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2020年 4月20日 第7036号

【主な記事】

顧客対応業務の継続を
[金融庁]基本的な考え方を発表

 金融庁は4月7日、政府の緊急事態宣言の発令に対応し、「緊急事態宣言の対象地域における金融機関の対顧客業務の継続に係る基本的な考え方」を発表した。

緊急事態宣言受け感染防止対策
 基本的な考え方としては、政府や都府県の要請に従って感染拡大防止に最大限努めると同時に、事業者の資金繰り支援を始め、国民の経済活動をサポートする金融機能の維持や顧客保護の観点から必要な金融業務を継続するとしている。
 預金取扱金融機関については、店舗を開いて顧客対応業務を継続する。顧客対応業務は、預貯金・為替・手形・送金・融資(コンサル)・ATM等が挙げられる。
 顧客接点を持たないで継続可能な業務については、対面による金融サービスの提供を極力避け、インターネット、コールセンター、ATM等などのリモート機能を活用した非対面による金融サービスの提供を行う必要性を指摘している。
 店舗等への職員の出勤は必要最小限にとどめるほか、リモート機能を活用し職員の出勤を伴わない業務について自粛する必要はないが、その結果、顧客等の対象地域内における移動を伴うことがないよう注意を喚起した。
 また、各金融機関の本店・店舗等では、顧客や職員の十分な距離を確保するなどの感染拡大防止の工夫を行うことを促した。
 業種ごとの考え方としては、預金取扱金融機関とそれ以外の金融機関に区分。預金取扱金融機関については、銀行等は、店舗を開いて必要な人員で顧客対応業務を継続するとともに、事業者等支援のための各種施策における地方公共団体や日本政策金融公庫等との必要な連携を実施する。
 預金取扱金融機関以外の金融機関(保険会社、第一種金融商品取引業者及び投資運用業者)は、保険金支払い(契約者貸付を含む)、株式、債券、為替等に係る取引等の必要な業務を継続する。その際、可能な限り、ネット、コールセンター、営業店の電話等のリモート機能を活用し、職員の出勤は必要最小限にとどめるとしている。
 窓口業務を継続する場合、投信販売、保険の引受などの金融商品の取扱いについては、基本的に既存契約の解約や換金に対応するために必要な人員を配置する。新規契約については、リモート機能の活用を基本とする。
 重要システムの機能維持に係る保守管理を委託するシステムベンダーや、現金輸送等を行う警備会社など、重要業務を継続する上で必要となる業務委託先との調整を実施する。街頭やセミナーを含む対面の広告宣伝活動は自粛する。
 金融庁は同日、麻生太郎金融担当大臣による談話「新型コロナウイルス感染症の感染拡大による緊急事態宣言を踏まえた金融システム・金融資本市場の機能維持について」を発表した。
 麻生大臣は「緊急事態措置の対象区域の金融機関においては、政府や都府県の方針・要請に従い、感染拡大防止に努めて頂くとともに、こうした状況下においても、事業者の資金繰り支援を始め、国民の経済活動を支援する金融機能の維持や顧客保護の観点から、別紙の基本的な考え方に基づき、必要業務の継続について適切な対応に努めていただくよう要請する」と述べた。
 国民に対しては「緊急事態措置が実施された後も、銀行等は、店舗を開いて、事業者の資金繰り支援を始め、預貯金・為替・手形・送金・融資・ATM等の顧客対応業務を継続することとなっている」と述べた上で、「わが国の金融システムは安定しており、金融庁としては、今後いかなる状況においても、金融システム及び金融資本市場の機能に重大な支障が生じることのないよう、金融機関や取引所、日本銀行や関係省庁、都府県等と十分な連携を取り、適切に対応してまいりますので、国民の皆さまにおかれては、冷静な行動をお願い申し上げます」と呼び掛けた。
 続いて「政府の緊急事態宣言や都府県の要請における感染拡大防止の趣旨を踏まえ、金融機関においては不要不急の対面での手続を極力控えることとなる。国民の皆さまにおかれては、可能な限り、インターネット、コールセンター、ATMなどの非対面による金融サービスをご利用いただくようお願い申し上げます」と訴えた。


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