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2020年 4月20日 第7036号

【主な記事】

地区コミュニティセンターに移転
熱郛=ねっぷ=郵便局(北海道黒松内町)が営業開始
行政サービスを代行
施設、図書館管理も受託


 北海道黒松内町白井川の「熱郛(ねっぷ)郵便局」が、白井川地区コミュニティセンターに移転し、3月30日から営業を開始した。移転に伴いコミュニティセンターと施設内の図書館の管理も受託した。すでに熱郛郵便局は北海道支社と黒松内町の包括連携協定に基づき、各種証明書交付事務などを受託している。黒松内町の鎌田満町長は「引き続き町の業務の一部と同時に、施設管理も担ってもらうことになった。いずれも地域に不可欠なもの」と改めて期待を示している。

 北海道支社(長野善仁支社長)が移転を進めてきた熱郛郵便局の新局舎は、旧局舎から90メートル東に移り、新住所は〒048-0134・寿都郡黒松内町字白井川8-268。
 1959年に建築された熱郛郵便局は、61年が経過して老朽化と耐震性の不安などから改修の案が出ていた。また、白井川地域のニーズを反映した安全な施設を整備するため、老朽が著しい白井川青少年会館の改修案も持ち上がった。
 日常の黒松内町との繫がりの中で、①行政サービスの維持のため、支所業務を熱郛郵便局に委託できないか②白井川地域に郵便局を存続させるため、改修に伴って青少年会館に移転してはどうか―といった話が出て、具体的な調整が行われた。
 昨年6月から青少年会館の耐震改修および外構整備工事を実施する中で、過疎化と高齢化が加速する地域課題として、住民生活に欠かせない熱郛郵便局の存続と、幅広い世代が安心して利用できる施設となるようにすることとなった。
 支所機能の維持、郵便局を存続させるため、施設へ郵便局を設置させる対応をすることとし、青少年会館を白井川地区コミュニティセンターに改称、改修することとなった。
 昨年5月29日に黒松内町と北海道支社は、包括連携協定を締結している。これに基づき、熱郛郵便局は各種証明書交付事務、受託交付事務(パークゴルフ場シーズン券、取次事務)を受託しているが、移転に伴い新たに白井川地区コミュニティセンターの管理、図書館の管理も受託した。
 これまでは取扱件数で収入を得たが、今回から年間契約受託料となり「北海道では初となるのではないか」と熱郛郵便局の今村和宏局長は話している。
 同日、営業開始セレモセニーが開催され、来賓として黒松内町の鎌田町長、町議会の福本誠一議長、長野支社長、南後志地区連絡会の永井孝博統括局長(喜茂別局)をはじめ、役場や支社の関係者、町内会役員が参列した。
 鎌田町長が「白井川青少年会館は、青少年の健全育成を目的に昭和49年に建設、45年間にわたり白井川地域の住民の集いの場としての役割を果たしてきた。このほど完成した白井川地区コミュニティセンターは、これまでと変わらぬ地域コミュニティの場として、地域団体の会合で利用いただき、非常時は指定避難場所として安心・安全を確保する拠点として使用することを目的としている施設」と述べた。
 また「建物には熱郛郵便局が移転入局する。移転に際し、地域の皆さまには一時的に不便をおかけしていたが、装いも新たに営業がスタートする。引き続き住民票等の証明書発行事務を含む町の業務の一部を行っていただき、施設管理も担ってもらう。いずれの業務も地域に不可欠なもので、地域に深く根づいている日本郵便に引き受けていただいたことに改めて感謝を申し上げる」と強調。
 そして「白井川地区コミュニティセンターが、地域住民に親しまれる場所となり、地域コミュニティが更に醸成されることを願っている。合わせて地区の皆さまに熱郛郵便局を末永くご愛顧いただくというようお願いを申し上げる」とあいさつした。
 長野支社長は「創業以来培ってきた地域住民の皆さまの信頼をもとに、ユニバーサルサービスを提供しつつ、地域に寄り添い、地域と共に生き、地域を丸ごと支える姿勢で、黒松内町と共に活力と魅力あるまちづくりの推進の一助となる。地域住民の皆さまの拠り所として期待に添えるよう、引き続き努めてまいりたい」と語った。


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