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第6970号

【主な記事】

年賀郵便元旦配達出発式
「にほんばし」から一斉に出発
郵便発祥の地 日本橋郵便局で


 2019年の年賀郵便元旦配達出発式が1月1日、全国の郵便局で一斉に行われた。元旦に配達された全国の年賀郵便物は14億3200万枚で、前年比7.1%減(約1億1100万枚)となった。郵便発祥の地・日本橋郵便局(東京都中央区)で行われた出発式には、日本郵政の長門正貢社長や石田真敏総務大臣らが出席。年賀の出発を祝った。

 日本橋郵便局で行われた出発式には、長門社長をはじめ日本郵便の横山邦男社長、立林理常務執行役員東京支社長、三島由美日本橋郵便局長、来賓として石田総務大臣、柘植芳文参院議員、巻口英司総務省郵政行政部長、矢田美英中央区長、礒野忠中央区議会議長、名倉圭一中央警察署長、永山智雄日本橋消防署長、近隣の企業の代表や町内会長らが出席した。
 中央区太鼓連盟の「越一太鼓」の勇壮な演奏で始まった。「ドーンドーン」と太鼓の大きな音が響き渡り、出発を景気づけた。
 同太鼓の由来は、江戸時代に松平越前守の屋敷地があり、明治になり越前堀という町名になった。その町名から「越一」という名がついたという。
 三島局長が「年賀状は日本が誇る文化。人と人との大切な絆をつなぐ仕事に携われることを誇りに思う。年に1度、みんなの健康を祝い、息災を祈る年賀状文化を受け継ぎ、次の時代へとつないでいかなければならない。平成最後の年賀状、1通1通に込められた大切な気持ちを元気な笑顔で地域の皆さまにお届けしたい」と式辞。
 日本郵政グループを代表して長門社長が「手紙離れという流れに竿さすべく、インターネットやSNSの活用、五輪招致、子どもたちへの手紙教育などいろいろと工夫をしている。これからも工夫して美しい文化を守る努力をしていきたい。昨晩は遅くまでの懸命の準備作業、寒い中の配達に携わる社員の皆さまご苦労さま。年賀状は大事なお客さまの心。事故に注意をしてしっかりと届けてもらいたい」とあいさつした。
 石田総務大臣が「郵便を取り巻く環境は大きく変わっているが、一人ひとりが相手を想い工夫を凝らした年賀状は、電子メールでは伝えられないものがある。国民の思いを届けるための皆さまの頑張りに心から感謝申し上げたい。総務省ではSociety5.0に取り組んでいるが、配達ネットワークは一層必要になる。みまもりサービスなど国民の安心・安全の拠点としての郵便局の重要性は変わらない。利用者利便の向上に努めていただきたい」と祝辞を述べた。
 続いて、中央区立日本橋小学校の4人の児童が、手づくりの年賀状を石田大臣と矢田中央区長に手渡した。
 この後、除幕式が行われ、長門社長、横山社長、立林東京支社長、三島日本橋局長、石田大臣、柘植参院議員、巻口郵政行政部長、矢田中央区長、礒野中央区議会議長が一斉にひもを引くと、「にほんばし」と書かれた朱塗りの橋が現れた。
 役員や来賓が見送る中、「エンジン始動」の合図で一斉に出発。江戸時代、創業時、明治14年頃、明治20年の配達員の恰好をした女性社員や自転車、配達車が次々と出かけて行った。江戸時代と明治14年ごろの郵便配達員の衣装を身に着けた2人の社員は、近くにある老舗「榮太樓總本舗」に年賀状を届けた。
 元旦配達の年賀郵便物数の全国平均は92.9%。地区別では東京を除く関東が前年比91.3%と減少が一番大きく、少ない北陸でも95.3%(北陸)、全ての地区が前年割れした。


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