「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6933・6934合併号

【主な記事】

福島県の復興、地域振興を
包括連携協定で物産展
首都圏の郵便局も開催へ


 日本郵便主催の「福島県地域復興物産展」が4月24日、本社・日本郵政ビルで開かれた。菓子や酒、トマトなどを生産している福島県内の12の企業が参加。ロビーでは日本郵便のカタログを運営する子会社と参加企業との商談会が開かれ、熱心に商品をアピールしていた。復興物産展は2月に日本郵便と福島県が締結した「包括連携協定」の一環で、今後は首都圏の郵便局でも開催し、販路の拡大に貢献する。

 同復興物産展には、会津若松市や伊達市、喜多方市、新地町などで作られた90種類の農作物や加工品が出品された。日本酒や特産の梨・桃の飲料、喜多方ラーメン、地元の銘菓、イチゴ、トマトなど福島の産品がずらり並び、売れ行きも上々。全国新酒鑑評会で7年連続して金賞を受賞した大和川酒造店の「大吟醸弥右衛門」(5500円)は販売開始後、直ぐに完売した。
 商談会は日本郵便のカタログを扱っている「RING BELL(リンベル)」と「JP三越マーチャンダイジング」の2社が担当した。各ブースでは、JA福島や日本最大級といわれるハウスでトマトを栽培する「新地アクアグリーン」、喜多方ラーメンを製造販売する「河原」など12社が参加し、熱心に商談していた。
 復興物産展の開催を前にオープニングセレモニーが行われ、日本郵便の横山邦男社長が「福島県には素敵な観光地やおいしいグルメなど魅力的なものがたくさんある。日本郵便は福島の魅力を全国に発信するお手伝いをしたいと思っている。是非、手に取って、味わっていただき、多くの皆さまに福島の魅力と豊かな恵みを実感していただきたい。郵便局ネットワークを大いに活用して、販路拡大につなげてもらいたい」とあいさつした。
 来賓を代表し、吉野正芳復興大臣が「震災から7年が経過したが、インフラの整備は着実に進展している。一方で産業の再生は課題となっている。風評被害が残る地域産品の販路拡大は重要。包括連携協定がこのイベントを最初に、両者が一層連携し、福島の復興が加速することを期待している」と述べた。
 福島県の鈴木正晃副知事は「日本郵便には観光や地域産品の振興など様々な部門で協力いただいている。温かい支援により福島は着実に前進している。避難生活や風評、震災の風化など課題は山積しているが、明るい兆しも増してきている。観光客は震災前の91%まで回復。県の農産物の輸出は過去最高となり、海外での理解も相当程度進んでいる。生産者はたゆまぬ努力と“いいもの・おいしいもの”を届けたいという誇りとプライドを持ち育てている。その自慢の産品を手に取って、食べて、飲んで福島を感じていただきたい」と現状と復興への想いを語った。
 この後、テープカットが行われ、吉野復興大臣、鈴木副知事、柘植芳文参院議員、徳茂雅之参院議員、全国郵便局長会の青木進会長、日本郵便の横山社長、大澤誠専務執行役員、東北支社の中江紳悟支社長、佐藤賢之介主幹地区統括局長がはさみを入れた。
 日本郵便と福島県は2月14日に、東日本大震災の復興と地域活性化、県民サービス向上に向けた「包括連携協定」を締結している。「復興」や「観光・県産品の振興」「地域の暮らしの安全・安心の確保」「環境保全」「災害対策」「ダイバーシティ」「未来を担う子どもや青少年の健全育成」「健康づくり」について、協力して取り組むことになっている。
 観光と県産品の振興では、観光PR活動や県産品、県農産品の販路拡大(カタログギフトへの掲載や県産日本酒金賞日本一・オリジナルフレーム切手の発行など)への協力、本社や首都圏の郵便局での物産展の開催などが盛り込まれている。


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