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2024年04月01日 第7242号

【主な記事】

郵便局ネット、魅力ある存在に
民営化委 総合検証を総理に提出

  郵政民営化委員会(山内弘隆委員長)は3月7日、「郵政民営化の進捗状況についての総合的な検証に関する郵政民営化委員会の意見」を岸田文雄本部長に提出した。金融2社の株式完全売却後の金融のユニバーサルサービスの確保や売却収入を生かしたビジネスモデルについて日本郵政に実効性のある方策の検討を求める内容も盛り込んだ。
 
 同検証では、株式売却により資本関係は希薄化していくが、グループが連携して郵便局ブランドを活用することや、金融2社と日本郵便の安定的な受委託関係の確保、金融2社の株式売却益を活用したビジネスモデルの構築について、日本郵政が明らかにすることを求めている。
 ゆうちょ銀行とかんぽ生命に対しては、株式売却後に日本郵政や日本郵便との連携をどのようにしていくのか、課題解決に向けた取り組みを求めた。
 郵便局に対しては、郵便局ネットワークが金融2社にとって魅力ある存在であることが求められていることから、DXの推進や郵便局のブランド価値の向上にグループ一体で取り組むことを期待している。
 郵便事業に対しては、物流事業の強化への取り組みの重要性や、郵便事業の安定的な提供の確保から、制度の見直しの検討といった意見も盛り込まれた。
 ゆうちょ銀行に対しては資産運用の多様化とリスク管理の高度化、金融市場環境の影響を受けにくいビジネスによる収益拡大を、かんぽ生命保険に対しては顧客ニーズの変化に対応した第三分野等の商品やサービスの充実、国際事業の展開、介護やヘルスケア事業などの保険関連事業の展開、収益源の多様化を求めた。(4面に総合的な検証の概要)
【株式売却後の要望についての記述】
①郵便局ブランドの活用について=資本関係が希薄化していくことが想定される中で、日本郵政と日本郵便、金融2社が緊密に連携し、郵便局ネットワーク及び郵便局ブランドをどのように活用していくのか具体的に検討し取り組むことが必要
②受委託関係の担保について=金融ユニバーサルサービスの確保のため、将来、日本郵政及び日本郵便と資本関係のない企業との間の受委託関係を長期安定的に担保する実効性のある方策の検討が求められる
③金融2社の売却収入を活用したビジネスモデルについて=金融2社の株式の売却収入を日本郵政グループの今後の成長に活かしていくのか。デジタル化の進展や人口減少等の社会経済環境の変化を踏まえて具体的にどのようなビジネスモデルを描いていくのか、について明らかにする


ゆうちょ子会社保有 国内投資を評価
 第272回郵政民営化委員会(山内弘隆委員長)が同日開かれ、ゆうちょ銀行の子会社の認可申請について審議した。
 委員からは、「Σビジネスにより、海外に投資されていた1兆円が地域の事業者など国内投資に回ることを評価する」という意見があった。
 意見募集が3月22日まで行われているが、希望者に対してヒアリングを実施する。


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