「通信文化新報」特集記事詳細

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2026年06月15日 第7357・7358合併号

【主な記事】

日本郵政 根岸一行社長
AI活用を拡大
物流部門のM&Aにチャレンジ
シニア向けサービス一元化

 


 日本郵政の根岸一行社長は6月3日、本社ビルで通信文化新報などのインタビューに応じ、物流部門でのM&Aや合弁に関して、「M&Aや合弁を中期経営計画期間中でも必要があれば検討をして、成果があるものであるならばチャレンジしていきたい」と述べた。また、AI技術活用について、「局内作業で活用する余地があるため、試行的なところから始めてみたい。他社が活用し始めている部分、遅れている部分は、中計期間中に積極的に導入して効率化を進めていきたい」との考えを示すなど、大胆な施策を中計期間中に展開する姿勢を示した。
 
■集配・輸送業務へのAI技術の活用の進捗状況と今後のスケジュールについて教えてください。
 AIについては元々ルーティングなど、これまで経験に頼っていた部分が大きかった道筋などについてはこれまでも導入をしてきています。郵便物の量を把握して人員配置に活かす部分についてはこれまでも行ってきており、引き続き継続し、より精緻化していくことになると思います。
 さらに、他のものとAIの組み合わせという意味では、集配については、最後は人に頼る部分が多いので、どちらかというとルーティングや配置の話であり、「配る」という作業では恐らく時間が必要かと思います。むしろ、局内の作業の方でまだ活用ができていない部分があり、端的に言うと、ロボットアームのようなツールも定型的なものでしかなく、距離の調整などができずに活用できていませんでした。昨今の状況から言うと、局内作業で活用する余地があるため、試行的なところから始めてみたいと思います。
 日々荷物をお客さまに届けていますので、コールセンターの問い合わせ対応が多いため、お客さまをお待たせしないようにするには、AIは相当程度活用の余地があると思っています。この点は、中計期間中に進めていきたいと考えています。社内からの問い合わせ対応が多く、むしろこうした領域で他社が活用し始めている部分、遅れている部分は中計期間中に積極的に導入して効率化を進めていきたいと思っています。
■総務省に提出した収益改善計画において、郵便・物流事業の収益改善策として、M&Aは記されておらず、「コスト削減策を計画的かつ着実に実行するため、(小池信也)代表取締役社長直轄の『生産性向上本部』を設置し、徹底した取組の進捗管理を行います」と明記されています。こうしたことから、少なくとも10年度まではM&Aや合弁などの施策の計画はなく、コスト削減を完遂することが重要課題であるとも解釈することができます。お考えをお聞かせください。
 総務省との関係では、監督されている部分が郵便の分野が中心であり、日本郵便単体の領域が中心となります。そういった点で述べますと、(収益改善計画は)その中で効率化していくという内容になります。荷物をラストワンマイルまで配達することに関する取り組みを総務省に対して報告しました。従って、トナミHDやロジスティードに関するような、「総合物流」を掲げて中期経営計画で議論している話は、今回総務省に提出した収益改善計画の範囲外と認識をしています。
 中計の資料のうち、キャッシュフロー、キャッシュイン、キャッシュアウトの中で、戦略投資を3000億円くらい行うと申し上げたと思います。3000億円というのは、M&Aなどを想定しての金額です。従って、中計期間中であっても、必要な提携先があれば、むしろ積極的に議論して良いと思っています。しかし、3000億円ありきで相手を強引に探すのではなく、必要な相手先があることが前提です。その中の重要な要素としては、相手先として物流の領域が非常に大きな可能性があると思っていますので、むしろ物流に関しては、M&Aや合弁を中計期間中でも必要があれば検討をして、成果があるものであるならばチャレンジしていきたいと思っています。
■中計では「シニア向けサービスを一元化し、特に相続関連サービスを一気通貫に提供する」と記されています。その狙いと将来のビジョンについて教えてください。
 相続や終活などのシニア向けのサービスについても、様々なことに取り組もうとは言ってきました。終活についての提案や見守りサービスはお客さまによっては隣接したテーマなので、一緒にした相談の場など、受け皿を設けた方が良い部分があると思います。そういった点で、お客さまには、縦割り感が多かったのではないかと思っています。相続については、ゆうちょ銀行の取り組みが多いのかもしれませんが、お客さまにとっては郵便局も一緒なので、同じグループ内のかんぽ生命の保険も併せてご提案した方が良いと思います。お客さま目線での、全てのニーズの整理が十分ではなかった点を変えていきたいと思っています。それによって、お客さまにはストレスなく郵便局を利用していただければ幸いです。(2面につづく)


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