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2024年01月29日付7233号

【主な記事】

地区会ポータルを立ち上げ
風通しの良い組織に向けて
清家裕二会長(愛媛県南予地区会)


 風通しの良い組織作りを―これまでにいろいろな組織・団体で言われている。沖縄市で2023年6月に開催された全国郵便局長会の通常総会で、末武晃全特会長があいさつの中で強調したのをはじめ、各地でいろいろな場面で、リーダーたちが話をしている。愛媛県南予地区郵便局長会(清家裕二会長/宇和海)では、風通しの良い組織づくりを目指して「南予ポータル」を作り、会員相互のコミュニケーションに活用している。清家会長に話を聞いた。
 


〈南予ポータルとは〉
 南予ポータルは、局長会の活動をどうやって活性化させるか、という意味で作った。活性化のために必要だと考えた情報の共有・収集・管理・活用の機能をGoogleWorkspaceをベースに南特らしく実装した。
 情報管理活用のため、部会や専門委員会等の共有フォルダを作り、閲覧権限をそれぞれに設定している。規約や議案書、会員名簿、局舎情報など随時更新し、最新の状態でいつでも閲覧できる。
 時代の流れとともに、コンプライアンスや峻別などによる活動の制限に対応する必要があり、効率性と会員の使いやすさを考え、スマホでの利用を前提としたシステムを作った。組織強化のために自己紹介ページや、私が何を考えているかを会員たちに知ってほしい、という思いからブログ配信も行っている。
〈目的と活用〉
 峻別への対応と局長会活動の生産性向上が大きな目的。会員の年齢や局長歴、局舎が自営かなど、議論の基礎となるデータを会議出席者がスマホを見ながら会議をすすめることも行っている。
 これまで報告は、会員が部会長や専門委員に報告し、それをまとめて理事に上げて確認するという流れ。現在は、Formsというアプリを導入し効率化した。このアプリは、会員からの報告がいくだけでなく、エクセルによる集計表やグラフが自動で作成される。
 資料を作る手間が省けることで、生産性を上げて効率的に局長会活動ができるようになった。
〈心理的安全性を高める〉
 部会を中心に双方向で議論をする、全特から下りてくる情報が各会員に行き渡るように、会員がどんなことを思っているかを吸い上げて報告するようにと、末武全特会長や宮川大介四特会長も〝風通しの良い組織づくり〟について話をされている。会長のブログや自己紹介コーナー、広報誌のデジタル化は、まさにそのためにやっている。
 その人のことを信頼でき、より知っていれば、会話をする際に自分の情報も出しやすい。「この人にこういうことを言うと嫌がるのではないか、怒られるのではないか」と思うと、ブレーキがかかってしまう。
 リアルでの会話が一番だが、同じ地区会でも、会員たちは普段みんな離れている。そこで、デジタルの力でよりお互いを知り、情報を共有する。「みんな仲間ですよ、お互いを知っていますよ」という、心理的安全性を高めることも目指している。
 〈この先について〉
 例えば自分が何か地元のイベントで役を任された際、一緒にやってほしい仲間を募るとか、すごく優秀な地域づくりに取り組んでいる人がいるから勉強をしに来ないかとか、何か新しい郵便局の価値を見出すためのきっかけとなるように各会員が利用できるポータルサイトにしていきたい。
 峻別、生産性を上げる、情報共有して風通しの良い組織にする、新しい動きを作る、そのためのツールとして、デジタルの力を使ってやろうとしているのが南特DX。
 〈DXをやってよかったこと〉
 会員の中からDXチームを作ったが、当初は初心者ばかりで「かなり手こずるかな」と不安だった。しかし、その不安は良い意味で見事に裏切られた。理解力が高くて真面目なので、徐々にはできるとは思っていたが、それぞれが自ら課題を発見し解決する能力があり、試行錯誤しながらであったが、確実に積みあがっていった。
 力を発揮する場面が少ないだけで、今回のように挑戦できる場面を用意すれば、力を発揮し成果に結びつける人材が多くいることがわかり、すごくうれしかった。
 そして、活動を通じて感じたのは、挑戦する場面を乗り越えることで局長の能力が高まり、それを使ってまた自分の地域や部会でそれを活用しようという人が出てくる。それにより地域や部会に新しい価値を作ることができるという好循環が生まれるということ。
 〈DXを武器として局長の存在価値を高める〉
 局長は皆それぞれ、地域で自治会の会計やPTA役員、各会連絡係や事務局などを担当している。そこに、地域の人に貢献する新しい形として、このようなシステムを活用するようになると、局長が地域に貢献でき、重用される、局長って新しいことを知っていてすごく頼りになるな、と思われるようになる。
 局長は地域の人から頼りにされる存在になるべき。必ずしもリーダーでなくてもいい。リーダーになるかならないかはその人のタイプによる。ナンバー2や3、縁の下の力持ちなど、いろいろな人がいていいと思う。それこそが、局長の地域貢献、地域での存在、あり方。
 DXは頼られるきっかけとして、1つの武器になると思う。期待に応え、またさらに期待されるという良い循環によって、局長の存在価値を高めていける。(2面につづく)


 


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