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2025年05月26日 第7302号
【主な記事】
日本郵政 純利益3705億円
郵便・物流事業は383億円の赤字
日本郵政の増田寛也社長は5月15日、東京・大手町のKITTEで日本郵政グループ2025年3月期連結決算を発表した。親会社株主に帰属する当期純利益は3705億円で、前期比1018億円(37.9%)増となった。主な要因は、営業環境の好転による金融2社の増益に加え、Aflac Incorporatedにかかる持分法投資利益の計上。
4月にグループ連結の通期業績予想を上方修正し3600億円としており、達成率は102.9%だった。修正前の当初予想である2800億円に対する達成率は132.3%となった。
2026年3月期の通期予想は、ゆうちょ銀行株式の持ち分割合が減少することから受取配当が減るが、事業子会社3社の増益を受け、グループ連結の純利益は前期比94億円増の3800億円となる見込み。
中間配当25円、期末配当25円で、一株当たり年間50円の配当を実施する。2026年3月期の配当予想も、中間配当25円、期末配当25円となる見込み。株主還元策として、自己株式取得について2500億円を上限とし、5期連続で実施する予定。
増田社長は、「中計最終年度となる今期も業績目標の達成に向けて引き続きグループ全体で取り組んでまいりたい」と述べ、「今期のグループ連結業績が、25年3月期を上回ることを見込んでいるが、今期も大規模な自己株式取得を行い、総還元性向では100%程度となり、配当は年間当たり50円をそのまま維持したいと考えている」とした。
郵便・物流事業
5月15日の決算発表会見では、浅井智範専務執行役が日本郵政グループのセグメント別の業績を説明した。郵便・物流事業セグメント(日本郵便〈連結〉)の営業損益は304億円増の▲383億円となり、2期連続の赤字だった。営業収益は1053億円増の2兆808億円だった。
取扱数量の推移を見ると、郵便が7.5%減の125億66百万通となり、減少率が拡大した。デジタル化の進展や郵便料金の改定による影響が主要因となっている。協業および営業施策の注力により、ゆうパックが2.1%増の5億58百万個、ゆうパケット16.1%増の5億37百万個、ゆうメール12.8%増の32億41百万通と増加した。全体では3.2%減の169億3百万通・個となり減少率が縮小した。
営業損益の増減を見ると、増収が1053億円となった。郵便料金改定による下支え(547億円増)と荷物分野の増加(320億円増)が主要因。ベースアップ等により人件費は224億円増。
経費は、国内の運送委託費の契約見直しや取扱量の増加により集配運送委託費が214億円増で、その他がソフトウエアや車両等の減価償却費110億円増、郵便窓口業務費61億円増等により309億円となったことによって、523億円増加した。(3面につづく)
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