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2025年09月29日 第7320号

【主な記事】

戦争の悲惨さを語り継ぐ
郵政関係職員原爆死没者慰霊式
広島郵便局原爆殉職者合同慰霊祭


 被爆80年目の原爆の日を迎えた8月6日、日本郵政グループ広島ビル敷地内にある郵政関係原爆慰霊碑前において、2025年度郵政関係職員原爆死没者慰霊式が開催された。
 昭和20(1945)年8月6日午前8時15分、世界で初めて原子爆弾が広島の地に投下され、街は一瞬にして焦土と化し、多くの市民とともに、爆心地近くにあった広島郵便局で勤務していた職員288人をはじめ、西部逓信総局、広島逓信局、広島逓信病院、広島貯金支局、広島市内の各郵便局に勤務していた500人余りの郵政関係職員が尊い犠牲となった。
 原爆投下直後「広島の街は生物不毛の地となり、今後何十年は草木も生えない」と言われていたが、あれから80年の月日が流れ、「被爆あおぎり二世」に象徴されるように、広島は緑豊かな平和都市としてめざましい発展を続けている。
 【郵政関係職員原爆死没者慰霊式】
 日本郵政グループ各社及び日本郵政グループ労働組合の共催で行われた慰霊式には、遺族約40人、来賓16人、日本郵政グループ各社からは砂孝治中国支社長、葛城和義ゆうちょ銀行中国エリア本部長、越智英司かんぽ生命保険中国エリア本部長、小野山佳典日本郵政建築株式会社中四国支社長、錦織泰治日本郵政グループ労働組合中国地方本部執行委員長をはじめ、日本郵政グループ各社幹部22人が参列した。
 犠牲者の霊を慰め、永遠の平和を祈念し、黙とうをささげた後、砂支社長が「世界では一部の地域で、今なお紛争が続く状況。戦争被爆体験を持つ国として、当時の記憶を決して風化させることなく、原爆や戦争の悲惨さを後世に語り継ぎ、平和への想いを強く持ち続けていかなければならない。併せて、皆さんが尊い犠牲をもってお守りいただいた郵政事業が、これからも地域の発展に貢献することをここに誓い、泉下にお眠りの皆さまのご冥福をお祈りします」と慰霊のことばを述べた。
 参列者たちは慰霊碑前に献花を行い、犠牲者に哀悼の意をささげた。
 【広島郵便局原爆殉職者合同慰霊祭】
 また、多聞院(広島市南区比治山町)において同日、第80回広島郵便局原爆殉職者合同慰霊祭が開催され、遺族約60人、来賓7人、日本郵政グループ各社から堀田晋作広島西郵便局長、片岡智也広島中郵便局長、石飛淳一ゆうちょ銀行広島西店長、原幹雄かんぽ生命保険広島支店長、坪倉守日本郵政建築株式会社業務部長をはじめ、約6人が参列。
 原爆が投下された8時15分、参列者全員で1分間の黙とうがささげられた後、導師による読経・焼香が行われた。
 郵便局代表として、堀田局長が「人類史上初めて投下された原子爆弾により、広島は一瞬で廃墟と化し、多くの尊い生命と人々の生活が失われてから80年が過ぎ去ろうとしている。ここに謹んで殉職されました288人の方々の御霊の安らかならんことをお祈りいたすとともに、今後二度とあのような悲しみの歴史を繰り返すことのないよう、平和への誓いを新たにし、この思いの込められた慰霊碑を、今後とも守り続けていきます」と慰霊のことばを述べ、広島郵便局原爆殉職者の碑(広島市南区)、広島郵便局職員殉職の碑(平和記念公園内)へ献花を行った。


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