「通信文化新報」特集記事詳細
2025年07月28日 第7311号
【主な記事】
金城努沖縄支社長 大きい郵便局の存在価値
自治体との連携強化
社会的使命を果たす
沖縄支社(金城努支社長)は「うちなーんちゅ(沖縄県民)の幸せに貢献します」との経営理念を掲げ、自治体との連携を強化している。また、相対的貧困率が全国で最も高いという沖縄県の状況に対応し、県内の企業や個人から寄贈された物資を、子ども食堂などに配布している。泡盛、沖縄そばなどの沖縄県産品を全国に届けたいという思いで開発した「BOOK型シリーズ」の周知にも力を入れている。地域貢献への思いなどについて金城努支社長に聞いた。
■沖縄支社長に就任されてから2年が経ちました。地方自治体との包括連携協定などを通じて様々な形で地域社会を支えてこられましたが、現在重点的に取り組んでいる施策についてお教えください。
沖縄支社は離島の比率がかなり高く、離島・山間地の自治体との連携を強化しています。離島の自治体を訪問すると首長さんから「郵便局は撤退しないですよね」という話を伺うことが多く、郵便局への期待(存在価値)の高さを改めて感じています。
また、離島では人口減少が深刻化しています。那覇市の北西およそ60キロに位置する2つの離島からなる渡名喜村では、村役場の職員数は定数27に対して、今年度は17人で業務を回さないといけない状況と報じられています。
その他の離島でも、人口減少が急速に進んでいるため、郵便局の社会的使命は非常に大きいと考えており、局長、社員が地域を支えるため一生懸命に郵便局運営に取り組んでいるところです。
■地域の見守り活動の状況についてお聞かせください。
沖縄県内の郵便局では地域住民の安心・安全な暮らしの実現に貢献するため、県内全市町村と『地域における協力に関する協定(基本三協定)』を結んでいます。
道路損傷や危険箇所および不法投棄を発見した場合は、速やかに自治体へ報告しており、地域における事故の未然防止と地域住民の生活向上に向け取り組んでいます。
昨年度は、配達先でベッドから立ち上がれない高齢者を発見し市役所へ情報提供した事例や、病気を抱え自宅へ帰れなくなった高齢者を発見の上保護して、郵便局社員が連携して無事自宅へ送迎できた事例がありました。その他、人命救助に繋がる事例が、多く報告されています。
また、今年度は自治体が主催する「不法投棄防止パトロール」の出発式にも参加したほか、郵便車両に「不法投棄防止パトロール実施中」のステッカーを添付して積極的に協力するなど、地域をくまなく知り尽くしている外務社員の強みを生かし、地域に異常などがないか、気を配っています。今後も郵便局社員が一丸となって、地域に貢献するための活動を続けてまいります。
子ども食堂の運営サポート
■沖縄支社は子どもの貧困対策にも力を入れています。
沖縄県の子どもの相対的貧困率は29.9%で、全国平均の約2.2倍にのぼります。こうした中で、沖縄県こどもの未来県民会議から委託を受け、沖縄支社と琉球新報社がコンソーシアムを組み、「おきなわこども未来ランチサポート」を実施しています。
支援が必要な子どもたちのために、県内の企業・団体や個人から頂いた物資を、郵便局窓口機能や物流ノウハウを活用して、子ども食堂などの運営団体へ配布しています。配付団体数は累計で652、配付回数は1万回を超えました。(2面につづく)
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