「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

2026年6月8日 第7356号

【主な記事】

自動トラック中継輸送を実証
通常トラックへコンテナ移動も検証

熊本北郵便局からT2のコンテナを積んだ日本郵便のトラックが出発する様子


   日本郵便と株式会社T2(東京都千代田区/熊部雅友代表取締役CEO)は5月11日~13日の間、T2の自動運転トラックを活用した「中継輸送」の実証を行った。トラックドライバー不足の深刻化に対応するため、レベル4自動運転(特定条件下における完全自動運転)トラックを用いた幹線輸送サービス実現に向けた取り組みの一環で、レベル4が実現した際の自動運転トラックの活用の可能性を広げる試み。
 
 「中継輸送」は、長距離運行を複数のトラックドライバーで分担する輸送形態。日本郵便が貨物を輸送する神奈川─熊本・福岡の区間のうち、神奈川─兵庫の区間にT2の自動運転トラックを組み込み、兵庫で中継輸送を行う一連のオペレーションの実証を実施した。
 T2が2027年度以降に開始を目指すレベル4自動運転トラックによる幹線輸送を見据えて、無人/有人運転を切り替える拠点でT2の自動運転トラックと日本郵便の通常のトラックの間でコンテナを移し替えるオペレーションも初めて検証した。
 日本郵便は、拠点・運行ルートの選定、実証貨物の手配および車両の手配を行い、T2は全体マネジメントおよび車両の手配を担った。検証項目は、神奈川─兵庫間における自動運転の走行ルートおよび走行リードタイム、想定したオペレーションパターンの有効性。
 往路は、神奈川西郵便局(神奈川県海老名市)→熊本北郵便局(熊本県菊池郡)の約1150㌔(うちレベル2自動運転区間:東名高速道路・綾瀬スマートIC(神奈川県)→山陽自動車道・神戸西IC(兵庫県)の約500㌔)。復路は、新福岡郵便局(福岡県福岡市)→川崎東郵便局(神奈川県川崎市)の約1090㌔(うちレベル2自動運転区間:山陽自動車道・神戸西IC→東名高速道路・綾瀬スマートICの約500㌔)。
 今回の取り組みでは、T2が今年、神戸市の山陽自動車道・神戸西ICの近くに設置した「トランスゲート神戸西」に往路・復路ともに立ち寄り、T2の自動運転トラックと日本郵便のトラックの間でコンテナを移し替えるオペレーションの手順も検証した。「トランスゲート神戸西」は、レベル4において高速道路における無人運転と一般道における有人運転を切り替えるためにドライバーがトラックに乗り降りする「切替拠点」。
 スワップボディタイプの自動運転トラックを用いた運行では、切替拠点においてコンテナを移し替えるオペレーションの確立は不可欠となるため、T2として今回初めて「トランスゲート神戸西」に立ち寄る実際の運行で検証した。
 スワップボディタイプは、特殊な荷役機器を使用せずに、トラックの標準装備であるエアサスペンションにより、車体と荷台を自力で分離が可能なタイプ。
 両社は今後、こうした中継輸送での自動運転トラックの活用に継続して取り組んでいくとともに、有効性を確認できれば定期的な運行への移行を検討し、レベル4に必要なオペレーションの構築に向けた連携をさらに深めていく考えだ。
 日本郵便は、トラックドライバー不足の深刻化に対応するため、レベル4自動運転トラックを用いた幹線輸送サービスの実現に向けてT2が2025年7月から開始したレベル2自動運転(ドライバーの監視のもとに行われる特定条件下での高機能自動運転)トラックによる商用運行に参画している。
 参画に当たり、西濃運輸株式会社(岐阜県大垣市/橋智代表取締役社長)と共同での自動運転トラックの利用から始め、1月からは単独便も運行している。


>戻る

ページTOPへ