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2023年3月6日第7186号

【主な記事】

奈良市で「共助型買物」
実証実験 郵便物流ネットを活用


 イオンのネットスーパーでの買物を日本郵便の郵便物流ネットワークを活用した「共助型買物サービス」の実証実験が2月22日、奈良市東部地域で始まった。3月22日まで実施される。郵便局間の運送便の空きスペースを活用するため、日本郵便は、配達のオペレーションや人員への負荷を検証する。イオンは利用者の声を聞き、改善点を洗い出す。配達料金も含めて総合的に判断し、本格実施を決める。


 この日、イオン奈良店から奈良中央郵便局に届いた商品を乗せた運送便は、午後12時半に出発。波多野郵便局で積み替え、2時過ぎに共助型買物の拠点「月ヶ瀬ワーキングルームONOONO」に到着した。この拠点では、魚や肉、デザート、薬、水、電球など7件の注文があった。


商品を取りに来た、新中めぐみさん(38)は、パンや牛乳、ヨーグルト、もやしなどを注文した。新中さんは子供5人の7人家族。ヨーグルトは1日に1箱は必要で、買い物は3日に1回している。買い物は主に車で片道20分の伊賀市まで出向いている。「家族が多いので、いつも使う食品はすぐになくなってしまう。スーパーに買いに行かなくても済むので助かります」と話す。


 ミノ・恭季さん(30)は、水やバナナ、豚肉、シラスなどを注文した。「子供が小さいので離乳食に使うシラスを買いました。ここは家からも近く、ミーティングで頻繁に利用しているので、買い物した商品を取りに来やすい」と言う。


 実証実験中は送料は無料だが、本サービスになれば有料になる。利用料について、新中さんは「自分が買い物に行くと、ガソリン代や時間的なロスもある。見合う料金なら利用したい。我が家は買い物の回数が多いので月極めのサブスク(定額)の料金があると良いと思います。利用回数が少ない人もいるので、1回ずつの利用料も設定してもらいたい」と話す。ネットスーパーで購入し戸別配達した場合の配達料金は、2000円未満は1回500円、2000円~1万円は300円、1万円以上は150円。


  生鮮食品など  3万点を扱う


  共助型買物についてイオンリテール近畿カンパニーデジタル営業推進部の隅田純史・ネットスーパーグループマネージャーは「お客さまには3万点のネットスーパーの商品を幅広く見ていただき、買い物を楽しんでいただけます。これまではこの地域では生鮮食品は配達していませんでしたが、実証実験では生鮮食品も取り扱えるようになりました。ただ、アイスクリームと氷は注文できません。実証実験を通してアンケートを取り、改善できる所は改善し、継続できるビジネスモデルにしていきたい」と話している。


 月ヶ瀬地区では、週に1回、セブンイレブンの移動販売が来る。生協も週に1回、事前に注文のあった商品を個配している。イオンリテールでは「取り扱っている商品やサービスが違うので、お客さまにはすみ分けしてもらえるのでは」としている。


 イオンのネットスーパーでは、パソコンやスマホなどで注文するのが基本だが、サービス地域内の郵便局ではITの苦手な人向けに、タブレット端末を使用して注文サポートサービスを行っている。


 注文できるのは、月ヶ瀬(今井吉則局長)、柳生(武野瑠衣局長)、須川(安部伸也局長)、大柳生(福田久実代局長)の4局。クレジットカードが必要。セキュリティはしっかりしていて、打ち込んだカード番号などの個人情報はパソコンに残らない仕組みになっているという。


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