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2026年2月2日 第7338号

【主な記事】

日本郵政根岸社長 年末年始業務、正常運行を確保
集配拠点500箇所を統廃合 
自治体との連携強化
 

 日本郵政の根岸一行社長は1月20日、東京都中央区のオフィスビルで開催された定例会見で、点呼業務不備問題による行政処分の中で行われた年末年始の業務オペレーションは滞りなく終了したと述べた。また日本郵便の集配拠点約3000箇所のうち、約500箇所程度を統廃合する方向で検討していると発表した。都市部では跡地の不動産活用を進め、地方部では集配業務の効率化を図る。5月に公表する次期中期経営計画に盛り込む方針。
 
 根岸社長は冒頭、年末年始のゆうパックや年賀状の処理など、一年で最も業務繁忙となる時期の業務運行状況について説明。昨年発生した点呼業務不備による行政処分で使用できる車両が制限される中、ゆうパックの配達は他事業者への委託や、確実な点呼を前提とした処分対象外の車両の活用などにより、大きな混乱もなくオペレーションを確保したと語った。
 年賀状についてはもともと二輪車での配達が主なため、車両の使用停止による特段の影響はなかったとし、取り扱い物数はゆうパックはほぼ前年と同程度だったものの、年賀状は対前年72.9%にとどまったとした。
 また、郵便局でのマイナンバーカード関連業務の受託について触れ、「マイナンバーカードの電子証明書の更新は2025年度から2027年度までの3年間で、約5110万件の取り扱いが見込まれている。郵便局がこの業務を受託することで、市町村は事務負担軽減になるとともに、住民は近くの郵便局で更新でき利便性が向上する」と語り、今後も積極的に地方公共団体に事務委託を提案していくとした。
 郵便局では郵便局事業取扱法に基づいて証明書の取り扱いをしており、2021年度と2023年度の法改正で、マイナンバーカードの電子証明書の発行・更新等の受付、交付申請の受付や引き渡しなどが可能になっている。今後これらの取り扱いの増加が見込まれており、郵便局では昨年末時点で市区町村から239局が受託(対前年140局増)している。根岸社長は、「昨年11月に公表した次期中期経営計画の骨子でも、郵便局を地域のサポート拠点にする取り組みをその一つにしており、1月には日本郵政と日本郵便が連携して『自治体連携事業室』を新たに設けた」と述べ、自治体との連携を強化していく意向を強調した。
 集配拠点の統廃合に関しては、これまで郵便物の収集・配達業務は都市部では大規模郵便局が集約的に行う一方、地方では地域を細かく区切って小規模局が担当していたが、次期中計では都市部の郵便局を対象に機能を分散し、跡地の不動産開発で収益力の強化につなげる考えを示した。郵便物の取り扱いが減少している地方では、配送ルートの見直しなどを通じて統廃合を進め、担い手不足に対応する考えで、全国で約500箇所の再編を検討している。
 以下、報道各社からの質問に対する回答。
■衆議院の解散が表明されたが、行政処分によって使用できる車両が制限されている中、選挙関連郵便物のオペレーション上の懸念は。
 解散の決定から短期間での取り扱いになるが、選挙管理委員会から郵便物を預かってからオペレーションが始まるので、選管とよくコミュニケーションを取りながら業務を遂行していく。配達自体は二輪で行うので、車両停止による影響は限定的と考える。
■郵便・物流の集配拠点の統廃合に関しての考えは。
 次期中期経営計画の3年間で、約500程度は減らせるのではないかと考えている。実際は各地域や各支社ごとに地域間のバランスを精査しなければならないが、この想定の中で具体的なスケジュール感や規模数を精査し、5月に中期経営計画を公表する際には、具体的な数字を示したい。
■統廃合をした場合、配達日数などサービスへの影響は。
 配達日数などはユニバーサルサービスで法律上決められている。現行の法律の中でどこまで効率化できるかを検討する。また、効率化によって要員の配置を検討していくが、現状の人員削減は考えていない。
 通信文化新報は、「物流関連では、トナミHDやロジスティードとの資本提携を行い、『総合物流企業を目指す』方針にあるが、具体的にはどのような状況になった時に、総合物流企業になったと判断するのか」と質問。
 根岸社長は、「ラストワンマイルでお届けするまでには、お客さまから様々な要望が来る。現状ではその要望に応えるにはまだ課題がある。物流関係での要望に過不足なくお応えすることができる状況になった時に完成したと言えると思う」と回答した。
 昨年明らかになった日本郵便で発生したフリーランス法違反の疑いがある事案については、「法律の内容を具体的な事例に当てはめて担当者に周知、理解してもらう必要があった半面、社内での周知体制が弱かったことが原因」とし、今後は社員への周知を徹底していくとの方針を示した。


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