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2026年05月11日 第7352・7353合併号

【主な記事】

奈良県と連携・協力協定
近畿支社 郵便局ネットを活用

協定書を手に小池社長㊧、山下知事。左へ竹中執行役員、中村統括局長、松森統括局長。右へ三苫支社長、首藤局長、西村統括局長


 日本郵便は4月22日、奈良県と「連携と協力に関する包括協定」を締結した。相互に連携し、地域社会の発展と県民サービスの更なる向上を推進する。奈良県庁で行われた締結式には、日本郵便の小池信也社長、三苫倫理常務執行役員近畿支社長、竹中正博執行役員、首藤俊幸局長(奈良中央)、奈良県中和地区連絡会の中村智宏統括局長(西大和まきのは)、奈良県北和地区連絡会の松森正裕統括局長(奈良下御門)、奈良県南和地区連絡会の西村秀喜統括局長(大淀越部)【※締結式内紹介順】が出席。奈良県の山下真知事、毛利嘉晃地域創造部長ら関係者が迎えた。
 
 司会を務めた奈良県地域創造部県民くらし課の染川幸史課長が、日本郵便サステナビリティ基本方針の「地域社会と共に」、「地球と共に」、「人と共に」の3つの柱にふれ、「日本郵便は地域社会の重要なインフラとしての役割を誠実に果たすことで、安全・安心で豊かな社会の実現に貢献することを目指し、福祉、医療の充実や子ども子育て支援、脱炭素・水素社会の実現等のあらゆる事業活動において、サステナビリティ経営を推進してきた。今回、これらの活動で培われたノウハウを活かし、奈良県が抱えている様々な地域課題に対し、ネットワークも活かしながら最大限にサポートいただけるとの提案があった」と紹介。
 資料とモニターを用いた概要説明に続き、小池社長と山下知事が協定書に署名、手交した。
 山下知事は「都道府県や市町村は、住民に行政サービスを届ける主体だが、窓口は本庁舎や支所となり、住民とフェイストゥフェイスでコミュニケーションをとるのは非常に難しい。都市部にはコンビニエンスストアが増え、出入金や住民票取得などができるようになったが、中山間地域に行くと店舗数が少ない」と述べた。
 また「その点、日本郵便の郵便局ネットワークは県内で243局と、中山間地域も含め非常に多くの店舗網を持っている。県としても、郵便局ネットワークを色々な形で活用させていただけることは、県民サービスの向上につながることになるので、本当に嬉しい」と語った。
 日本郵便のカタログ「奈良まほろばカタログ」を手に、「情報発信拠点、地域活性化、産業振興として、今度、奈良県の様々な物産品をまとめたパンフレットを郵便局に配架していただくことになった。産業活性化に繋がると思う」と期待を示した。
 「人手不足の中で、自治体は、業務のDX化を進めている。様々な申請事務を、インターネットやスマートフォンを通じて受け付ける形に移行しつつあるが、高齢者を中心とした、操作に慣れていない人に対し、どうアプローチしていくか・というのが悩ましい問題」と指摘した。
 さらに「例えば、マイナンバーカードや、アプリを活用したプレミアム商品券などの申請手続きを、郵便局の窓口を活用して、局社員の方にサポートしていただくようなことについても、今後協議していきたい。中山間地域では、公的機関がもう郵便局しかないという所もたくさんある。郵便局ネットワークを我々も活用させていただくことで、とりわけ、交通の利便性の悪い所にお住まいの方に住民サービスを届けられるのではないか」と述べた。
 小池社長は「郵便局というのは、地元の皆様に使われてこそ、喜んでいただければこそ、という存在。全国で色々な活動をしてきた実績を紹介させていただきながら、奈良県の要望に沿った形で色々なアレンジをしながら、地域の事情に合わせてサービスを提供することができると考えている。各地で既に行っている取り組みだけでなく、新しい取り組みということでも可能性があろうかと思うので、ぜひ何なりとご相談をいただき、困り事を共有させていただければと思う。現場あっての郵便局、一生懸命取り組ませていただく」と強調した。
 質疑応答では、地元メディアからの質問に、日本郵便から「ポスターを貼って地域行事などをPRするなど、全国各地での事例を紹介しながら、具体的に話を進めていく」、「今、全国規模で遠隔医療の取り組みが始まっている。とりわけ、中山間地域や離島では、地元医師会の理解を得ながら、郵便局のスペースを使ってオンラインで医師に繋ぎ、診察や服薬指導を受けていただく事例もある」などと説明。奈良県は「今回の包括連携協定については、平成30年5月に日本郵便から提案があり、庁内と日本郵便との間で調整を行い、締結に至った」、「各プロジェクトに対し、担当部課と日本郵便、各担当者でやりとりをしていく予定」などとコメントしていた。
 
奈良県(以下「甲」)と日本郵便㈱(以下「乙」)の連携事業の概要
 
 ◆「特定連携事業」(事業目的達成に向け甲と乙が動き出すため特に注力していく項目)
 1:南部・東部地域の振興に関すること
 2:地域に張り巡らされた郵便局ネットワークを活用した、安全・安心な暮らしの実現に関すること
 3:郵便局の拠点を活用した地域活性化に関すること
 ◆「連携事業」(事業目的達成に向け甲と乙が連携して取り組む項目)
 4:福祉の充実、医療の充実に関すること
 5:こども・子育て支援の充実、女性活躍の推進、教育の充実に関すること
 6:脱炭素・水素社会の実現に関すること
 7:工業、商業、食と農、林業の振興に関すること
 8:県政情報発信に関すること
 9:その他、地域社会の活性化及び県民サービスの向上に資すると双方が合意した取組に関すること


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