「通信文化新報」特集記事詳細

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第6923号

【主な記事】

[東北支社]地方創生カンファレンス
郵便局と地域の共存を


 東北支社(中江紳悟支社長)は、郵便局と地域が共存していくためには、民営化10年目となる2017年度を「地方創生元年」と位置付け、地域の活性化、地方創生に係る取組みへの協力、連携を推進している。
 その一つとして、今後の連携の模索や取組みの参考とするため、地方公共団体の関係者が事例を紹介する「地方創生カンファレンス」を2月5日、東北支社で開催した。郵便局、支社、日本郵政グループ関係者など約220人が出席した。
 中江支社長は「昨年の1月19日に、『地方創生元年、ファーストペンギンフォーラムin東北』を開催した。三つのグループと本社の一人の活動を紹介した。『共創、協働』をテーマに、いろいろな話し合いをさせていただいた。それらを受け、東北エリアの各地方公共団体の皆さんと、各種の協定を締結させていただいている。227団体のうち219団体と何らかの協定を締結している」と語った。
 このほか、浪江局、富岡局の開局や福島県下郷町商工会ポイントカード事業への参加、原発事故の影響を受けた福島県の復興支援として7年ぶりに復活した「富岡復興ロードレース」への支援や浪江町と共催した「地域創生シンポジウムin浪江」の取組みを紹介したほか、現地で復興に取り組んでいる人々へ絵手紙で応援しようと呼びかけた。
 「そこで今回も4人の方から話を伺い、いろいろな地方公共団体や企業とコラボしたり共有するなどアンテナを高くし、どうしたら反映させていけるか、業績を挙げていけるか、一人ひとりが意識を高く持ち、今後の活動に活かしていってほしい」と主催者あいさつを行った。
 カンファレンスの発表者と発表内容(要旨)は次のとおり。
【ゲームで地域を元気にしよう!】岩手県秘書広報室、保和衛室長
 知事、副知事のサポートの傍ら、平成26年度にスマホ向けゲーム「Ingress(イングレス)を観光振興に活用する活動を開始。その後、「岩手県庁ゲームノミクス研究会」を組織し会長を務めた。昨年12月8、9日に東京・渋谷ヒカリエで開催された「ゲームで岩手を売り込みます!」のテーマにより、カンファレンスで発表した。
▽岩手県庁ゲームノミクス研究会の取組みを紹介。
▽位置情報を利用した「陣取り」ゲームイングレスを観光に活用。
▽「いわて・ぐるっと・ingress」など実証イベントを開催し、集大成として全国自治体ゲームコラボレーションフォーラムを開催。
▽「ゲーム×○○」が刊行の可能性を拡げる。
▽郵便局の強みであるネットワーク、郵便局トイウランドマーク、本業でのレアな商品の生み出しで、人を集めることが可能。
▽2019年6月から9月まで行われる三陸復興博覧会(仮称)への郵便局の呼びかけ。
【地域の未来を創る真のパートナーシップ】三陸町商工観光課、宮川舞主幹(兼観光振興係長)
 昨年12月に開催の「第3回地方創生まちづくりフォーラム『まちてん』」において、「地域の未来をつくる真のパートナーシップ」のテーマで、南三陸町における民間企業と地域住民、行政が一体となったさまざまな取組みを紹介する。
▽地域の課題と解決に向けた取組みの実施。
▽急激な状況の変化(人口減少、担い手不足)。
▽復興商店街の開設。
▽実現に向けた地域共通ビジョン(適切な資金管理と環境保全、生業、暮らし)の設定。
▽南三陸町バイオマス産業都市構想(災害に強い街)、雇用の創出、自立分散型システム、町まるごとブランド化。
▽実現に向けた人材育成(地域おこし協力隊制度の導入、3年間のロードマップ)。
▽南三陸応援団の設置。
【東京海上日動火災保険における地方創生の取組み】東京海上日動火災保険、㈱東北業務支援部、福田昌彰次長
 昨年9月5、6日、東京丸の内丸ビルマルキューブで開催の「東北の『挑戦』と『すばらしい魅力』発信イベント@○の内」の運営に携わり、東北の素晴らしさや復興、成長に向けた商戦のPRに取り組んだほか、「地方創生」の観点から、東北地方全体の活性化・地域振興に尽力した。
▽地方創生に取り組む理由(各地域の活性化は、損保事業の成長につながる)。
▽地方創生の取組み/推進体制(地方創生室の新設/150人体制)。
▽インバウンドビジネス支援サービスによる受け入体制強化支援(多言語電話通訳サービス、インバウンド情報提供サービス)。
▽おもてなし規格認証制度。
▽具体的取組み(会津大学観光誘客フォトコンテスト、アニメツーリズムプロジェクト)。
▽2020年に目指す姿。
【日本郵便のオープンイノベーションの取組み】日本郵便本社事業開発推進室、福井崇博主任
 地方創生まちづくりフォーラム「まちてん2016」では、実行委員及び社内公募による日本郵便出展プロジェクトチームの事務局リーダーを務めた。また2017年12月の「まちてん2017」においても、「続・〇〇×郵便局」の挑戦をテーマに、「まちてん」がきっかけとなって、生まれた共創事例や、近年のオープンイノベーションの取組みを紹介した。
▽前島密の理念(縁の下の力持ちなることを厭うな、人のためによかれと願う心を常に持てよ)の紹介。
▽その時代に応じて革新的な技術や制度を導入。
▽郵便物等の推移。
▽郵便・物流事業を取り巻く事業環境。
▽国内人口の減少、高齢化・過疎化の進展。
▽国際物流の拡大、物流のグローバル化。
▽インターネットの普及。
▽日本郵便のオープンイノベーションの取組み。
 最後にクロストークを行い、福井主任がリード役を務めて終了、閉会した。


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