「通信文化新報」特集記事詳細
2026年8月10日 第7365号
【主な記事】
城内実 経済財政政策担当大臣 新自由主義からの大転換を
郵便局ネットは公共財
地域を支える役割は大きい
改正郵政民営化法が6月に成立し、公共サービスなど地域住民が日常生活・社会生活を営む基盤となるサービスの提供が日本郵便の本来業務に加わった。地域における郵便局への期待が高まる中で、高市政権が推進する地域未来戦略でも郵便局の活用が重視されている。高市政権では、「強い経済の実現」と「地方を伸ばし、暮らしを守る」を二本柱とする規制・制度改革が進められており、7月21日に閣議決定された「規制改革実施計画」にも「地域におけるオンライン診療の更なる普及・円滑化」が盛り込まれた。高市政権で内閣府経済財政政策担当大臣、日本成長戦略担当大臣、規制改革担当大臣を務める城内実衆議院議員に聞いた。
■7月21日に閣議決定された「骨太方針」の意義について聞かせてください。
私は小泉政権が進めた郵政民営化に反対し、2005年9月の「郵政選挙」では「刺客」として送り込まれた片山さつきさんに、わずか748票差で敗れました。しかし、2009年の総選挙では無所属で出馬し議席を取り戻しました。郵便局長会をはじめ郵政関係者の皆さん、地域の皆さんに支援していただいたおかげだと感謝しています。
そしていま、私が高市政権で骨太方針を担当する内閣府経済財政政策担当大臣、日本成長戦略担当大臣、規制改革担当大臣として、片山さんが財務大臣として、ともに高市政権を支えています。非常に感慨深いものがあります。
世界の経済政策の潮流は、長らく「政府は小さく、市場に任せることが正しい」という新自由主義的な考え方に傾いていました。その象徴が郵政民営化であり、小泉竹中改革だったわけです。しかし、地方の衰退、投資不足、経済格差、また経済安全保障の観点からも、市場任せの政策の限界が明らかになったのです。また、世界的にも官民連携による戦略投資への転換が進められています。私は、2月20日に経済財政政策担当大臣としての経済演説で次のように述べました。
「主要先進国の経済政策の潮流も、市場原理に過度に依存する新自由主義的発想、すなわち市場の働きに委ね過ぎる考え方から転換しています。例えるなら、天動説から地動説へと世界観が変わるようなパラダイムシフトであります。近年は、国民の暮らしや経済の基盤を守り、将来の成長力を高める観点から、官民連携の下で戦略分野への投資を進め、戦略的な国内投資の拡大を通じて国力の増大を図る経済財政運営が、各国で本格化しています。世界経済は既に、不可逆的な潮流の中にあるのです。我が国も、こうした時代の要請に応える経済財政運営を力強く進めていかなければなりません。」
■こうした考え方が今回の「骨太方針」にも強く反映されています。
「骨太方針」には「主要先進国では、市場に委ねるだけでは解決できない課題に対応するため、官民が連携して大規模かつ長期的な財政支出を伴う産業政策が大きな潮流となっている。これは、経済財政運営の在り方そのものに関するコペルニクス的転回であり、我が国においても、こうした時代の変化を踏まえた国家運営が求められている。」と明記しました。
「骨太方針」によって、新自由主義からの大転換、コペルニクス的転回が政府の基本方針として確立されたということです。
私は、市場や民間活力自体を否定するものではありませんが、市場に委ねすぎた結果、様々な弊害が出てきたことは否定できないと考えています。効率性や採算性を重視するあまり、地域や公共性が置き去りにされてきました。
行き過ぎた新自由主義的政策によって、地方の疲弊に拍車がかかり、限界集落が拡大しました。こうした中で、郵便局ネットワークだけが維持され、まさに地域の生活インフラ、公共財としての期待が高まっています。
6月19日に成立した改正郵政民営化関連法で、日常生活・社会生活を営む基盤となるサービスが日本郵便の本来業務に追加されました。法案作成に尽力した国定勇人先生もおっしゃっているように、3事業に4つ目の事業が加わったということです。地域住民の生活を支える郵便局の役割は今後さらに大きくなってくるでしょう。
■高市政権は「責任ある積極財政」を掲げています。
今回の「骨太方針」によって、竹中平蔵さんが経済財政政策担当大臣だった2001年に初めて政策目標として導入された「プライマリーバランスの単年度黒字化」が、複数年での管理へ転換されました。
ただし、高市政権が目指している「責任ある積極財政」は、単なるバラマキや野放図な財政拡大ではありません。日本成長戦略のポイントも、長年続いた「未来への投資不足」を断ち切ることにあります。そのために、政府が一歩前に出て、民間投資を呼び込むということです。日本成長戦略は、様々なリスクを最小化する「危機管理投資」と先端技術を花開かせる「成長投資」に重点をおいています。
中東情勢に伴うエネルギー確保に示されるようなエネルギー・資源安全保障、経済安全保障、食料安全保障、健康医療安全保障、国土強靱化対策、サイバーセキュリティなどの様々なリスクや社会課題に対し、官民が手を携え、先手を打って「危機管理投資」を行うことにより、自国の主張に他国を従わせようとする経済的威圧の動きが顕在化する中にあっても、日本の「自律性」を確保するということです。
一方、成長投資は先端技術を花開かせる、AI・半導体、量子、海洋、造船、マテリアル、創薬・先端医療など17の戦略分野への集中的な投資です。また、新技術立国・競争力強化、スタートアップ、金融を通じた潜在力の解放、人材育成、労働市場改革、家事等の負担軽減、賃上げ環境整備、サイバーセキュリティという8つの分野横断的課題を横串として刺す形でそれをバックアップします。(2面につづく)
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