をどのように見ていますか。
年賀状の絵柄や企画の背景に、長い時間をかけて形成された物語性を持たせることで、受け取る方に興味を持ってもらいやすいように工夫しています。絵柄の中の隠し文字などの仕掛けがSNS上で紹介・共有されることもあり、利用者自身の発信を通じて広がる点に大きな力を感じています。
■大手メディアとSNSの関係、およびSNSの活用方針を聞かせてください。
大手メディアとSNSは、どちらか一方を選ぶものではなく、それぞれの特性を生かして併用するものと考えています。特に若い世代に対しては、利用者自身が発信・共有する情報の影響力が大きいと思います。日本郵便としても、公式情報を分かりやすく発信しながら、LINE、Instagram、X、Facebookなどを含む多様な接点で年賀状の魅力を伝えていきたいと思います。
■推し活年賀は、いつから、どのような考えで展開しているのでしょうか。
推し活年賀は2026年用から展開しており、2027年用で2年目となります。好きな人物、キャラクター、地域のマスコットなど、応援する対象に年賀状を送りたいというニーズに応える取り組みです。年賀状と相性のよいコンテンツを組み合わせ、年賀状の新しい楽しみ方を提案したいと思います。
■推し活年賀では、どのような利用体験を想定しているのでしょうか。
年賀特設サイト「郵便年賀.jp」に、全国のご当地キャラクターなどの年賀状送付先や関連リンクを掲載します。これまで送り先が分からなかった推しにも年賀状を送りやすくし、対象によっては返事の年賀状を受け取る可能性もあります。友人の住所を知らず、年賀状を送ったことのない子どもにとっても、手紙を書いて気持ちを届ける体験となると思います。(3面につづく)
>戻る

