「通信文化新報」特集記事詳細

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6964号

【主な記事】

「お手伝いできることはありますか?」
横浜市東部連絡会
ユニバーサルマナー研修会


 横浜市東部地区連絡会(串田明彦統括局長/横浜池辺)は「ユニバーサルマナー研修会」を青葉台郵便局で11月5日に開き、局長55人が受講した。
 ユニバーサルマナーとは「自分とは違う誰かのことを思いやり、適切な理解のもとに行動すること」。高齢者や障がい者、ベビーカー利用者、外国人など多様な人々に向き合うためのマインドとアクションとして、日本ユニバーサルマナー協会が提唱する心遣いで、特別な知識や高度な技術は不要。礼儀作法などを学ぶ一般のマナー研修とは異なり、高齢者や障がい者をはじめとする多様な人々への基本的な向き合い方などに重点を置いたカリキュラムが組まれている。
 この日は75分の講義と45分のグループワークにより認定される「ユニバーサルマナー検定3級」の講習が行われた。
 はじめに串田統括局長が「7月上旬に敷田博昭県会議員(都筑区)から検定の主旨を聞き、我々の事業の中で必要な内容と感じた。公共機関としての郵便局の在り方として、この資格の知識があると多様なお客さまにより優しい対応ができるのではないか。今まで全国で約6万人が受講したと聞いているが、郵便局が先駆けとして受講することに意味がある。聞くだけでなく実行に移し、仕事に大いに役立ててほしい」と呼びかけた。
 講師の薄葉幸恵氏(日本ユニバーサルマナー協会講師)は、自身の聴力障がいについて述べ、実際に使用している筆談ボードやスマートフォンのアプリを示し、手話と併用してコミュニケーションをとっている・という話題からスタート。
 日本では人口の約28%が高齢者、約7%が障がい者、約2%が3歳未満。合計して約4割が移動やコミュニケーションをはじめ日常生活にサポートが必要とされている。全世帯のうち高齢者と暮らす世帯が約43%、児童と暮らす世帯が約25%にのぼるとされ、同居家族を含め社会的なサポートを求めているのは少数ではない。
 ①健常者に求められる姿勢は「無関心(傍観、見て見ぬふり)」と「過剰(お節介、『〇〇しなければならない』という一方的な行動)」の中間、つまり「さりげない配慮」。②基本姿勢は「迷わず、素直に、即行動(できることをできる範囲で行う)」など、日頃のヒントになる言葉が随所にみられ、局長たちはメモをとり、熱心に聞き入っていた。
 声かけするときのポイントは「『できる』『できない』の2択を迫らず、相手のために何ができるのかを尋ねる」ということ。
 基本フレーズ「お手伝いできることはありますか?(May I help you?)」を手話で練習した。相手を萎縮させないために笑顔で行うことも学んだ。
 講義に続き、演習問題集をもとにしてグループワーク。「通路に段差があると、誰が何に困るか、また解決策は」「サポート方法をより適切にするには」などの設問について、3~4人でグループを作って話し合い、一つには限定できない幅広い解答を積極的に発表し合った。
 検定終了後、局長たちは認定証とともに、多様な人々への対応が求められる郵便局ですぐに活かせる知識を持ち帰った。


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