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第6937号

【主な記事】

全特郡山総会 東北の未来を支援
地域社会の発展に寄与


 全国郵便局長会(青木進会長)の平成30年通常総会(全特郡山総会)が5月20日、局長やOB、夫人会など約6000人が参加し、福島県郡山市の「ビッグパレットふくしま」で開催された。政治課題や経営課題などの解決を目指しながら、「地域に密着し、郵政事業及び地域社会の発展に寄与する」という局長会の理念を改めて確認した。青木会長はイギリス首相チャーチルの名言を紹介し「局長会や会社はまさに逆風にさらされているが、むしろこれを『高みを目指すチャンス』と受け止め、何事も恐れずに立ち向かっていきたい」と強調。また、来夏の参議院議員選挙では全特顧問の柘植芳文参院議員を組織内候補予定者として決定したことを正式に明らかにした。総会終了後には「東日本大震災の爪痕も残っている福島県で開催、郵便局の使命を改めて考えることでも成功した総会。地方創生にもなった」と意義を語った。

柘植参議院議員 来夏の候補者に

 郡山総会のスローガンは「遥かなる安達太良山(やま)と 清き疏水(みず)の流れが奏でる この美しき恵みの地にて 新たなる未来の調べを共に謳おう 全特郡山総会」。
 2011年3月11日に発生した東日本大震災は、東北地方を中心に甚大な被害をもたらした。福島県では地震や大津波による被害に加え、福島第一原子力発電所の事故により、人々の暮らしは一変した。
 今回の総会は、今なおその傷跡が残る福島県において、参加者一同が震災を決して風化させることなく、復興を願いながらの開催となった。福島、東北の明るい未来を応援する総会と位置付けられている。
 東北のウィーンと言われる音楽都市・郡山を代表する福島県立安積黎明(あさかれいめい)高等学校合唱団が、オープニングで地元の小高(おだか)中学校卒業生と音楽教諭によって震災後に作られた「群青」と、松田聖子さんの「瑠璃色の地球」を披露。未来に伝える歌声が会場を包んだ。
 会場では報道写真パネル「福島の記録」と題した展示も行われた。震災からの7年間を振り返る写真と解説の数々に、参加者は様々な思いを抱きながら真剣なまなざしで見入っていた。また、第32回全特写真コンテストの入賞作品の展示や物産展も開催、福島県が誇る美味しいお酒や食べ物など、多くの商品を買い求める人たちで活気にあふれていた。
 開会あいさつで、青木会長は「福島県は名所や旧跡、美味しいものもたくさんある。参加した皆さんには県内に宿泊して旅をして、いろいろなところを見てもらい、お土産を買うなどすることで、復興に側面からの支援を賜りたい」と呼びかけた。
 来年夏の参議院選挙では、全特顧問の柘植参院議員を組織内候補予定者として決定したことを発表し、「局長会はもとより、郵政政策研究会、会社、そして全国簡易郵便局連合会、郵政退職者連盟など“オール郵政体制”で推挙した」と報告した。そして、交付金・拠出金制度の法制化や限度額見直しといった政治課題、郵便局ネットワークの将来像の議論をはじめ、経営の課題についても、しっかりと取り組んでいくとした。
 柘植参院議員は「まだ山積する郵政事業の課題について、全特と心合わせをして、取組みを続けていくチャンスを再びいただいた。身に余る光栄。命ある限り郵政事業のために人生を捧げたいという強い気持ちだ」と決意を述べると、会場からはスタンディングオベーションが巻き起こった。
 来賓の日本郵政の長門正貢社長は「前年度の決算で、郵政グループ連結ベース当期純利益は4606億円と、前中期経営計画の最終年度目標4000億円を大きく上回った。皆さんが地域との強固な信頼関係を築き上げてきた成果で深く感謝。郵便局ネットワークなくして日本郵政グループは成り立たない。郵便局を含め、日本郵政グループがチームJPとして一丸となり、地方創生と一層の成長を目指して共に邁進する」と語った。
 野田聖子総務大臣は「全国郵便局長会は大きな社会的使命を、郵便局ネットワークは郵便・貯金・保険に加えて地域の拠点としての大きな役割を果たしている。郵便局ネットワークは国民共有の財産。それを支えている皆さんが誇りと希望を持って職務に専念できるよう尽力していく」と述べた。
 多くの来賓が招かれた19日の前夜祭では、山口俊一衆院議員が「交付金・拠出金制度についての法案は、ユニバーサルサービスをしっかりと提供していくために、超党派で仕上げていく。限度額の見直しについても実現に向けて取り組んでいく」と強調した。
 吉野正芳復興大臣は「避難指示解除後、最初に開設してくれたのが郵便局。まさに復興のためになくてはならないインフラ。課題はまだ多いが、皆さんと共に復興に全力を尽くしていく」と意欲を示した。



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