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2025年05月05日 第7299・7300合併号

【主な記事】

第92回郵政記念日中央式典
日本郵政増田社長 日本を支える新たな役割に応える
30年勤続表彰4864人
 

約300人が出席した第92回郵政記念日中央式典。あいさつする増田社長


 第92回郵政記念日中央式典が4月21日に東京・千代田区の帝国ホテルで開催され、郵政事業に多大な功績を果たした社員への永年勤続表彰が執り行われ、長年にわたる郵政事業への功績が讃えられた。式典には関係者含め約300人が出席。各支社では、地方式典および所属事業所式典が行われた。
 中央式典には日本郵政の増田寛也社長、日本郵便の千田哲也社長、ゆうちょ銀行の笠間貴之社長、かんぽ生命の谷垣邦夫社長が出席。来賓として、村上誠一郎総務大臣、竹内譲衆議院総務委員長、宮崎勝参議院総務委員長、山内弘隆郵政民営化委員会委員長が出席した。
 日本郵政グループを代表して、増田寛也社長があいさつ。「郵政記念日は先人たちの偉業を思い起こし、私たち現役の役員と社員がどのような使命を持って仕事に取り組むべきかを再認識するとともに、長年職務に貢献してきた社員の功績を称える日。本日は、全国で4864人の社員が30年永年勤続表彰を受賞した。表彰を受けた皆さまには、これまで豊富な経験と知識を持って長年郵政事業を牽引していただいた。私たちはこれからの日本全体を支える新たな役割を期待されている。期待に応え、この役割を担っていきたい。社員の皆さんは今後ともお客さまや地域、後に続く社員のため、引き続き力を発揮していただきたい。そして皆さん自身も変化を楽しんで新しい挑戦をしていただきたい」と述べた。
 来賓の村上総務大臣は、「少子高齢化、人口減少が進む中、郵便局には地域貢献への期待が益々高まっている。総務省は郵便局が生活に必要なサービスを提供する地域の拠点として認識し、郵政事業の安定的な提供を確保する観点から、今後ともその活動を支援していく。ユニバーサルサービスの確実な提供とともに、郵便局が地域に必要とされる公的サービスに一層積極的に取り組んでいただくことを期待している」と祝辞を述べた。
 竹内衆議院総務委員長は「郵政事業は全国に張り巡らされた郵便局ネットワークにより、長年社会に重要な役割を果たしてきた。郵便・貯金・保険のユニバーサルサービスの重要性は今も昔も変わらない。これからも地域住民のニーズに応え、郵便局らしい多種多様な商品、サービスを提供することを願っている」と語った。
 宮崎参議院総務委員長は「全国2万4千の郵便局ネットワークは国民共有の財産。郵便局には行政サービスの提供など、地域に密着した取り組みを行っていただいている。特に過疎地域では生活に必要な拠点の撤退が進んでおり、地域住民の利便性やサービス提供の担い手が喫緊の課題となっている。今後全国津々浦々にある郵便局は行政の補完や地域住民の生活支援としての役割が益々求められる。引き続き国民のニーズに応えるサービスを提供し、郵政事業のさらなる発展につなげていただきたい」と期待を寄せた。
 山内郵政民営化委員会委員長は「郵政事業は明治4年に創業以来、わが国の国民生活の維持・向上に貢献してきた。平成19年に郵政民営化が実施されたが、郵政民営化委員会は経営陣との対話や郵便局の視察などを通じて事業の発展に取り組んできた。昨今は少子高齢化と人口減少が地域社会の持続可能性に深刻な影響を及ぼしている。人口減少はこれからも続くため、郵便局の公的機関としての役割は益々大きくなっていく。郵政グループの皆さんには、今後ともグループの伝統を次世代に引き継ぐよう尽力していただきたい」と述べた。
 続いて行われた永年勤続表彰では、出席した264人がグループ別に名前を呼ばれ、その場で起立。ステージ横に据えられたスクリーンに映像が映された。会社別の代表受領では、日本郵政は増田社長から梅澤美枝子副看護部長(東京逓信病院)へ、日本郵便は千田社長から南方慎一朗局長(新宮中央通/和歌山県新宮市)へ、ゆうちょ銀行は笠間社長から松島弘幸店長(浦和店/埼玉県さいたま市)へ、かんぽ生命は谷垣社長から玉水壽之支店長(船橋支店/千葉県船橋市)にそれぞれ表彰状が手渡された。
 受賞者代表として、ゆうちょ銀行の伊藤基副本部長(東海エリア/愛知県名古屋市)が答辞。「1871年に前島密翁が郵便事業を創業して以来、日本郵政グループはお客さまの生活を支援する役割を果たしてきた。その結果、お客さまと深い信頼関係を築くことができ、今も多くのお客さまにご利用いただいている。この信頼関係の維持とお客さまや地域のニーズに応えるサービスの提供に、今後とも全身全霊を傾け精進していきたい。さらなる事業の発展のために社員一同邁進していくことを誓います」と述べた。
 郵政記念日は明治4年3月1日(新暦4月20日)、官営による新式郵便業務が東京―大阪間で開始された日を「逓信記念日(現・郵政記念日)」と定め、昭和9年4月20日に第1回逓信記念日式典が挙行された。
 今回の第92回永年勤続表彰者数の会社別内訳は、日本郵政が20年表彰27人、30年表彰40人。日本郵便は20年表彰2421人、30年表彰4387人。ゆうちょ銀行は20年表彰101人、30年表彰272人。かんぽ生命は20年表彰182人、30年表彰165人。グループ全体では20年表彰2731人、30年表彰4864人となった。


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