「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

2019年 10月21日 第7010号

【主な記事】

女性の活躍推進図る
新宿ブロック・東京西・中央西 ダイバーシティ研修


 女性活躍推進をテーマに、機能別を超えた社員の交流と共に、女性管理者登用の意識付けを図ろうと、単独マネジメント局・エリアマネジメント局合同でのダイバーシティ(キラキラ)研修が、本社・支社の協力の下、新宿郵便局で9月26日に開催された。新宿ブロック、東京中央西部地区連絡会、東京西部地区連絡会の女性管理候補者(課長または課長代理)のうち、郵便・物流機能(単マネ)から各1人、窓口機能(部会)から各1人の計20人が参加した。

 合同研修は、新宿北郵便局の田中克美総務部長が司会を担当。新宿ブロック人材育成担当の成田喜浩局長(新宿北)が「意識啓発、コミュニケーション活性化が目的。民営・分社化から12年、社員の意識を変えなくてはいけない時に来ている。そこで一番大事なのが女性の活躍。女性の持つ資質をもっと引き出してあげることが大切。そういう意味で、意識付けをしていきたい」と強調。
 そして「見えない壁を取り払い、社員のコミュニケーションを活性化していく必要がある。この場で終わりではなく、今日をスタート地点にして、このコミュニケーションを今後大事にしてほしい」とあいさつした。
 東京支社総務・人事部人材開発担当の波多野美幸課長が「キャリアについて考える」と題して講話を行った。
《キャリアについて考える》
 キャリアは1人ひとりにあるものと前置き。「やりたいこと」「やるべきこと」「できること」のうち、「やりたいこと」と「できること」の交わる部分は自分の強み。ここに「やるべきこと」を加えた3つの交わる部分が大きくなると、今後の働き方の選択の幅が広がっていく。
《自分らしい働き方を考える》
 「常に意味を問う」「仕事をする上で大事だと思うことを意識する」といった、仕事の意味を考えることを提言。「生活が安定していることが大事」「創造性を活かして自分で新しいものを創り出したい」「仕事をする上でライバルがいると張り合いを感じる」「メンバーをまとめて1人ではできない大きな成果を出したい」など20項目の中から、仕事をする上で特に大事だと思うものを3つ選択して優先順位を付け、なぜそれを選んだのかなどを説明するグループワークを交えながら、自分の仕事観の棚卸を行った。
《ダイバーシティの理解のために》
 全ての社員がそれぞれの力を発揮し、活躍できるようにしていこう、ということがダイバーシティ推進の大きな考え方。「共通している部分が多いと人は仲良くなれるが、異なる価値観、自分が知らないこと、興味がないことに対しては排他的になり、壁を作ってしまう。これがダイバーシティ推進の中で大きな壁。それをどんどん打ち破り、理解し合おうとすることが大事。踏み出してほしい」と呼びかけた。
 東京支社では現在、正社員の男女比が78対22、役職者は88対12、管理社員は91対9となっており、年齢別社員構成を見ると、男女とも41~45歳が一番多く、若い世代ほど女性の割合が増えていることを紹介。
 ワークライフバランスとワークライフコンフリクトについて「仕事以外の生活で大事にしたいこと、取り組みたいこと、取り組む必要のあることを持つ社員が増えたから、ワークライフバランス支援が必要になった。社員がワークライフバランスを実現できるよう、仕事の管理や働き方の見直し、職場環境の整備を行っていかなくてはならない」と指摘した。
 さらに「親の介護を行う社員には役職は難しい」「既婚女性は家事が大変だろうから飲み会に誘わない」「上司の意見は正しい」といったアンコンシャスバイアス(=性別、人種、国籍、年齢、役職など、無意識の偏見・思い込み)に気付き、それをなくしていくことが大事であるとし、「キャリアも個性も考え方も違う人が、同じ目的に向かって働く中で、いろいろなことがあるのは当然。まずはダイバーシティという考え方、1人ひとりの違いを認め合うことから始めていこう」と結んだ。
 続いて「ES・CSの推進」をテーマに、グループディスカッションが行われた。「仏頂面で不親切で不快な社員が、お客さまがカウンターに荷物を置いても無視。同僚は気付かせるなどの対応をしない。その後、ようやく対応に至っても謝罪の言葉もない」「配達員がタバコ臭い、金髪。アレルギー持ちの子どもに洋服が届いたが、タバコ臭くなっていた。業者を選べるなら他社を選ぶが、ゆうパックで届く時は困っている」という2つの事例について、どうしてこうしたことが起こるのか、「なぜなぜ」を繰り返して課題の本質に迫るもの。
 まずはグループごとに意見交換、その内容を全体で共有した。「局全体として仕事が楽しくない」「やる気や達成感がない」「リーダーや頼る人がいない」「悩みを共有できない」「みんなで話し合う機会が必要」などの意見が出された。
 波多野課長は「あいさつをしない人にあいさつをしろと言っても無駄、事故ばかり起こす人に事故を起こすなと言っても無駄。原因があるので、そこをみんなで探り合い、しっかりと掘り下げていくことが大きなポイント。CSとESは繋がっている。ESが無い職場にCSは無い」と語った。
 女性管理者との意見交換(パネルディスカッション)が行われ、道本尚子窓口営業部長(牛込)、齋藤梢恵郵便部副部長(新宿)、波多野課長がパネラー、本社人事部ダイバーシティ推進室の谷合美恵専門役がコーディネーターを務めた。
 管理職に昇格する前に思っていたより良かったこととして「人とのつながりがすごく増え、マネジメントなど勉強するようになり、自分の考えが良くなった」、苦労したこととして「1年目は分からないことばかりで時間の管理ができず、自分の管理もしないといけないことを学んだ」などの発言があったほか、男社会の中で女性として気を付けていることや気持ちのコントロール方法として「社員の様子や顔色、窓口の見えない汚れは無いかなど、よく見るようにしている」「役職者が楽しそうに仕事ができ、やりがいを持って仕事をする姿を見せることで、管理職になりたいと女性社員に思ってもらいたい」といった声が上がった。
 また「仕事とプライベートは完全に分けてリフレッシュする」「やらされ感ではなく、自分から進んでやれば楽しくなる」といった意見も出た。
 最後に、谷合専門役が「皆さんが活躍することは会社のため、お客さまのためでもあり、皆さん自身が働きやすくなるという幸せのためでもある。会社の成功は決して業績だけでなく、社員が幸せになること。そのために、皆さんがどんどん意見を言える立場になってもらい、後輩に背中を見せていってほしい」と結んだ。


>戻る

ページTOPへ