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2022年11月28日第7172号

【主な記事】

高校生と郵便局が連携
[東京都西北部連絡会]ビジネス体験で協力


 東京都立千早高等学校(小塩明伸校長)では様々な企業、地域と連携してビジネス体験活動を実施しており、今回、郵便局とのコラボで無人販売を実施した。無人販売の商品は「虎の尾醤油」。同校では「千早ビジネスプロジェクト(CBP)」を展開しており、普通高校での部活動に相当するもの。

 商品は三重県尾鷲市の向井地区において栽培されている「虎の尾」という伝統ある青唐辛子と杉の桶で2年間熟成させた「たまり醤油」を合わせて作られた。漁師が、釣った魚を船で食べる際に、わさびを使わずに虎の尾を薬味に使う習慣がある。辛さ・香り・うま味が調和し、食材の美味しさをいっそう際立てるのが特徴。
 無人販売プロジェクトに携わっているのは、2年生の7人のチームTRY∞(トラインフィニティ)。学校では、毎年ビジネス体験をするチームを2~3組立ち上げ、継続して活動している。
 3年ほど前にこの情報をキャッチした東京都西北部地区連絡会(西原直希統括局長/豊島長崎六)の豊島西部会(南雲英雄部会長/豊島千川駅前)が、学校側に「郵便局とコラボしませんか」と話しを持ち掛けたのがきっかけ。以来、学校と郵便局との関係は続いている。
 「この醤油に関しては、日本郵政の事業共創部の萩野泰史グループリーダーが尾鷲にローカル共創イニシアティブの仕組みを使って出向しており、尾鷲の虎の尾醤油を郵便局で販売できないかとの相談を受けた」と話すのは、須田薫矢局長(立教学院内/豊島西部会)。
 須田局長は「ちょうど南池袋局が開局となり、場所的にも集客力があると思い紹介した。
 萩野さんとは日頃から情報交換しており、東京支社(木下範子支社長)でも地方の商品を販売していく取組みもしており、話をするとぜひ、販売に協力して欲しい」との回答があったと語る。
 「どうせだったら千早高等学校のCBPを絡ませて進めると面白いのではないか。ビジネス体験に結びつくものになると考えた」と提案し、「今回は尾鷲の醤油の販売だが、また何かあれば実践していきたい。我々も地域貢献として、また学校もビジネス体験が出来るウィン・ウィンの関係が築かれている。生徒さんたちも積極的に取り組んでくれるので、こちらも刺激を受けることが多い」と須田局長。
 萩野グループリーダーは「全国各地域には良いものがあるが、なかなか都会などに知られることが少ない。我々の持っている郵便局ネットワークを利用して地域の良いものをお知らせできるし、地域にとっても助けになる。今回は、販売主を千早高等学校にお願いし、無人販売を実現させた。生徒さんのビジネスの勉強にもなり、『三方良し』の形となった」と取組みの成果を述べた。販売開始から約1か月間で、68本が売れた。
 虎の尾醤油の販売元である尾鷲ヤードサービス株式会社の岡文彦代表取締役社長は「私どもにはありがたい話。良い商品はたくさんあるが、それを発信する力がない。流通による販売ルートの確保に、郵便局の応援は助けになる。萩野さんとは今後も一緒に仕事をしていきたい」と期待を話している。


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