「通信文化新報」特集記事詳細

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2026年06月15日 第7357・7358合併号

【主な記事】

信越支社大曽根和之支社長 日本郵便の原点は人
「現場・現物・現実」の実践
「人材育成」と「変革」も


 信越支社の大曽根和之支社長は就任以来、持ち前のバイタリティを存分に発揮し、支社管内をくまなく回り、局長や社員との意思疎通を深めた。大曽根支社長の考えは、支社管内に伝播しているといえよう。通信文化新報において既に報道した数々の取り組みの背景にある考えを大曽根支社長に尋ねた。
 
■2年前の就任以来、精力的にご活躍されていますが、大曽根支社長のお考えの主軸である「現場・現物・現実」の実践の成果を聞かせてください。
 自分自身の「行動指針・判断軸」という表現をしているのですが、「現場・現物・現実の実践」と「人材育成」の二つの柱を就任以来掲げております。とりわけ、最近では離職者が多い時代であるため、新入社員の研修等では、帰属意識の浸透、人を大切にする会社の2点に力点を置き、採用から若年層の研修までを強化してきました。
 一方、ミドルマネジメント層、役職者層や管理者層の皆さんに対する研修については、普段の職場から離れて非日常について見つめなおす、あるいはマネジメントについて更に深く考察するような研修の機会や場が少なかったことから、全てを完成したわけではありませんが、まずはマネジメント層・管理者層に注力した研修等を実施しました。
 また、エリア局を運営していく上で部会長の活躍は欠かせません。エリマネ局の部会長とは私を含め支社社員が顔を合わせながら時間を掛けて学んでいただくことを研修の一環として実施してきました。
 「人材育成」というキーワードを管内に浸透させつつ、「日本郵便は事業運営を通じて人を育てる会社であることを再確認。これまでは皆さんが育てられてきたことを、今度は恩返しをして後輩を育てる番だ」と常々言ってきました。それを自分事として捉えて、各局の局長はある意味、一国一城の主として、局長の皆さんがしっかりと自分の言葉で語ることが重要です。
 自分の考えを独りよがりではなく、会社が今何を求めているのか、周りの人が何を求めているのか、地域は郵便局に何を期待しているのかを常に考えていただき、社員の皆さんと共に、その地域で必要とされる「唯一無二」の郵便局を作って欲しいと伝えてきました。
 少しずつですが、その成果も出てきています。特に昨年度、今年度の新入社員の離職者も圧倒的に減ってきています。誰一人辛い思いをすることがない、皆がやりがいのある会社を作りたいと思っています。
■就任時のインタビューでも、「信越支社は人を育てる土壌と歴史を有しています。そこにさらにエッセンスを加えるべく一緒に取り組んでいきたいものです」とおっしゃいましたが、その考えのもとで実行されたことを聞かせてください。
 信越には人を育てる会社という土壌が私の着任以前からありましたが、それに加えて考慮しなければならないことがあります。世の中の流れが急激に変化しているということです。特に意識したことは、民営化から19年目を迎えますが、日本郵便が地域のお客さま、世の中からどのように見られているのか、即ち期待されているのかということです。
 また、地域や他企業に目を向け、他者からどう見られているか、他者への想像力を膨らませながら、自分たちだけの世界観だけではなく、世の中の常識やスタンダードがどこにあるかを常に問い、「変革」ということばを多用しながら、人材育成というものに取り組んでいます。前例踏襲ではなく、大事なのは「変革」です。その点を管内全体に浸透させています。
■就任直後もそうですが、この2年間精力的に現場を回っています。その中で気付いたことや新たな取り組みについて聞かせてください。
 管内の長野県、新潟県だけを見ても、日本は広いと思いました。一例として冬のとある日、長野では天気が良く晴れているのですが、新潟に行くと横殴りのように吹雪の状況で、隣同士の県なのにこんなにも違いがあると驚いています。建物の中、机上で考えているだけではなく、自ら外に赴き郵便局を訪問して話を聞いたり、自分で体験しないと分からないことだらけでした。
 郵便・物流に携わる社員は、雨の日や雪の日、暑い日も外に出て、一見当たり前と思われるようなことを当たり前にこなしていますが、その難しさ、崇高さを認識しなければなりませんし、同時に社員の安全と安心を守るという判断も重要視したいと思います。
 社員とお客さまの安全と安心を最優先事項として意識して、「現場・現物・現実」を実践しています。
 支社がある長野県から新潟県に移動する時には、妙高市、上越市、柏崎市、長岡市等を通ります。山を越え海岸線を横目に向かうわけですが、通り道のいずれの場所にも郵便局はあり、そこで社員が一生懸命働いています。
 ただ、お客さま層には異なりがあり、長野市ほかの市街地では、オフィス街のスーツ姿のお客さまが多い一方、山の中の郵便局等では、高齢者のお客さまがゆっくりと社員と話をしながら時間を過ごすという側面があるので、お客さまが求める価値魅力は、郵便局によって全く違います。地域事情に応じた郵便局を作っていかなければならないということを勉強しているところです。
 支社長として郵便局を訪問する時には、出来る限り「お邪魔します」と事前に連絡しているのですが、後で知ったのですが、郵便局の看板が見えるとどこでも飛び込んでいくというのが評判となったそうです。
 やはり、生の声を聞くには、お客さまと一緒に窓口からお邪魔して、カウンター越しに話をすることです。支社長であることを気付かれる場合と気付かれない場合がありますが、社員の皆さんは気持ちよく挨拶をしてくれます。「元気がある郵便局だな」と感じるとともに、それが日本郵便の良さだと実感しています。
 郵便局に飛び込んでいくことが、「現場・現物・現実」の実践であると考えています。(3面につづく)


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