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2025年11月10日 第7326号
【主な記事】
郵便局の敷地に救護所
鹿児島県薩摩川内市 消防局と協定
九州支社(平山泰豊支社長)は10月9日、薩摩川内市消防局と相互の連携を強化し、地域安全の向上および地方創生の実現に向け、「消防業務に関する協定」を締結した。
この協定では、郵便局員が配達中に異変を感じた際の通報や、大規模災害時に郵便局の敷地を救護所として活用することなど、地域の安全に貢献する内容が盛り込まれている。また、火災予防や救急車の適正利用、消防団員の募集などの広報活動に協力し、さらに郵便局職員は、消防局による防災研修や普通救命講習を受け、災害対応力の向上を図ることとしている。
薩摩川内市消防局で行われた締結式には、同消防局の森山勝男消防局長、上園秀警防課長、元島猛消防総務課長、德重博文予防課長、地頭英樹通信指令課長、中央消防署の濵田浩署長らが、郵便局からは村田輝局長(川内)、北原光弘局長(祁答院)、橋口守局長(西方)らが出席。森山消防局長と橋口局長が協定書に調印した。
森山消防局長は「近年、地震や風水害を始めとする大規模災害が各地で頻発しており、地域の安全、安心を守るためには消防機関のみならず、地域に密着した様々な組織との連携が重要となっている」と強調。
そして「このような折、日本郵便から協定締結の話があり、大変ありがたく感謝している。郵便局は日々、地域住民と接し、細やかな情報を基に住民の暮らしを支えている。今回の協定により、災害発生時には郵便局の力を借り、情報収集や地域への支援活動を円滑に進めることができる」とあいさつ。
そして「これまでも、郵便配達中に急病人等を発見し、救急要請を行っていただいた事例もある。今後も一人暮らしの高齢者がますます増加していくので、地域住民との接点がある郵便局の協力体制は市民の安心安全を守る力となる。また、火災予防や救急車の適正な利用、消防団員の募集などのステッカーをバイク等に貼っていただき、広報にも一役買っていただける。さらに、大規模災害時に傷病者の対応に郵便局の敷地を使わせていただける」と述べた。
村田局長は「この協定の取り組みの一環として、火災や救急事案の発生時の初期対応、災害発生時の防災情報の提供、火災予防、救急、防災減災の啓発に関することなどを実施する。締結をきっかけに、地域の皆さんが安心して暮らせる町づくりへの協力、地域に寄り添った支援に努めていく」と意欲を述べた。
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