「通信文化新報」特集記事詳細
2026年9月7日 第7369号
【主な記事】
持続性、将来展望を検討
総務省 郵便事業政策委が初会合
総務省の情報通信審議会郵政政策部会(東條吉純部会長)の下に新設された「郵便事業政策委員会」の第1回会合が8月26日、開かれた。竹内健蔵委員(東京女子大教授)が主査、高橋賢専門委員(横浜国立大大学院教授)が主査代理に選ばれた。構成員は7人。各構成員は審議に臨むに当たって、抱負を述べた。
竹内主査は交通経済学が専門で「郵便とダブるのは国鉄。需要が落ちても、変わることができなかった。国鉄には赤字ローカル線は廃止してはいけない、最低限のサービスは提供しろなど、いろんな要求があった。そうして国鉄は末期には、いろんな事件や事故が起きた。日本郵便も車両の利用停止処分や郵便物の廃棄・放置が起きた」と述べた。
また「日本郵便を第二の国鉄にはして欲しくない。不祥事の原因究明をしないで先に進めることはいけない。日本郵便は、郵便法などの縛りがある中で動かなければならない。ユニバーサルサービスの確保、料金は安く、経営努力を、と言われても、頑張りたいという雰囲気にならないのだと思う」と語る。
そして「日本郵便がやる気が起きるシステム作りが必要。経営の自由度を上げてやる気が起きるような制度になるよう、助言ができればと思う」と抱負を述べた。
事務局からは「民営化して日本郵便の経営の自由度は課題。見直しも行っているが、インセンティブがわくような見直しの検討を進めたい。不祥事の原因究明、再発防止、ガバナンスの確保も重要。制度の見直しもそういったことを念頭に、明るい将来が見えるように検討したい」と答えた。
東條吉純委員は「数年前の想定よりも財政が厳しくなるスピードが速くなった。赤字が定着し悪化の見通しが固まっていると、大胆な手を打たなければならない。ユニバーサルサービスの見直しは仕方がないように思う。諸外国のサービス水準の見直しは有益で、状況を聞ければと思う」と発言した。
高橋賢専門委員(横浜国立大大学院教授)は、原価計算やキャパシティマネージメントが専門。「安定的に経営をしていくには、入るものを増やし、出るものを減らす必要がある。コスト減も現状の枠の中では限界に来ているように思う。キャパシティ構造を考え直し、コスト構造を変えることが必要。新しい収益源を見つける、不採算の整理縮小をすることも考えなければならないのではないか」と述べた。
桑津浩太朗委員(立命館大客員教授)は「郵便局はないと困るという認識はできている。必要と環境の厳しさに折り合いをつけながら、持続性を担保できる取り組みを検討したい」と抱負。
小林味愛専門委員(陽と人代表取締役)は「ニーズを図ることは大事。ヒアリングの人選や基準、考え方を示してもらいたい。1種・2種郵便物を多く利用している主体、代替え手段の提供者にヒアリングしてもらいたい。ユニバーサルサービスの利用ニーズを捉える手法は、昔ながらのアンケートやパブコメ、一部のヒアリングだけでは捉えきれないと思う。本当に必要なニーズがどこにあるのか、どういった手法で、何を捉えることがユニバーサルサービスの在り方を変更していくための十分な指標になるのか。様々な手法でヒアリングをしていきたい」と意見を述べた。
三尾美枝子専門委員(紀尾井町法律事務所弁護士)は「明るい郵便事業の将来の議論ができればと思う。スタートアップのサポートも行っているが、郵便関連の新しい事業が出にくいという印象を持っている。将来の事業の可能性を検討できないかと考えている」と新事業についても言及した。
木村たま代専門委員(主婦連合会常任幹事)は「郵便とデジタルの融合により新しく何かできないかと思っている。消費者目線で議論に参加させていただきたい」と述べた。
第2回は日本郵便へのヒアリング(サービス水準やサービスの種類の見直し、条件不利地域の持続可能な引受・配達方法など)、第3回目は検討項目の議論や関係者へのヒアリングを行う。(関連記事2面)
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