「通信文化新報」特集記事詳細
2026年3月2日 第7342号
【主な記事】
九州地方郵便局長会 宮下民也会長
地域に飛び込み信頼を築く
一次産業の人材確保を
「しごとコンビニ」全国展開に期待
郵便局に対する地域住民の期待が高まる中で、全国郵便局長会の勝又一明会長は「地域に局長の顔がない」「地域に局長が出ていない」ということを解決したいと述べている。九州地方郵便局長会の宮下民也会長(熊本県中部地区郵便局長会会長/熊本西原)は、郵便局長が地域に密着し、頼られる存在になるためには、地域に飛び込んでいく姿勢が何よりも大切だと強調する。宮下会長は10年前の熊本地震の教訓を踏まえ、防災士の資格を持っている郵便局長が、いざという時に力を発揮できる取り組みが必要だと訴える。そして、熊本県小国郷地域でスタートした「しごとコンビニ」事業について、全国展開できれば、地域に必要な人材を都会などから供給することもできるようになると語る。
■「地域の最後の砦」として郵便局に対する期待が高まっています。郵便局長が地域に密着し、頼られる存在になるためには、どのような行動が求められるとお考えでしょうか。
自分から地域に飛び込んでいく姿勢が何よりも大切だと思います。私も局長になった頃は、なりふり構わず地域に飛び込んでいきました。
私は郵便局長になる前は、ビデオ制作会社で仕事をしていたので、局長になってからも業務用のビデオカメラを担いで、地域のあちこちで開催されるイベントに参加して、撮影し、その映像を熊本西原郵便局の窓口に設置したテレビモニターで流していました。
地元の祭り、自治会の忘年会や新年会、老人会の芸能発表会など、様々なイベントにどんどん飛び込んでいきました。それを繰り返す中で、地域の人たちと自然に仲良くなり、信頼関係を築くことができたのだと思います。
全特では、全国各地の会員が行っている地域貢献活動の映像を会員が見られるように会員用のホームページに掲載しています。それを見ると、各地で素晴らしい取り組みをされていることがよくわかります。地域を心から愛し、プライベートの時間を費やすことも厭わず、地域の方と一緒に様々な課題の解決に取り組んでいます。
■ゴスペルなどのバンドに属し、地域活動の一環として小中学校などを演奏して回っていたそうですね。
もう20年ほど前の話ですが、フジテレビの番組で、アカペラのコーラスを競う「ハモネプリーグ」というコーナーがあり、私たちのバンドが熊本代表として出演したことがあります。ゴスペル、ゴスペルジャズのバンドで、私の妻がリーダーを務めていました。ドラムセットなどの打楽器音を擬音化して再現するボイスパーカッションに合わせてアカペラで歌うのです。
それ以来、熊本では「ハモネプ」に出たグループとして紹介されるようになりました。その結果、県内の小学校から数多くのオファーが来るようになり、県内をくまなく演奏して回り、小学校で音楽教室を開いたりもしていました。また、ジャズのビッグバンドとしても活動していたので、こちらでも地域の祭りで演奏していました。
音楽関係以外では、郵便局のロビーで絵手紙教室を開いていました。生徒は地域の方が20人ぐらいで、半年間のコースとしていました。それを2、3年続けましたので、絵手紙を通じて100人近くの地域の方と交流することができました。
会員が自分の趣味を活かして、地域と交流することによって、地域からの信頼も生まれると思います。
■熊本県小国郷地域の郵便局で「しごとコンビニ」の運用が始まりました。この事業の意義について改めて聞かせてください。
最近、特殊詐欺グループが摘発され、その実行犯が高額報酬を謳った闇バイトに応募した若者だったことがわかりました。実は仕事斡旋サイトがそうした闇バイトの温床になっていることが、大きな社会問題になっているのです。
こうした中で、郵便局が行う求人募集であれば、地域の人たちも安心して応募できると思います。特に現在は、人手不足が深刻化していますので、郵便局が仕事と人材のマッチングに協力することができれば、大きな貢献ができるのではないかと期待しています。
熊本県小国郷地域では、道路の状況を確認して補修する仕事、みかんちぎりなどの農作業と様々な仕事があります。スキマ時間にもできるような仕事もあります。
現在は、いくつかの市町村との連携にとどまっていますが、これを全国展開できれば様々な可能性が開けると思います。少子高齢化が進む地域を活性化するには、農業や漁業などの一次産業に就く人材の確保が不可欠です。「しごとコンビニ」事業を全国展開できれば、地域に必要な人材を都会などから供給することもできるようになると思います。さらに、全国の郵便局ネットワークを活用して地域の特産品などの販売にも協力できると思います。(2面につづく)
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