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2025年09月01日 第7316号
【主な記事】
確実にサービス提供
日本郵政根岸社長 点呼問題、再発防止を徹底
日本郵政の根岸一行社長は8月19日に東京・大手町の本社ビルで会見を行い、点呼業務の不備事案の現状について、「一般貨物自動車運送事業の許可の取り消しが行われた6月25日以降はこれまでと変わらず、8月に入ってからも、サービスを従来通り提供させていただいている。郵便の送達日数については、特段の問題もなくサービスを提供している。郵便物および荷物のサービス提供は、お客さまにご迷惑をおかけしないように確実に提供してまいりたいと考えている」と述べた。
「8月6日からの豪雨災害で被災した皆さんに謹んでお見舞い申し上げます」と冒頭であいさつしたうえで、日本郵便の対応を説明した。
点呼業務の不備事案について、「7月31日に点呼業務不備事案について再発防止策を総務省および国土交通省に報告を行い公表した。全社員に対して動画研修などをすでに行っている。一部の局でデジタル点呼機器の運用なども開始している。こうした再発防止策を確実に実行するため、日本郵便および日本郵政合同での会議を開催するなどして、進捗を確認している」と報告し、「サービスの提供の状況については、二輪バイクの調査結果については、データ精査に時間を頂戴しているが、今月中には公表できるような形になろうかと思う」と見通しを語った。
「6月に貨物運送の事業取り消し処分を受けてから2か月程度が経ったが、今後は軽四車両の監査があると思うが、年末の繁忙期などを迎えるに当たってどのような対応策を考えているか」との問いに対して、根岸社長は「軽四車両については、国土交通省による特別監査が実施されているところだ。処分の時期あるいはどの程度の処分内容かを申し上げる立場にはないが、相応の処分が出るのだろう」と述べた。
さらに「6月に出された一般貨物自動車運送事業の許可の取り消しは、会社全体での取り消し処分とは異なり、事業所ごと、いわゆる郵便局ごとの処分になると聞いている。したがって各郵便局で従来から行っている他の運送会社への委託を拡大する、あるいは、他の郵便局で確実な点呼ができることが前提だが、他局からの応援を通じて、年繁期の荷物についてもお客さまに迷惑がかからないように対応してまいりたい。いずれにせよ、処分内容が分かっていないので、処分内容が判明した後、今申し上げた手段を講じながら対応したい」と回答した。
「点呼不備事案の問題が通期業績に与える影響は」の質問に対して、「先般の第1四半期の決算の際に公表したように、一般貨物自動車運送事業の許可の取り消しにともなう委託費用として65億円程度が生じる。ご指摘のように軽四車両についても処分があると、当然他の運送会社に委託をすれば委託費の拡大は見込まれるところだが、処分の内容の度合い、処分内容を踏まえながら数字を精査していく状況なので、数字としては65億円+αとなろうが、今後の精査次第となると思う」との見通しを示した。
そのうえで「報道の影響により、お客さまからもゆうパックの利用を控えたいというお声がゼロではなく、7月くらいから少しずつ聞こえてきているところ。一定程度の減少リスクについては注視していく必要があるが、少しタイムラグがあるので、今の時点で影響額を申し上げることはできない。費用等の数値について具体的に把握できる時期になれば、改めてお知らせしたいと考えている」と述べた。
「6月の定例会見の際に、軽四車両の事業について処分が出た場合に、郵便サービスを維持する方策について検討を急ぐ考えを示したが、その後の具体化は」の問いについて、「お客さまにお届けをするということについては、今でも一部委託をしているが、それをどこまで増やしていけるかということはあろうが、その拡大ができないかどうか。それ以上は、具体的な処分が出てからということになる。処分を待ち着実に取り組んでまいりたい」と回答した。
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