「通信文化新報」特集記事詳細
2025年05月05日 第7299・7300合併号
【主な記事】
関東支社 丸山元彦支社長 管内全市町村と包括連携協定
郵便局長への信頼が力に
多種多様なサービスを提案
茨城県・栃木県・群馬県・埼玉県・千葉県の5県で構成される関東支社。令和7(2025)年3月をもって、支社管内全221市町村と包括連携協定を締結した。協定締結の意義や苦労などについて、関東支社の丸山元彦支社長に話を聞いた。
■約10年で、関東支社管内全ての市町村と包括連携協定を締結しました。
管内全体では、包括連携協定の締結が難航しているところもあったようですが、地方公共団体担当の局長をはじめ、皆さんに頑張っていただいて、10年で全ての市町村と締結することができました。
地域との連携は、日本郵便にとって一番大事な柱であり、動きやすくもなるので非常に良かったと思います。
■包括連携協定締結の意義についてお聞かせください。
現在、地方創生の取り組みの一環として、マイナンバーカード関連事務を中心に、各地方公共団体からのニーズに応じた多種多様なサービスを提供するべく、各地公体への提案活動を進めています。
関東支社では2024年度、数多くの提案活動を実施することができ、新たに10の地公体を加え、のべ54の地公体から事務を受託しています。また、2025年度に契約見込みとなっている案件も増えてきています。
これらの提案活動を円滑に進めていくことができたのは、これまで郵便局と各市町村との間に、包括連携協定に基づく取り組みの土台があったからこそだと認識しています。
具体的に申しますと、マイナンバーカードはちょうど今年が更新の時期となります。例えばさいたま市では、郵便局に来ていただいたら、その郵便局で写真を撮って、それでマイナンバーカード更新の申請手続きをして、マイナンバーカードの準備ができたら、お住まいの近くの区役所に出向き、区役所で暗証番号等を設定のうえ受け取れる流れをお手伝いをするということを、さいたま市の全郵便局でやっています。
何局も見に行きましたが、お客さまの質問に丁寧に説明をしながら、郵便局らしい雰囲気の中で手続きの業務をしていました。エリアマネジメント局と単独マネジメント局、100局くらいありますが、手数料もいただいていますし、業務収入面でも事業にとっては良いと思います。これを関東支社管内のいろいろな市町村とも連携してやっていきたいと思っています。
■マイナンバーカードについては抵抗がある人もまだ一定数います。
3月24日からマイナンバーカードと運転免許証が一体化したマイナ免許証の運用が全国で開始されたほか、マイナ保険証の運用も始まっていて、国も非常に力を入れて取り組んでいます。マイナンバーカードは1回申請して終わりではなく、更新手続きもありますので、自治体と住民の方のニーズが高まっていく中で、郵便局がそのつなぎ役を果たすことができたら、非常にありがたいと思います。
また、マイナンバーカードの更新については、千葉市内の3局では、郵便局へ手続きに来ていただいたら、千葉市が準備したビデオ会議システムを操作して、お客さまと市役所をオンラインでつなぎ、千葉市の担当者が住基情報と突合確認した後、マイナンバーカードの発行ができたら市役所で暗証番号等を設定したうえ、お客さまに郵送するサービスを実施しています。
市役所などに改めて足を運ぶことなく受け取ることができます。先進的な取り組みで、非常にニーズも高いです。都会型の地方創生施策でもありますし、未来に向けて横展開できる楽しみのある取り組みだと思っています。
■包括連携協定の締結を進めていく中で、苦労した点はありますか。
比較的規模が大きい、人口が多い地公体は、包括連携協定を締結することによる地公体側のメリットについて、理解していただくまでに時間を要するケースもありましたが、各地公体担当局長が首長をはじめ、地公体に積極的に足を運んでいただいたことで、締結までこぎつけることができました。
関東支社長に着任してから、郵政事業についてよく理解していて、話をしっかりと聞いて下さる地公体がいくつもあると感じました。やはり郵便局長さんが地域の顔でいてくれて、非常に信頼されていることが大きいと思います。(2面につづく)
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