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2019年8月26日 第7002号

【主な記事】

全員営業で全種目達成を目指す
地域が誇れる郵便局を
佐礼谷郵便局(愛媛県)
統括局長 亀井慎滋局長

 郵政事業を取り巻く環境は依然として厳しいが、新たな中期経営計画の2年目も5か月目を迎えている。各郵便局では局長と社員が一丸となり、お客さま目線のスタンスで全種目達成を少しでも早く実現しようと汗を流しているが、四国支社管内で常に上位の成績を挙げている郵便局を訪ねた。愛媛県中予地区連絡会の統括局である佐礼谷郵便局(亀井慎滋局長)である。同局が所在する伊予市は、愛媛県中予地方の最西に位置しており、西は南予地方となる。同市には複数の削り節工場が立地し、国内に出荷される6割のシェアを占めている。人口は約3万6000人。五色浜をはじめとした海水浴場、JR予讃線「夕やけ小やけライン」は観光名所となっている。佐礼谷局が所在する旧中山町は、栗の産地として全国的に有名で、関東、近畿地方へも出荷されている。

 松山空港からリムジンバスでJR松山駅へ。予讃線に乗車して伊予市駅で乗り換え、伊予中山駅で下車。駅舎を背に県道56号線を北に2キロ直進し、右折して広田双海線に入り、さらに約2キロ道なりに進むと、右手前方の奥に佐礼谷郵便局が見えてきた。
 亀井局長は伊予市の出身で、昭和63年5月9日付で局長に就任、31年目を迎えており、平成26年からは統括局長を務めている。
 スタッフは局長、局長代理、主任の正社員3人と期間雇用社員2人(隣の中山局と併任)。利用世帯は約250で人口は約540人である。
 1日当たりの来客数は10~15人で、周辺にJAや信金はなく、最寄局は中山局で、約5キロの距離にある。2018年度は、本社営業表彰特別表彰を受賞した。

 地域あっての郵便局
 局長就任当初に作成した「経営理念」を常に掲げ、営業活動、業務、地域活動及び人材育成を行っている。また、地域の皆さんの郵便局であり続けるよう、社員共々取り組んでいる。
 このほか、社員が転入した場合は、「顔写真入りの自己紹介」や「決意」「今後の思い」などを記載した資料を持参し、全戸へのあいさつ回りを励行している。
 その結果、新入社員にとって地域の人たちとの関わりがより身近となり、業務運行や営業推進に大いに役立っている。かつては3事業一体の世帯別の顧客管理簿を作成して営業活動しており、人事異動時に役立った。
 
 早期に全種目達成を目指す
 営業推進に当たっては「全種目達成と目標の早期達成」を第一に掲げている。特に実績確保が難しい商品(かんぽ・年金自動受取り)は他の目標より優先して推進することにしているが、郵便局の都合で商品を売るのではなく、お客さまの要望を優先して取り組み、お客さまを裏切るような営業は絶対にしないこととしている。
 また、営業推進に当たっては、過去の実績なども勘案しながら、できるだけバランスの良い推進管理を行うこととしている。そこで、支社や連絡会で決めている毎月のガイドラインをしっかり把握して、全員による推進が図られるように取り組むこととしている。

 力を入れる人材育成
 エリアマネジメント局では、カウンターセールスが基本であり、限られたスタッフで幅広いお客さまサービスを提供していかなければならない。そのためには、「幅広い業務知識」や「接客マナー」はもとより、幅広い知識も必要であり、相応の自己啓発も不可欠となる。
 また、局長が不在のときには、ある程度の代行も必要となるので、定例的に対話を行い、とことん話し合うこともある。時には、なぜそうするのか理解させるための根拠や理由を明確に話すようにしている。
 このほか、手すき時間を利用し、OJTを取り入れるなど、生きた効果的な勉強会も行っている。

 朝礼や会議の充実
 原則として、朝礼は毎週月曜日に実施し、局長代理が進行役を務め、営業の推進状況などの説明を行っている。
 局長からは主に四国支社をはじめ、連絡会や部会の報告などを行うとともに、お客さまに関する情報については、局長と全社員が共有化を図るために、社員からも積極的に発言してもらっている。
 このほか、必要なときには随時ミーティングを行うこともあり、年に数回は情報交換会も行っている。

 地域活動の実施
 郵便局の持ち味や使命を出しつつ、地域の皆さんに信頼され、なくてはならない郵便局づくりを目指して積極的に地域と関わり、世話役に徹している。具体的には、小学校の入学式や卒業式に必ず出席、入学式では新入生全員に「入学記念品」を贈呈している。
 また、「盆踊り大会」(8月)、「きてみん祭り」(地域挙げてのイベント実施・11月)、「ふるさと祭り」(小学校の学芸会や地域住民演劇等の披露・2月)では、活性化グループ(事務局長は局長)実施のバザーの手伝いを社員と一緒に行っている。これらは、普段会えないご主人や若い人との顔合わせ、懇親なども考えての参加である。


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