「通信文化新報」特集記事詳細
第6959号
【主な記事】
[青木全特会長]厚真町、むかわ町を視察
北海道地震で大きな被害
全国郵便局長会の青木進会長は、北海道胆振東部地震の被災地を10月19日、勇払郡むかわ町の鵡川郵便局、佐藤啓充局長の案内で視察した。全特事務局の森山真嘱託、北海道地方会の栗村龍巳専務理事が同行、北海道胆振地区会(橋本宗人会長/苫小牧しらかば)への“御見舞”を佐藤局長に手渡して激励した。
北海道胆振東部地震は9月6日午前3時7分、胆振地方中東部を震源として発生した。地震の規模はマグニチュード6.7、厚真町では震度7を記録した。震度7は北海道では初めての観測となる。また、安平町、むかわ町で震度6強と広範囲にわたり大きな揺れとなった。
厚真町を中心に土砂崩れが発生、大きな被害が出た。国土交通省によると、崩壊面積は推定約13.4平方キロと明治以降で日本最大とされる。周辺は恵庭岳や樽前山の噴火による火山灰で形成された不安定な地層、前日の台風などによって多量の水を含んだ土壌が崩壊したとも考えられている。
消防庁は10月5日に死者41人、負傷者691人、住宅の全壊394棟、半壊1016棟、一部破損7555棟と発表している。今も厚真町、安平町では約370人が避難生活を余儀なくされている。
震源に近い厚真町吉野地区では山林が大規模に崩れ、多くの住宅が巻き込まれた。安平町、むかわ町でも住宅が倒壊した。札幌市清田区では液状化現象で道路が波打ち状に損壊。北海道電力苫東厚真火力発電所でも液状化現象が発生、北海道のほぼ全域で電力が止まる「ブラックアウト」が起きた。
青木会長は厚真町吉野地区に入り、山林が崩壊した現場を視察した。土砂が家屋や道路を飲み込んだ状況がうかがえる。 現在は道路が復旧しているものの崩れた家屋がそのままになっているのが痛ましい。吉野地区では19人が亡くなっている。
むかわ町では倒れた法城寺の鐘楼堂、町の中心街にある切手類販売所の商店、鵡川郵便局などを視察。法城寺鐘楼堂は大きな柱が倒れ、鐘の上に屋根がそのまま載っている状態となっていた。切手類販売所には「危険 UNSAFE この建築物に立ち入ることは危険です」との赤色の紙が貼ってあり、1階が完全につぶれていた。店舗などの約6割が被災したという。
鵡川郵便局は鵡川集配センターが併設されており、社員は13人。車庫に止めてあった軽四輪が当たったことでシャッターがゆがんだままになっており、地震の揺れの激しさが感じられる。局内のコピー機なども大きく動いたという。地震が発生した9月6日は木曜日、社員が整理に努め翌週の月曜日から業務を再開した。
青木会長、森山嘱託は郵便局内を視察するとともに、むかわ町特産の「ししゃも」のふるさと小包を申し込むなど社員を激励、佐藤局長に北海道胆振地区会への御見舞を手渡した。また、北海道地方会(佐々木靖会長/手稲駅前)では、地震発生後に非常食や飲料水、カップ麺などの支援物資を厚真町、安平町、むかわ町などに贈っている。
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