「通信文化新報」特集記事詳細
2025年08月11日 第7313・7314合併号
【主な記事】
東京地方会太田定良会長 風通しの良い組織で活力
緊密にコミュニケーション
地域の実情に合わせ貢献
東京は都市部だけではなく、過疎地域、島しょ地域もある。4月に東京地方会の会長に就いた太田定良氏は、そうした多様な地域の実情に合わせ、地域ごとにカスタマイズする形で地域貢献に取り組むことが重要だと強調する。また、「集まりやすい」という東京の特性を活かし、コミュニケーションを十分に図り、「風通しの良い組織」を作ることによって、活力を見出していきたいと語る。
■地元の東京都足立区六月は、源頼義、義家父子ゆかりの地らしいですね。
頼義、義家父子が奥州討伐に向う際、六月の炎天の中、この地で野武士と戦闘して勝利したことから、「六月町」と呼ばれるようになったとされています。また、頼義、義家父子が創建した寺は炎天寺と名付けられました。江戸時代には、小林一茶が炎天寺周辺をよく歩き、「やせ蛙負けるな一茶是にあり」などの句を残したことから、現在では一茶とのゆかりがよく知られています。
昭和37(1962)年に、一茶の命日である11月19日に地域の有志が炎天寺で法要と句会を開催しました。その後、命日に近い11月23日に、毎年「一茶まつり」が行われていて、全国小中学生俳句大会の表彰式などが開催されています。私の祖父も「一茶まつり」の立ち上げに参画したと聞いています。
■東京は全国屈指の都市部ですが、過疎地域もあれば、島しょ地域もあります。組織の運営に当たり、どのようなことを心掛けているかお聞かせください。
まず部会が中心になって意見を取りまとめ、それを地区会に上げ、さらに地方会に上げていただくことによって、様々な地域のニーズを把握し、的確に応えていきたいと考えています。逆に、局長会の方針は地方会から、地区会、部会という流れできちんと伝えていくことが重要だと考えています。
東京の利点は、各地から人が集まりやすいところですので、様々な形で常にコミュニケーションを緊密にできると思います。そうしたメリットを活かして運営をしていきたいと考えています。
■全特は「風通しの良い組織づくり」を目指していますが、東京地方会としてはどのように取り組んでいくかお聞かせください。
会員同士のコミュニケーションを深化させるため、独自の施策として部会長セミナー、新任局長セミナーなどのセミナーや、他地区の部会が一堂に会し、様々な課題について意見交換するために「部会活性化合同部会」を開いています。また、中堅若手交流会を開催しています。様々な課題や地域での活動などを議題として、各地区から中堅若手の局長に参加していただき、東京地方会の役員も加わって自由に意見交換し、コミュニケーションを図っています。
一方、東京地方会の三役は各地区へお邪魔をして、中堅若手の局長に参加していただき、意見交換をさせていただいています。こうした機会を活用して双方向のコミュニケーションを強化しています。自由に意見を言い合える「風通しの良い組織を作る」ことによって、活力を見出していきたいと思います。
■6月13日に閣議決定された「地方創生2.0基本構想」では、「コミュニティハブ」としての郵便局の利活用の推進が盛り込まれています。東京地方でも檜原村、奥多摩町、大島町、新島村、三宅村、青ヶ島村など人口減少、高齢化が進行している地域があります。「地域の最後の砦」として期待が高まる郵便局が地方創生において果たすべき役割、今後の取り組みについてのお考えをお聞かせください。
東京は、大都市部、住宅地だけではなく、そうした山間地や島しょ部を抱えており、それぞれ地域特有の課題があります。都市部の事例をそのまま当てはめるのではなく、各地域の実情に合わせて地域ごとにカスタマイズする形で地域貢献に取り組むことが重要だと考えています。東京地方会としては、そのための仕組みづくりにチャレンジしていきます。
■日本郵便は23区の中で最初に足立区と包括連携協を結びました。
これまでも、足立区との間で、防災、子ども110番、美化などの分野で協定を結んでいましたが、区とのコミュニケーションが深まる中で、2023年に包括的な協定を結ぶことになりました。連携事項は①治安②学力③健康④貧困の連鎖⑤その他地域社会の活性化と区民サービスの向上などです。
今年は、江戸と東照宮を結ぶ日光街道の初宿だった千住宿が1625年に開かれてから400年を迎え、足立区は記念ロゴを作成し、様々なイベントを展開しています。これに合わせて、区内の全郵便局でイベント周知のための活動を行っています。
一方、東京都はCO2排出量削減を目指して再配達削減に取り組んでおり、八王子市では置き配バッグOKIPPA(オキッパ)を1万世帯へ無料配布しました。我々も再配達削減に寄与する取り組みを進めていきたいと考えています。
包括連携協定は、足立区のほか、中央区、葛飾区、新宿区などにも広がる一方、多摩地域ではほとんどの自治体と包括連携協定を結んでいます。地域の課題解決のために郵便局に何ができるのかを考えて連携の成果を出していきたいと考えています。(2面につづく)
>戻る
