「通信文化新報」特集記事詳細
2026年4月20日 第7349号
【主な記事】
東海支社 大角聡支社長 自治体と連携、地域ニーズに対応
郵便局リソース活用
コミュニティ維持に参画
東海支社は静岡県から三重県まで、東西にわたり広範囲を所掌している。名古屋をはじめとした都心部のほか、半島などの過疎地も管轄しており、各地域の郵便局に求められる役割も多様性に富んでいる。そうした中、東海支社ではオンライン診療や空き家調査など自治体と連携した施策を積極的に推進しており、包括連携協定締結や郵便局窓口でのマイナンバーカードの活用推進などにも重点を置いている。日本郵政グループは昨年11月に次期中期経営計画の骨子を発表し、郵便局は地域のサポート拠点となる道筋が示された。こうした論点を踏まえ、東海支社の地方創生や地域貢献、郵便局の地域での役割などについて、大角聡支社長に聞いた。
■東海支社長に就任されて約1年経過しました。この間、精力的に現場を訪れて局長や社員の皆さんを激励されていますが、手応えを聞かせてください。
以前、東海支社管内の郵便局で管理者をしていた経験もあり、この地域には昔からご縁があって、様々な経験をさせていただきました。また、このエリアは自動車産業をはじめとした工業が盛んなので、生産性向上などの風土が根付いた土地柄と感じています。社員の皆さんも真面目な方が多く、ガバナンスの面でも大変しっかりしていると思います。
■日本郵便は地方創生に重点を置いていますが、東海支社の地方創生への取り組みについて教えてください。
自治体から日本郵便への期待がきわめて大きいと感じています。東海支社は都心部のほか離島や山間部を管轄しており、地域によって求められることが異なるので、地域のニーズに応じた取り組みを進めています。自治体以外でも飛騨地区では観光協会からパンフレットを受託し、郵便局にパンフレットが置かれる予定になっています。これからも郵便局のリソース(資産)を活用し、自治体や団体の期待に応えていきたいと考えています。
■東海支社は昨年、農林水産省と地域振興に関する連携協定を締結しましたが、中山間地域でのコミュニティの維持や地域資源の利活用について伺います。
昨年3月に東海農政局と連携協定を締結しました。農林水産省では農村RMO(農村型地域運営組織)を進めており、中山間地域を中心に農村のコミュニティー運営に取り組んでいます。そうしたコミュニティ維持の活動に郵便局が参画することにより、農村RMOの活動の拡大や質の向上が期待できます。
昨年11月にはKITTE名古屋のイベントスペースで農村RMOのイベントを行っていただき、多くの来場者に来ていただきました。非常に意義のある連携協定なので、今後とも活動を広げていきたいと思います。
■東海支社と自治体との包括連携協定の進捗状況と、自治体との連携に期待することは何でしょうか。
東海支社管内では現在、148の自治体と包括連携協定を結んでいます。各自治体が郵便局に期待することは様々なので、地域のニーズに合ったサービスを、郵便局のリソースを活用して提供できるよう対応しています。災害時の現状報告やマイナンバーカードの取り扱い、オンライン診療など様々なご要望をいただいているので、そうした要望に応えられるように取り組んでいるところです。
■郵便局を生活サポート拠点にすることが促進されていますが、東海支社としての取り組みについて聞かせてください。
郵便局のリソースを活用して、地域の皆さまのお役にたてることは積極的に取り組んでいきたい。東海管内では、マイナンバーカード関連事務の取り扱い範囲を広げており、名古屋市との連携協定では終活セミナー、東三河の自治体とは「家族介護者リフレッシュ事業助成券」を郵便局の窓口で配布、その地域の特産品をゆうパックでお届けするなどを行っています。こうした地域の方々に喜んでいただける取り組みを、東海から発信していきたいと考えます。
■医療支援については、三重県鳥羽市で郵便局を利用したオンライン診療の実証事業が2月まで行われました。その振り返りを聞かせてください。
昨年10月から今年の2月まで、オンライン診療の実証事業を三重県鳥羽市の鳥羽答志郵便局で行いました。たいへん喜ばれており、新年度についても検討していただいています。
東海支社管内の郵便局でのオンライン診療の実証事業は初めてでしたが、引き続きこうした地域住民の暮らしに役立つ事業を行っていきたいと考えています。
■三重県玉城町で「自治区現地調査等業務」が2月に全国で初めて開始されました。具体的な取り組み内容と期待される効果について教えてください。
玉城町では、依頼を受けて2022年度から集配社員による空き家調査をしています。その後も空き家調査で培ったフローを活用し、「自治区現地調査等業務」ではただ調査するだけでなく、道路の損傷状況などの報告が玉城町にあった際に、要請を受けて集配担当の社員が現地に行って写真を撮影し、その画像を町に報告する取り組みをしています。撮影は集配社員が携行している端末を使用するので、まさに郵便局のリソースを活用した地域貢献だと思っていますし、玉城町様にも大変喜んでいただいています。
■郵便局に防災用品を備蓄したり、放送局と連携したりする動きがありますが、地域に向けた防災・減災への取り組みを教えてください。
東海エリアは東南海地震への備えなど、防災意識のきわめて高いエリアでもあります。能登半島の地震の時には、半島の先の方まで荷物を届けるのが困難だったという話も聞いており、東海エリアにも渥美半島や知多半島などの半島があるので、すぐ届けられる場所に備蓄を配置しています。昨年津波警報があった時も、何も持たずに高台に避難した方が多かったので、郵便局から備蓄セットを持ち出して水や冷却グッズを配布し喜んでいただきました。こうした取り組みはNHKでも報道され、郵便局の防災意識がきちんと定着していることを確認できました。(2面につづく)
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