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2026年2月2日 第7338号

【主な記事】

東北地方郵便局長会三浦寿明会長 局長は「その町のプロになれ」 
地域ニーズ掘り起こす
期待される「公的サービス」
郵便局ネットワークは「国の宝」


 地方創生における郵便局の存在意義を高めるためには、地域に密着し、頼られる郵便局長になることが期待されている。東北地方郵便局長会の三浦寿明会長(宮城県仙台中部地区会会長/仙台岡田)は、局長が「地域の顔」となって地域のニーズを掘り起こすためには、「その町のプロになる」ことが必要だと強調する。地域の高齢化に対応した郵便局の役割として、山形県西川町でスタートした郵便局での集落支援員業務の受託をほかの県でも展開していきたいと述べる。地域の農業支援については、人手の確保に悩む農家と就農希望者をマッチングさせる役割を果たしたいと語る。
 
■「地域の最後の砦」として期待が高まる郵便局が地方創生において果たすべき役割、今後の取り組みについて聞かせてください。
 少子高齢化、労働人口の減少は日ごとに重くのしかかってきています。特に東北ではその傾向が顕著に見られ、疲弊した地域において、きちんと拠点が維持されている郵便局がどのような役割を担っていけるかは、とても大きな課題だと思っています。その中で、行政サービスなど公的サービスの提供は、郵便局に最も期待されている役割なのだと思います。
 「国の宝」とまで言われている郵便局ネットワークが、さらに地域を支えるうえで重要な役割を担えるようにしていくことが必要であり、その意味でも郵政民営化法等の一部を改正する法律案の成立が大事であると考えています。
■地方創生における郵便局の存在意義を高めるためには、地域に密着し、頼られる郵便局長になることが期待されていますが、会員はどのような点に留意すべきだとお考えでしょうか。
 私が東北地方会の会長になって3年目ですが、毎年新会員研修などで局長に対する期待をお伝えしています。その際にいつも強調しているのが「その町のプロになれ」ということです。
 「通勤局長」が多くなり、地域に根差して活動を行う局長が少なくなっているという状況は否定できません。その中で、局長が「地域の顔」となって地域のニーズを掘り起こすためには、まず「その町のプロになる」ことが必要だと思うのです。何かあった時に、地域の方が「局長のところに行けば何でもわかる」と言われるような存在になってほしいのです。その地域に住んでいない「通勤局長」であっても、そのような存在になることはできると思います。
 私の父も局長でしたが、父が局長を辞め、私が局長になり、休みの日に普段着で表を歩いているような時でも、「局長さん」と呼び止められるようになるまでに5年ぐらいかかりました。
 やはり地域の方々に信頼されるために、どう行動するかだと思います。地域の方々の悩み事を理解し、地域の方々の本音を引き出すことが大切だと思います。
 例えば、地域のお祭りに来賓として呼ばれ、ご祝儀を持ってでかけるだけでは、局長としての役目を果たしていることには決してなりません。お祭りの来賓の立場ではなく、主催者の立場に身を置く必要があると思うのです。お祭りに参加している方々の中に入り込み、話し合いをする中で、地域の悩みやニーズを把握できると思います。
■各地域のニーズに沿った地域貢献活動を進めるために、どのような工夫をしているのでしょうか。また、行政の課題を把握するためにどのような工夫をされているか聞かせてください。議会の傍聴をしている地区会もあると聞きました。
 議会を傍聴すれば、行政が何に悩んでいるかを感じることができると思います。その悩みに対して郵便局がどのような役割を担えるのかを考えることは、局長を成長させることになると思いますし、組織的な力強さにも繋がっていくと感じています。
■買い物支援やオンライン診療にどのように取り組もうとしていますか。
 山形県山辺町ではイオン東北ネットスーパーで注文した商品を、郵便局の集配車両の空きスペースを活用して拠点施設に届ける共助型買物サービス「おたがいマーケット」を開始しました。これは会員制のサービスとして定着しつつありますので、今後の展開に大きく期待をしています。
 人口減少、高齢化が進む地域では、買い物支援だけではなく、高齢者の見守りや地域の活性化など様々な課題があります。そうした課題に取り組むためには、集落機能の維持・活性化に取り組む人材が必要となります。そこで、「集落支援員」制度を活用し、郵便局の強みを活かした連携事業に取り組もうとしています。
 すでに山形県西川町は、日本郵便に集落支援員事業を委託し、町内の間沢局、西川月山局、西川局、大井沢局の局長を集落支援員に委嘱しました。定期的に、郵便局で地域住民のお困りごとなどについて意見交換する「ミニ対話会」を開催しています。
 このようなニーズは山形県だけではなく、東北のどの県でもあると思いますので、ほかの地域でも展開していきたいと思っています。また、郵便局を活用したオンライン診療についてもぜひ次年度には足がかりができればと思っています。(2面につづく)


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