「通信文化新報」特集記事詳細
2026年1月26日 第7337号
【主な記事】
林総務大臣 宮城県を視察 郵便局長と意見交換
郵便局は地域活性化に貢献
役割を果たせるような支援
地域住民の生活インフラ
林芳正総務大臣の宮城県視察が1月9日、10日の両日行われ、仙台中央郵便局では郵便局長と意見交換した。林大臣が質問する形で活発に意見を交わした。林大臣は「郵便局は、住民と新しい行政サービス技術の橋渡しをしてもらっている。人口減少、過疎化を背景に、生活インフラとしての郵便局の役割がますます高まってきている。郵便局が地域活性化に貢献する役割をしっかりと果たせますよう支援してまいりたい」と述べた。このほか、仙台市の秋保市民センター(自動運転)や市救急センター(データの利活用)、宮城ケーブルテレビ(東日本大震災の記録による被害状況)、登米コミュニティエフエム(地域情報の発信)も視察した。
林大臣と郵便局との意見交換は10日に行われた。総務省からは林芳正総務大臣のほか、豊嶋基暢情報流通行政局長、牛山智弘郵政行政部長、郵便局からは東北支社の小岩龍生経営管理本部長、仙台中央郵便局の佐々木康成局長、三浦寿明主幹地区統括局長(仙台市中部地区統括局長/仙台岡田)、大沼芳則副主幹地区統括局長(宮城県南部統括局長/柴田)、菅原昭宮城県北部地区統括局長(若柳)が出席した。郵便局からは宮城県内5地区のうち3地区の統括局長が林大臣と意見交換した。
意見交換では、小岩経営管理部長が司会を務めた。仙台中央郵便局の佐々木局長が、同郵便局の概要を説明。大沼副主幹統括局長が「地域共創への取り組み」について説明した。
大沼統括局長は、地域の包括受託事務の取り組みやオンライン診療の実証事業などの状況について報告。「郵便局で住民票が取れるようになり、『便利になった』と好評なことが、社員のモチベーションにつながっている。今後も住民とのつながりを大事にしてしっかりと取り組みたい」と現状や抱負を述べた。
林大臣は「こうした形で郵便局を視察させていただくのは初めて。郵便局は親しみ易いということを聞いている。自治体の事務代行をする中で、住民に役立つことが社員の士気を上げているのは良いこと」と評価した。
意見交換では、郵便局での精米機の設置が話題になり、宮城県で初めて導入した三浦主幹地区統括局長が経緯などを説明した。林大臣は「新しいサービスの発想への工夫」「人口減少が13年早く始まっている宮城のノウハウの共有」や「郵便局と他の組織との連携」など次々と質問し、局長が現場のエピソードを交えながら答えていた。
最後に林大臣は「マイナンバーやオンライン診療など、いろんな新しいツール、技術が出てくる。住民に一番近いところにある郵便局の皆さんが適宜、取り入れて、利用する住民と新しい行政サービス技術の橋渡しをしてもらっている。敷居が低いことの良さは常々感じているところ。人口減少や過疎化はすぐには止まらない中で一層、そうした敷居の低さを住民に感じていただいている郵便局の皆さんの果たす役割は非常に大事なことだと思う」と強調した。
また「いろんなレベルで情報を交換していただき、利用者の反応を見ながら、工夫していただいている。それを直接聞かせていただくことができ、大変有意義」と感想を述べた。
<意見交換の内容>
林大臣 今は必ずしもトップダウンで全局で同じようにやるということではないのだろうと思う。地域に近いところで、社員の皆様からいろんなアイデアがあると思う。精米機のサービスをしているということだが、新しいサービスの発想はどういう形でそれぞれの局で、出す工夫をされているのか。サービスの発想にはどのような工夫があるのか。
三浦局長 精米機は県内では私の郵便局で先駆けて始めた。富山県で始めたという情報を知った時、ぜひこれを当局の地域でできないかという思いから導入した。働く社員からニーズがあるという提案があれば逐一これを拾い上げている。高齢化は全国より13年早く進んでおり、郵便局がお役に立って行くのはある意味で流れだと思う。
林大臣 全国より早く高齢化や過疎化が進んでいるということだが、早くから人口減少に対応した取り組みを、他の地区と情報共有することは有意義。人口がある程度ある仙台市の青葉地区と人口が少ない登米市ではいろんなノウハウで、蓄積やサービスの在り方も変わってくると思う。広い地域を見ていると思うので、お互いに情報共有して生かせるものがあれば教えていただきたい。
三浦局長 成功事例をいかにして自分の地域に合ったものにしていくか。そのための情報交換をしていきたい。
林大臣 コミュニティFMやケーブルテレビは総務省の管轄だが、他の主体との連携を工夫されていることがあれば聞かせてください。
大沼局長 地域のイベントに組織力を生かして応援している。局長や社員が手紙文化のワークショップをしながら、お祭りで一緒におみこしを担いだりしている。
林大臣 地域の人と顔見知りになるということが、いろんなことを一緒にやっていくことに役に立っているのだと思う。
視察を終えての記者会見が行われ、林大臣は今回の視察について「それぞれの地域が直面する課題に情報通信技術やデータをしっかりと活用し、その解決に積極的に取り組んでいる現場や地域住民のために重要な役割を果たしている放送局や郵便局の人たちの現場の生の声を聞き、大変有意義だった」と総括した。
通信文化新報は「郵便局は人口減少や過疎化により生じる地域課題の解決にも取り組んでいますが、局長との意見交換の中で、印象に残ったこと」について質問。
林大臣は「郵便局がマイナンバーカード関連の事務受託やオンライン診療に関する実証に非常に積極的に取り組んでいる。郵便局で精米機を設置した郵便局長が出席しており、経緯など詳しく興味深く拝聴させていただいた。人口減少、過疎化を背景に、田舎に行けば行くほど、生活インフラとしての郵便局の役割がますます高まってきている」と強調。
「今回、実際に局長から地域住民の利便向上につながる施策に取り組まれて、そのきっかけや経緯を詳しく聞くことができた。総務省としても引き続き、郵便局が住民に身近な存在として地域を支えていただき、地域活性化に貢献する役割を果たせるよう支援してまいりたい」と答えた。
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