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第6956号

【主な記事】

自治体と緊密に連携を
[関東地方会]地方創生フォーラム

 関東地方郵便局長会(長谷川英晴会長/山田)は「地方創生フォーラム2018」を9月29日、関東支社講堂で開催した。地区会長、副会長、地方創生地区担当役員、地方創生専門委員会、地公体担当局長など約450人が参加、司会は笠間駅前郵便局の前川陽子局長が務めた。
 全国郵便局長会の青木進会長、地方創生担当の佐藤賢之介理事(東北地方会長)、関東支社の金子道夫支社長、南関東支社の清水不二雄支社長を招き、総務省情報流通行政局郵政行政部の野水学企画課長、さいたま市の清水勇人市長、地方創生担当大臣の梶山弘志衆議院議員が講演したほか、栃木中部地区会の婚活の取組み「ポスコン」活動を宇都宮操町郵便局の鈴木秀治局長が紹介した(補助者、宇都宮末広郵便局の高橋孝夫局長)。
 長谷川会長は「幅広く地方創生を勉強する機会にして欲しい。郵便局、局長会は長い歴史、文化、伝統を民営化後も引き継ぎ、地域とともに郵政事業の発展を期してきた。国も地方創生を重視するようになり、我々の魂とベクトルが合うようになった。まさに郵便局、局長会の出番だ。会員、支社、本社、郵政グループ含めて、より良い郵政事業にしていかなければならない。民になっても公の魂を胸に刻んでいこう」と強調した。
 青木会長は「局長会は地方創生に取り組んでいるが、地域の特性を生かしながら、郵便局が地域を巻き込んでいくことが重要。買い物支援サービスも立ち上げていく。自治体との包括連携協定も推進し、郵便局が主体となってできることをパッケージとして提案していく。一人ひとりが知恵を出し、郵便局ネットワークを守っていくことが必要」と地域での活躍を期待した。
 金子支社長は「郵政グループの中期経営計画では、郵便局ネットワークの維持・強化による地域との共生、多様なニーズに応えたサービスの提供を進めていく。それには地域の信頼がカギで、地域ニーズに応えるには局長の提案が大事。郵便局の存在意義を高めていこう」と呼びかけた。
 野水企画課長が「郵便局の利便性向上策に関する総務省における検討について」と題して講演。「少子高齢化、人口減少、ICTの進展など社会環境が変化していく中、ユニバーサルサービスを提供、地方の安心・安全の拠点としての郵便局への期待は、ますます高まる」が、郵便局の利便性向上は「上場企業の子会社として、日本郵便は収益の確保や企業価値の向上が求められる。持続可能なものとして実施できることが重要」とした。
 そのためには「コストの負担のあり方が重要。ビジネスとして実施できるように自治体も含めて郵便局ネットワークの利用者、受益者の適切な負担の必要性」を指摘した。
 清水市長は「さいたま市のまち・ひと・しごと創生」について講演、平成27年から31年にかけての「創生総合戦略」、現状や新たな取組みなどについて紹介した。子育て支援の充実、健康で生涯現役のまちづくり、産業創出による経済活性化などについて説明するとともに、日本郵便との11項目にわたる包括連携協定を挙げ、郵便局との協力関係の強化に大きな期待を寄せた。
 続いて、栃木中部地区会の婚活「ポスコン」が紹介された。平成27年から本年度で4回の開催だが、延べ240人が参加、37組のカップルが成立した。目出度くゴールインに至り、今年度の7月29日の開催日に赤ちゃんが誕生したカップルが出た“成果”も報告された。会社の事業としての検討も行われた。しかし、事業化には難しい面があるとされたが、支援を受けることになっているという。
 梶山大臣は「4年目を迎えた地方創生」とのテーマで、日本社会の現状や政府の取組みについて紹介した。「地方創生の自治体への交付金は年間1000億円。郵便局との連携も重要。地方は買い物も金融機関からお金を引き出すのも大変。2万4000の郵便局ネットワークが大きな役割を積極的に果たして欲しい」と強調した。
 会場からは活発に質問も出て、有意義な地方創生フォーラムとなった。佐藤理事が講評。「局長会も婚活に重点的に取り組んでいる。特に中若の局長が元気の出るイベントになればいい。買い物支援サービスも日本郵便のみならず、多くの団体と協力していく仕組みをつくりたい。我々の資源は地域密着性とネットワーク、局長、この三つを生かして地方創生に取り組んでいただければありがたい」と述べた。
 最後に吉田正信副会長(七里)が「さいたま市とはふるさと納税の返礼品にみまもりサービスを入れてもらっている。また、みまもり用のタブレットを使い、マイナンバーカードの申し込みができないか検討している。関東は県レベルの包括連携協定は全て締結した。市町村での締結も推進して欲しい。安心・安全の拠点となるよう郵便局のあり方を考えて活躍を」と閉会の言葉を述べた。


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