「通信文化新報」特集記事詳細
2025年11月3日 第7325号
【主な記事】
さいたま市
地域課題の解決へ連携協定
デジタル通貨支援業務を開始
埼玉県さいたま市浦和区のさいたま市役所で9月30日、「さいたま市みんなのアプリを活用した地域課題の解決に向けた日本郵便・株式会社つなぐ・さいたま市の連携協定発表式」が行われた。
関東支社(丸山元彦支社長)は、さいたま市(清水勇人市長)、株式会社つなぐ(佐々木彰代表取締役)との間で8月28日に締結した連携に関する基本協定に基づき、さいたま市内の全郵便局窓口で、さいたま市デジタル地域通貨支援業務(スマートフォンアプリ「さいたま市みんなのアプリ」の新規登録支援および、デジタル地域通貨「さいコイン」現金チャージ)を翌29日から開始。取扱時間は、各郵便局の郵便窓口営業時間に準じている。
合同発表式には、関東支社の丸山支社長、経営管理部の若林洋部長、森田真紀地方創生室専門役、佐々木悟局長(さいたま新都心)、埼玉県中部地区連絡会の曲尾幸雄副統括局長(総務/大宮三橋六)、嶋村馨副統括局長(郵便・物販/大宮清河寺)、さいたま市内地方創生委員会事務局長の新井敏史局長(大宮浅間)が、㈱つなぐから佐々木代表取締役、林尚郎管理部長はじめ関係者が出席。
清水市長、さいたま市経済局の金子芳久局長、経済局商工観光部地域活性化推進室の有山信之室長らが迎えた。
さいたま市と市内郵便局は2017(平成29)年9月に包括連携協定を締結以来、防災や地域の子どもの安全確保など、多分野で連携。2019(平成31)年2月1日から、政令指定都市の郵便局として初めて、マイナンバーカードの取得促進事業について、国(内閣府)から貸与された「マイナポータル用端末(カードリーダー付きタブレットPC)」を郵便局に設置し、郵便局員が申請手続きをサポートする事業を開始している。
丸山支社長、佐々木代表取締役、清水市長は、アプリのロゴマーク入りの緑色のポロシャツ姿で登場し、視覚的にも団結をアピール。
出席者紹介に続き、清水市長は「包括連携協定締結後、市内郵便局にてマイナンバーカード申請サポートの実施、市関連事業の広報協力など、市制に多大な協力と支援をいただいている」と謝意を表明。
「今回の協定では、『さいたま市みんなのアプリ』の普及促進、活用支援、またデジタルディバイド解消支援などについて連携をさせていただくこととなっている。『みんなのアプリ』利用者数が21万人を超えてきて、年代別に分析をすると、やはり60代以上の利用が少ないことが課題になっている。高齢者にもアプリを通じてサービスをしっかり提供したいと考えているので、高齢者の利用も多い郵便局に、アプリ利用に向けたサービスをお願いしたい」と強調。
「この三者による新たな協定で、市の地域課題解決、また、地域社会の成長・発展、企業価値の成長・発展にも寄与し、お互いのウィンウィンの関係を築くことができれば」と希望した。
協定内容について、林管理部長と森田専門役が登壇。林管理部長は「9月上旬時点で利用者の年代は30代21%、40代43%、50代22%、60代14%、70代以上は7%。年度内に利用者数25万人、高齢者層の登録1.5倍を目標としており、高齢者層から厚く多大な信頼を得ている郵便局に協力いただくことで、安心感をもっての利用・普及につながる」と期待を述べた。
森田専門役は「9月28日現在の実績は、登録支援74件、現金チャージ137件・201万円。名前のとおり全市民に使っていただきたいアプリであり、慎重になりがちな高齢者層にも、郵便局でサポートすることにより、安心して利用していただきたい。チラシ掲出のほか、市内の配達局5局の配達用バイクと車両にステッカーやマグネットを貼付してPRしている。郵便局の強みは地域住民に寄り添ったサービスを提供できること。既存のサービスのみならず、地域のニーズにも対応できるような取り組みも積極的に提案・提供して、利便性向上の役に立ちたい」と説明した。
丸山支社長は「2017年の包括連携協定締結から、協議を重ね、マイナンバーカードの申請支援事務として、地域のお客さまの写真撮影・申請用紙記入・写真添付から郵送までの申請支援を行っている。非常に多くの市民に利用いただき、郵便局ならではの、地域活性化のお手伝いのひとつとして、自信を持って取り組んでいる」と経緯を説明。
「本協定の締結により、アプリを活用した地域課題活性化の新事業に参加させていただき、非常に光栄に思っている。アプリの申請支援、『さいコイン』チャージに、地域に密着した郵便局で役に立てるようしっかりと頑張っていきたい」と意気込みを語った。
佐々木代表取締役は「現在、住民の約7人に1人がこのアプリを持っており、市内の随所で徐々に認知度が上がってきたと感じている。本協定により、利用者の一層の拡大を期待している。安心・安全・便利でお得な日常使いのアプリとして、この利便性を全ての市民に届けたい。それには、高齢者層へのアプリの浸透が必要不可欠」と強調。「地域に根差し、高齢者の来店が多い、市内でも有数・最大級のネットワークである99郵便局においてチャージや登録支援を開始することは、デジタルに不慣れな高齢者にとって、アプリ利用の入口になるのではと非常に期待している。協力しながら、アプリの利便性を誰ひとり取り残さず市民に届け、地域社会の成長と発展に貢献していきたい」と話した。
清水市長は「郵便局は高齢者にとって大変親和性が高く、日常からよく通っている場所だと思う。『みんなのアプリ』普及促進、あるいはさいたま市がデジタルディバイド対策で実施していることについても、ぜひサポートをお願いしたい。郵便局は加盟店にもなっているので、アプリを通じて様々な情報発信も行っていただき、市民へのサービスを拡充しながら、文字通り『さいたま愛』が深まるように力添えを」と、より強い連携に期待を寄せた。
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