「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6736・6737合併号

【主な記事】

月間目標を掲げ本社特別表彰に輝く
北海道・七飯郵便局
板倉利知子局長

 北海道七飯町の七飯郵便局は昨年度、板倉利知子局長の下、全員が一丸となって全種目の営業目標達成を目指した。毎月の目標を掲げ、最後まで粘り強く一人ひとりが力を発揮、郵便収入が96%と未達成に終わったものの、残りの10項目は目標達成という顕著な成果を挙げた。特に保険が2月27日に北海道管内の単マネ局で4位の早期達成となったことが注目され、日本郵便本社の営業表彰の特別表彰に輝いた。板倉局長は「最高の出来栄えで、実にやりがいのある年度だった」と社員の奮闘を高く評価している。本年度は大幅な人事異動があって、厳しい状況だが、危機感を持って全種目の目標達成に挑む。

 板倉利知子局長は平成25年4月、局長として4局目となる七飯局に着任。目指したのは全種目の営業目標達成だった。毎月、月間の目標を決め、全員で着実に成果を出した。やり遂げていった。
 特に生命保険は、7月期にマネジメントグループ局のマンスリーNo.1となった。前日まで7位だったのが、1日で1.52%の実績を上げ、月間で9.40%を達成しNo.1に輝いた。

 保険が達成できれば
 他の商品も達成できる
 越前孝俊課長(渉外)は12月に2人の渉外社員が「今月、保険は必ず30万円をやる」と宣言、それを実現したことが大きく貢献したとしている。そして着実に営業を推進、2月27日の単マネ局では管内4位の早期達成という成果につながった。
 特に「12月に出来るものは100%やろう」と全員が積極的に取り組み、集金保険料、第三分野保険を達成、1月は物販、メイン口座、2月は定額新規預入、年金自動受取の達成と結び付いた。当初から、保険が目標達成すれば残りの項目もおのずと達成できると呼びかけたことが功を奏した。
 板倉局長は、窓口社員の営業力も大きく、前年度に保険では132万円と目標を上回る実績を上げたことを指摘する。窓口社員の服務表を見直し、現実に合った仕事のしやすい体制にしたことが大きな要因としている。
 今年就任した原口耕二総括課長は、窓口社員が貯金の利用者に旬の商品を声かけしている姿勢を「付加価値を付ける積極的な営業活動」と高く評価している。堀内一弘課長(窓口)も窓口社員の営業のレベルは高く、さらに声かけしやすい環境づくりを整えたいとしている。
 昨年度は郵便営業収入だけが96%と未達成だったが、残りの10項目は①生命保険=2月27日②年金保険=3月17日③定・定新規預入=2月12日④定・定純増=3月27日⑤年金自動受取=2月4日⑥メイン口座=1月22日⑦投資信託=11月18日⑧第三分野保険=12月24日⑨自動車保険=3月31日⑩物販=1月28日と目標を達成し、顕著な実績を上げた。
 板倉局長は、全員の最後まであきらめない粘りの営業力に驚嘆し、「実にやりがいのある年度だった」と振り返る。この結果、昨年度は本社表彰の特別表彰に輝いた。個別表彰でも▽物販▽保険▽貯金▽郵便の各部門で支社表彰に輝いた。
 本年度は大幅な人事異動が行われ、社員育成にも力を注ぐことになり、営業は厳しい状況になったが、板倉局長は笑顔で元気にしていないとパワーが出ないことから、「職場は明るく元気に」をキャッチフレーズに「社員一人ひとりが主役。一丸となって、全種目の目標達成に根気強く、最後まで頑張ろう」と訴えている。
 函館出身の板倉局長、14年ぶりにふるさとの近くに戻り、地域貢献にも力を入れることにしている。
 民営化前から中学、高校、養護学校の3校から、職業体験学習を受け入れている。中学、高校生は一度に2、3人、養護学校は20人ぐらいで、「生徒が働くということを身をもって体験し、進路を考える大切なきっかけとなった」という学校長からの感謝状が届いている。本年度も積極的に受け入れることにしている。
 また、本年度は、役場と保険の協定を結び、全職員にアンケート調査を行っており、これがさらなる郵便局と地域との密着を深めるものになればと大きな期待を寄せている。さらに板倉局長は、4月に萌黄の会(北海道女性管理者の会)の会長に就任した。今後も管理者志願の増加を図り、後継者づくりに尽力することにしている。

 保険では基本活動を訴える
 社員の昨年度に効果を上げた取り組みなどを紹介する。
【渉 外】
■越前孝俊課長=保険販売は7割ぐらいの比重で動いてほしいと話した。力を入れたのは基本活動。つまり、データを基にあいさつ状を送付、アポを取ってから訪問する。それまでは直に訪問するケースが多かった。基本活動によって、効率的に時間を使うことができるようになった。お客さまと会える時間を基に、営業機会を逃さないで活動するようにと訴えた。
 また、月18万円できる社員には20万円やろうと呼びかけ、具体的な話法の勉強会を行い、自信を持たせた。高額の保険満期、高額貯金の書き換えは同行で活動し効果を上げた。同行するのだから、2人分の数字を上げようと意識して取り組んだのだ。

■田中時弘課長代理=力を入れたのは全員でやろうという雰囲気づくりで、内外の連携がうまくいったことが大きい。窓口社員からパンフレットを持っていった顧客を紹介してくれるなどの情報提供があった。

■小笠原靖主任=新聞を見て、相続関係の手伝いをしたいと訪問。「郵便局でご利用の商品はありますか」と聞いて、「相続に絡むものがあれば、お手伝いします」と話した。相続関係のアドバイスによって、信頼関係を築き、保険の見直しなどの相談を受けた。相続関係の訪問が全体の4割ぐらいの実績を占めた。同行ではこんな話し方もあるのだと参考になり、実績が上がると全員でやろうという意欲がさらに高まった。

  付加価値を高める営業の声かけ
【窓 口】
■原口耕二総括課長=職場内をすっきりさせて、営業できる環境を作り、声かけしやすく、社員が動きやすくした。窓口社員は積極的に旬の商品の声かけをしている。貯金払い戻しの利用者にも、「こういう保険はご存知ですか」と声をかける。これが付加価値を付ける大事なこと。買ってもらうための話をどれだけするかがポイント。カウンターを越えての声かけ、ATMコーナーでの声かけに力を入れ、実績向上を図る。自動車保険やがん保険を取り扱っているのを知らない顧客もいるので、いろんな商品をPRしようと呼びかけている。

■堀内一弘課長=窓口社員の営業のレベルは高い。さらに営業力を付けようという気概があるので、教え甲斐がある。窓口の取り組みを見て、こう言った方がいいのではとアドバイスするとよく聞いてくれる。本年度は一人で短時間に成約まで持っていくのは難しいので、応援体制によって、実績を上げるようにしたい。

■阪本裕二課長代理=昨年良かったのは全員が一丸となって取り組んだこと。窓口の利用者は多く、窓口社員が気持ち良く仕事ができるように、後方からの応援体制に力を注ぐ。本年度も一丸となって取り組もうと呼びかけている。

■中田博之課長代理=利用者と仲良くなることがポイント。仲良くなるためにはなにげない会話が一番。毎日、声をかけて、回数を増やすことが大切。10人に声をかけて、3人が応じてくれれば成功。残りの4人はどっちつかず、3人は無理というデータがある。思い出しては自筆で手紙を書いている。貯金では振り込め詐欺の被害の多くは通常貯金からの送金が多いことを話し、定額、定期貯金の通帳を作ったらどうかと話し効果を上げた。

■寺川亜衣子主任=保険の窓口で「学資保険を追加しませんか」と声をかけている。もう入れないと思っている加入者が多く、意外と耳を傾けてくれる。ほとんどの人が保障を見直したいと思っている。窓口社員は全員、声をかけており、お互いに協力して実績を上げようとしている。これが窓口の高実績のコツだろう。

■花田雪美さん=今後、ずっと働くのであれば、正社員が良いと、正社員になった。窓口社員は全員が積極的に声をかけるので、こちらも負けずに声をかけた。パンフレットを見せながら「おいしそうですね」と話しかけ、「これは自分で買いに行かなくても月1回、旬なものが届きます」とアピールした。保険はパンフレットを使い、視覚に訴えながら「これで10年間頑張って、100万円を貯めませんか」と声をかけ効果を上げた。


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