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2024年1月15日 第7231号

【主な記事】

〝新年のおもてなしの心〟込め
 年賀郵便元旦配達出発式
 郵便発祥の地 日本橋郵便局

来賓に見守られ「にほんばし」を渡って配達に出発 


 2024(令和6)年の年賀郵便元旦配達出発式が1月1日、全国の郵便局で一斉に行われた。郵便発祥の地・日本橋郵便局(東京都中央区)で行われた出発式には、日本郵政の増田寛也社長、松本剛明総務大臣らが出席。「にほんばし」の渡り初めなどが行われ、配達員が一斉に出発した。日本橋地域の再開発事業に伴い、日本橋郵便局での出発式は今回が最後。元旦に配達された全国の年賀郵便物は7億4300万通で、前年比84・2%となった。
 
 出発式には増田社長をはじめ、日本郵便の千田哲也社長、木下範子東京支社長、大竹徹日本橋郵便局長、来賓として松本総務大臣、渡辺孝一総務副大臣、玉田康人総務省情報流通行政局郵政行政部長、瓜生正高中央区議会議長、近隣の企業の代表や町内会長らに加え、今年5月に日本橋郵便局の郵便・物流機能が移転するため、日本橋郵便局で行われる元旦配達出発式が最後となることから、橋司郎(53代)、原幸男(57代)、菱田義久(58代)、山﨑信吾(61代)、三島由美(62代)、八木裕昭(63代)の歴代局長も出席した。
 中央区太鼓連盟の力強い和太鼓演奏で幕を開け、大竹局長が「日本橋郵便局での元旦配達出発式は今回が最後となるが、私たちは日本郵便の父・前島密の『縁の下の力持ちになることを厭うな。人のために良かれと願う心を常に持てよ』という、創業以来受け継がれた精神を心に刻み、これからも社員一同、日本郵便の素晴らしさを世界に発信していく。本日、日本橋郵便局が届ける年賀状は97万通。一通一通に込められた温かい気持ちを、脈々と受け継がれた日本古来の文化である年賀状に載せ、元気な笑顔で届ける」と式辞を述べた。
 日本郵政グループを代表し、増田社長が「日本橋再開発後のビルには郵便局窓口の出店を予定している。創業の地・日本橋が新たな時代を迎えようとする事業に参画できることを誇りに思う。郵政事業を挙げて、新たな日本橋の賑わい創出に貢献する。お届けする年賀状一通一通には、お客さまの心が込められている。新年のおもてなしの心を込め、しっかりと届けて来てほしい」とあいさつ。
 松本総務大臣は「昨年の出発式で柘植芳文前総務副大臣から『郵便事業に携わる方々は、一枚のはがきは人の心と心を結ぶ架け橋、そのような思いを受け継ぎながら、一枚のはがきの重さに震える思いで届けてきた』という話を伺い、本当に感動した。今、デジタル技術、ネット空間が広がり、郵便を取り巻く環境は大きく変わってきている。デジタルをしっかりと活用する必要はあるが、大切なことはバーチャルではなくリアル。温もりや手触りが感じられる年賀状こそが本当の人の素晴らしさを伝え、幸せをもたらす、日本の誇る文化。リアルだからこそ、年賀状を心待ちにしている人へ確実に届けるのは、きわめて意義あること。郵便局は地域に密着した重要な生活インフラとして、ずっと公的な使命を担っている。これからも大いに地域を支えてほしい。総務省も引き続き日本郵政グループ、郵便局が持てる力を最大限発揮できるように施策を講じていきたい」と祝辞を述べた。
 続いて、来賓らによって除幕が行われ、江戸消防記念会有志による木遣りで、昔の日本橋をかたどった「にほんばし」の渡り初めが行われた。
 平野英樹第一集配営業部長の出発号令で、飛脚に扮した社員から順に、江戸時代、創業時の明治5、14、20年当時の制服を着た社員が走ってスタート。続いて自転車、自動二輪車、電気自動車(EV車)の順ににほんばしを渡り、配達へ出発した。
 時代衣装の配達員が地元の「たいめいけん」(茂出木雅章会長)に配達。茂出木会長は「年賀状は形式ではなく〝愛〟。今年は辰年。昇り竜のように元気で強く昇っていくような年になってほしい」と話していた。


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