「通信文化新報」特集記事詳細
2026年9月28日 第7372・7373合併号
【主な記事】
野間健衆議院議員 郵便局は地域に欠かせないインフラ
国民全体の共有財産
日常的な巡回や状況把握も
8月に熊本の被災地を訪れた野間健衆議院議員は、災害が起きた時に一番頼りになるのが郵便局であり、地域に不可欠なインフラだと改めて痛感したと言う。改正郵政民営化法がほぼ全政党の賛成を得て成立したことは、「郵便事業が単なる営利事業ではなく、国民全体の共有財産である」との国民の認識を示すものだと歓迎しつつも、金融2社に対する上乗せ規制の緩和などの課題解決を訴える。さらに、郵政事業の再公社化の議論をしなければならない時期だと主張する。
■6月に成立した改正郵政民営化法の意義について聞かせてください。
ほぼすべての政党が法案に賛成し、無事に成立しました。これは、郵便事業が単なる一営利事業ではなく、国民全体の共有財産であり、過疎化が進む中で、地域住民の生活に郵便局ネットワークは欠かせないという国民の共通の認識が示されたということだと理解しています。
8月に熊本の被災地を訪れ、災害が起きた時に一番頼りになるのが郵便局であり、地域に欠かせないインフラであることを改めて痛感しました。
被災地では、高齢者の方から給水所の場所がわからず市役所に聞いたら「市のホームページを見て下さい」と言われて、見方も分からず困っているという声を聞きました。被災地の住民からは、マイク付の広報で町中を回り、給水所の開設場所や物資の配給時間などの情報を伝えてほしいと要望されました。郵便局の社員は土地勘があり、地域の事情を把握していますから、そうした役割も担うことができると思います。
大きな震災があるたびに感じることは、被災し、電波も電気もないような状況の中で、「ホームページを見てください」と言われても、何もできないということです。DX(デジタルトランスフォーメーション)の時代だと言っても、イザという時に手紙や物資を運んでくれる郵便局のネットワークがなければ住民の生活は成り立ちません。地域のインフラとしての郵便局を維持していかなければいけない、と改めて思いました。
また、今回の法改正により新たな交付金が導入されたことは、郵便局ネットワークの維持にプラスになると思います。ただ、これにより経営が劇的に良くなるかと言えば、厳しい状況は続いていくと考えています。
■法改正により、基盤的サービスが日本郵便の本来業務に追加されました。
基盤的サービスの提供が郵便局の本来業務になり、郵便局が地域ごとのニーズに応じて様々なサービスを提供できるようになったことは非常に重要なことだと思います。
私の地元の鹿児島県でも、過疎化が進む農村などでは役場や金融機関の撤退が進み、地域住民に必要なサービスが提供できなくなりつつあります。例えば、中山間地の農業者のグループに対して、中山間地域等直接支払制度など直接支払いの制度がありますが、交付金を受け取るためにはパソコンを使って申請書を提出するなど、様々な事務手続きが必要になります。しかし、地域にはこうした事務手続きをする人がいなくなっているのです。役所やJAも農業関係の手続きに人員を割く余裕はありません。このような状況の中で、こうした手続きを郵便局にお願いできないだろうかという期待が高まっています。
■農業など一次産業の活性化における郵便局の役割についてどう考えていますか。
日本郵便は、長野市でフルーツトマト「さやまる」を生産していますが、郵便局は様々な形で農業を支援することができると思います。
農林水産省は農業の担い手不足に対応し、農作業などを委託する農業支援サービスを推進していますが、それに郵便局が加わっていただけると助かります。
地方は急激な高齢化と過疎化の進行で、集落の担い手不足や限界集落化が進み、自力での地域維持が困難になっています。若い世代は集落を離れて都会で働く人が増え、地域には高齢者だけが残される状況です。地域における日常的な巡回や状況把握が欠かせなくなっています。
■郵便局への期待は高まっていますが、人手の確保が難しくなっています。
人口減少により人材の確保が難しくなっており、郵便事業の現場は非常に厳しい状況にあると聞きます。しかも、社員の給料はなかなか上がっていません。
一方で、民営化後には様々な経営の失敗がありました。たとえば、西室泰三社長時代の2015年には、豪物流大手トール・ホールディングスの買収に約6200億円を投じましたが、4000億円を超える減損処理に追い込まれました。しかし、経営責任を問われることはありませんでした。
厳しい環境で必死に働いている社員は経営責任のあり方に疑問を感じてきたはずです。(2面につづく)
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