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第6926号

【主な記事】

自動運転車の実証実験
[日本郵政]長門社長 行動でノウハウを蓄積

 日本郵政の長門正貢社長は2月28日の定例記者会見で、2019年用年賀はがきを62円とすることやゆうパックの増加状況、郵便事業用車両の自動運転の実証実験などについて所見を述べた。

 長門社長はまず、2月15日に神奈川県の青葉郵便局の元郵便部長が逮捕されたことについて「日本郵便のみならず、日本郵政グループ全体へのお客さまの信頼を損なうもので誠に遺憾」と陳謝した。
 そして「郵便物の差出の通数検査を厳密にしていなかったというもので、日本郵便の内部調査によって発覚した。このような事態を二度と起こさないよう、さっそく2月16日に日本郵便の横山社長をヘッドに、郵便料金適正収納対策本部を立ち上げた。また約200名の適正収納調査専門職を全国に配置し、郵便局の料金適正収納体制をチェックし、問題がある場合には直ちに是正するよう指示した。会社をあげて再発防止に向けた一層の体制の強化を図っていく」とした。
 2月23日に発表した2019年用年賀はがきの値上げでは「昨年6月に通常はがきの料金を改定したが、年賀はがきは日本の文化と言えるほど生活に浸透しており、料金を引き上げることは避けるべきではないかという社内議論、また、通常のはがきに比べて配達などの処理コストも低いことから、特別に52円に据え置いた。しかし、通常はがきの料金と異なることは分かりにくいといった指摘などがあったことから62円とすることとした」と述べた。
 3月1日からゆうパックの料金が改定となったが「eコマース市場の活況、他社の総量規制などによる一部流入などにより、昨年後半から対前年比で毎月2割程度増加している。1月においても対前年28.8%増加。運賃は大口で差し出されているお客さまに対しては逐一、見直しを図っている。今般、値上げの対象となる基本運賃の荷物は、全体の1割程度と影響は小さいものの、全てのお客さまから適正な料金をいただくという観点から、改定をさせていただくものだ。人手不足、再配達問題など厳しい状況はあるが、社員一丸となってがんばっていきたい」と理解を求めた。
 また、平昌冬季オリンピックで日本代表選手が13個のメダルを獲得したが「大変うれしく、関係者の努力に心より敬意を表したい。日本郵便ではメダリストの公式フレーム切手を販売している。2016年のリオデジャネイロ・オリンピックから始めた。リオでは金メダルに限ったことで約10万シートの販売となったが、今回は全部で約30万シートを超える申込みや販売があった」と好評さを説明。
 「全国10の中央郵便局のほか、選手の出身地の中央郵便局の窓口でも買うことができるが、郵便局のネットショップおよび通信販売でも3月31日まで販売している。非常に人気が高かったこともあり、注文されたお客さまへのお届けが遅れる可能性もあるが、必ずお手元にお届けする。3月8日から開催の平昌冬季パラリンピックにおいても、メダルを獲得した場合には公式フレーム切手を販売する」と強調した。
 さらに、郵便事業用車両の自動運転の実証実験について説明した。「実用化に向けて官民が力を合わせて取り組んでおり、特に事業用車両については2020年をめどに実用化を目指している。現在、運送業界では深刻なドライバー不足、再配達によるコスト増など厳しい環境にある中、自動運転車両の導入は喫緊の課題でノウハウの蓄積が急務となっている」とした。
 このため「日本郵便においても実際の郵便局の業務を想定した実証実験を行う。3月12日から1週間の予定で、日本郵便の本社から西新橋郵便局を経由し、銀座郵便局までの公道約2キロの区間を走行する。これは次の時代に向けた日本郵便の挑戦ともいえるものだ」と意義を述べた。
 このほか、かんぽ生命の4月1日以降に適用する前納払込保険料の割引率の改定、恒例のラジオ体操最大のイベントである1000万人ラジオ体操・みんなの体操祭を8月5日に岡山県倉敷市で実施することを明らかにした。


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