「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

2020年 7月13日 第7048号

【主な記事】

日本遺産 「麒麟のまち観光局」と協定
[全国初]鳥取県因幡・兵庫県但馬連絡会


 鳥取県因幡地区連絡会(谷口雄史統括局長/鳥取大正)、兵庫県但馬地区連絡会(織田恭平統括局長/竹野)、一般社団法人麒麟のまち観光局(DMO=観光地域づくり法人・宮﨑正彦理事長)の3者は、鳥取県東部地区と兵庫県北但西部地区の1市6町(鳥取県鳥取市、岩美町、若桜町、智頭町、八頭町、兵庫県新温泉町、香美町)で構成する「麒麟のまち圏域」における観光振興に連携して取り組もうと「麒麟のまち圏域における観光振興に向けた包括連携協定」を7月1日に締結した。郵便局とDMOの包括連携協定は全国初。

 麒麟のまち観光局は2018年に設立、日本版DMO法人に登録されている。DMOは観光地域づくり法人で、地域の「稼ぐ力」を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成する「観光地経営」の視点に立った観光地域づくりの舵取り役を担う。
 多様な関係者と協働しながら、明確なコンセプトに基づいた観光地域づくりを実現するための戦略を策定するとともに、その戦略を着実に実施するための調整機能を備えた法人。郵便局とDMOの観光振興に関する包括連携協定は全国で初めてとなる。
 また、因幡・但馬の地域に伝わる麒麟獅子舞に関するストーリーが『日本海の風が生んだ絶景と秘境―幸せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地「因幡・但馬」』として昨年、日本遺産に認定されている。
 7月1日に鳥取市民交流センターで協定調印式が行われた。日本遺産「麒麟のまち」推進協議会の朝野泰昌会長、鳥取中央局の大野康博局長を来賓に迎え、宮﨑理事長、谷口統括局長、織田統括局長が協定書に署名した。
 宮﨑理事長は「観光振興に向けた包括連携協定の締結は、たいへん心強く、嬉しい限り。麒麟のまち観光局は意欲的に地域の観光づくりに取り組んでいるが、因幡・但馬地区の郵便局にはDMOのサポーターとしてすでに協力いただいている」と強調。
 「今回の提携を機に郵便局ネットワークを活かし、麒麟のまちに来る観光客の案内拠点・情報発信拠点として、大いに貢献されることを期待。全国に先駆けた取組みで、全国に発信できることは素晴らしいこと」とあいさつした。
 谷口統括局長は「郵便局は来年、創業150年の節目を迎える。現在、全国2万4000の郵便局がネットワークを活用して、社会に必要なユニバーサルサービスを全国に提供している。併せて、地域社会発展と活性化、地方創生の取組みも我が社の最も重要な位置づけとして取り組んでいる」と説明。
 「今回の協定で、1市6町の全73の郵便局において、観光客受け入れの整備やフェイス・トゥー・フェイスでのおもてなしなどに取り組み、地域経済振興・活性化に役立てると思っている。同時に、この地域に来てよかった、また来たい、ここに住みたいと思ってもらえるようになることを願っている」と期待を込めた。
 3者は本協定により①地域観光資源の掘り起こしに関すること②地域の観光PRや魅力発信に関すること③地域商品の開発・販売に関すること④その他、観光振興に関すること―などに連携して取り組んでいく。

【フレーム切手贈呈式】
 続いて、鳥取市の深澤義彦市長も迎え、フレーム切手の贈呈式が行われた。中国支社(小林利行支社長)では7月1日から、フレーム切手セット『日本海の風が生んだ絶景と秘境 幸せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地「因幡・但馬」』を販売開始。
 3者による包括連携協定締結と、麒麟獅子舞に関するストーリーが日本遺産に認定されたことを記念し、地域振興支援及び手紙文化振興促進を図るために作成した切手で、麒麟のまち圏域による日本遺産ストーリー『日本海の風が生んだ絶景と秘境 幸せを呼ぶ霊獣・麒麟が舞う大地「因幡・但馬」』を題材としている。
 織田統括局長が「切手は麒麟のまち圏域が舞台。将来にわたり、この地域の人たちとの結びつきを強め、観光振興による経済活性化、地方創生、さらには空気、文化、思い出を残す一助となればと思っている」とあいさつ。
 谷口統括局長から宮﨑理事長へ、織田統括局長から日本遺産「麒麟のまち」推進協議会の朝野会長へ、大野局長から深澤鳥取市長へフレーム切手が贈呈された。
 朝野会長は「麒麟のまちの知名度アップとPRに努め、麒麟獅子舞の活用や人材育成、普及啓発も積極的に実施してきた。片山善博前鳥取県知事がかつて新温泉町で講演した際に『因幡も但馬もありゃへんで』と言っていた。今日、やっとつながったかな、という気持ち。行政主導の事業展開には限界があり、将来的に官民一体での展開が求められている」と述べた。
 そして「切手発行は、官民一体となった日本遺産推進と、麒麟のまちのPRの大きな第一歩。地域の人たちにとっては誇り。観光客を始め来訪者にはこの地の魅力を多々感じてもらえると思う。鳥取と兵庫の県境を飛び越え、麒麟のまちのエリアで切手の同時発売は、地域の一体感をさらに強めるもの。麒麟のまちがより一層、活性化することを期待し、日本遺産認定をきっかけとした地域の活性化に、郵便局の皆さまと一緒に取り組んでいきたい」とあいさつ。
 深澤市長は「麒麟獅子舞をはじめ、圏域1市6町の構成文化財がたいへん美しくデザインされており、多くの皆さまに改めてこの圏域の魅力を感じてもらえるものと期待している。麒麟獅子舞は人々に安定と幸福をもたらす象徴として伝承されてきている。この圏域にもまた平穏で活力ある日々が戻ってくることを祈念する」と語った。
 多くの人たちが見守る中、因幡麒麟獅子舞の会の皆さんによる、麒麟獅子舞の演舞も行われた。84円切手10枚とA3二つ折り台紙が1セットで2000円。麒麟のまち圏域の1市6町の全73局で販売中(一部簡易局は除く。兵庫県豊岡市、養父市、朝来市の郵便局は取り寄せによる販売となる)。


>戻る

ページTOPへ