「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6912号

【主な記事】

地方創生PTを立ち上げ活性化へ挑む
大阪府河内北部連絡会
甲田将典統括局長
守口梶郵便局長

 大阪府河内北部地区連絡会の甲田将典統括局長は民営化から10年目、本格的に社員育成に力を入れている。特に若手局長の育成を兼ねた地方創生PTを立ち上げたことが注目される。また、都市部では個人需要が減少する中、地域の活性化を目指すため、トップセールスによって事業所開拓を展開しているのが特筆される。

 平成7年に守口梶郵便局長に就任、地域に密着し、地域になくてはならない、生活の一部となるような郵便局づくりを目指した。多くの来局者で、金融業務などの仕事に慣れるのにかなりの時間を要した。当初は教わるばかりだったが、まだパソコンが導入されていない時期で、以前の会社でパソコンを自在に取り扱っていたので、郵便局にパソコンが導入されると、自主研などで社員にパソコンを教える立場になった。
 今、新入社員にとって、業務も複雑になっており、習得するのにかなりの時間を要するだろうと危惧している。特に郵便物の流れを見学させ、きめ細かな内容の研修によってじっくりと育成することにしている。
 平成27年に大阪府河内北部連絡会の統括局長に就任した。組織について、課長、課長代理、主任、一般、非正規社員との間に垣根がないことだった。上からの指示がしっかりと下へ届く、下からきっちりと意見が言えるような組織の形態が重要だという。課長代理と課長との垣根では、課長の活性化を図りたいと21人の課長が集まって月1回の課長会議を行っている。
 最近、来局者が少なく、高齢者中心の郵便局になっている。比較的若い人でも容易に来局してくれるような魅力のある郵便局づくりが必要だとみている。そのためにCSの強化やPOPを含めた郵便局の飾りつけ等を強調している。
 若手局長の育成を兼ねて、地方創生PTを立ち上げた。地方公共団体チーム、中・小事業所チーム、大規模事業所チームを創った。総勢15人のチームで、トップセールスで法人契約を目指している。事業所訪問は月2回、9月から行っているが、今後に大きな成果が期待されている。地方公共団体とは枚方市の市制70周年の際にフレーム切手、寝屋川市も同じようにフレーム切手の発行など、手を組みながら取り組んでいる。ふるさと納税の返礼品は地元の商品を取り扱うことにしている。
 同地区は大手の商業施設が多く協力的で、個人の来局者が少なくなっている現状を打開するには、事業所開拓に期待するところが大きい。かんぽの法人契約をターゲットにするとしても、どうしてもかんぽの契約だけでは無理な事業所もある。その場合には郵便や投資信託の話題を提供する。地域の活性化を目指した若手局長中心の地方創生PTは、都市部における新たな営業へのチャレンジであり、今後が大いに注目されよう。
 社員には営業の不得手な人には得意なものを見つけて取り組み、負担なく長続きできる営業によって営業目標に向かってもらいたいと。そして、現在の営業成績にプラスアルファの成績を目指してほしいと呼びかけている。

  総務関係チェック表が
  効果を上げる
■総務担当―今道和範副統括局長(枚方公園駅前)
▽事故・事務ミス防止の観点から、地区連絡会では「情報化共有シート」を作成している。事故等を発生させた場合、事故の概要や今後の防止策を掲載し、他部会も情報共有するもの▽会社が作成している「自局点検確認シート」とは別に「河内北部地区総務関係チェック表」を作成している。「自局点検確認シート」には掲載されていないが、指示文書等により実施しなければならない事項を一覧表にして、毎月の実施漏れを防止している▽「損益」「機能重視マネジメント」「人材育成」「ワクワク郵便局づくり」などあるが、まずは「見える形」を優先的に取り組んでいる。

  かもめ~る販売は
  6年ぶりに指標達成
■郵便・物販―中尾極副統括局長(寝屋川香里)
▽120局という大所帯なので、高い数値が求められている▽特に、昨年度未達商品について、必達する意識を持ってもらうようにした。前半戦の核となるかもめ~るの販売では講師を依頼し、部会毎に研修会を開催した。その結果、昨年よりも事業所に対する声かけやチラシの配布数、訪問回数が増加し、6年ぶりにかもめ~る販売の指標達成につながった▽社員の意識が変わったことと事業所訪問を行ったことが成果を上げた要因▽年賀販売については、事業所訪問、声かけを行って、かもめ~る販売の経験をぜひ、活かしたいと思っている。
▽物販販売では期間雇用社員の販売力が高いこともあって、部会間では若干の差があるが、昨年の実績を上回る一定の成果を上げることができた。地区で取り組む商品を選定して部会対抗で競っているのが効果を上げた要因▽社員育成として、新入社員の15人を対象に新大阪郵便局で見学研修を実施した。これが好評で海外の航空危険搭載物の重要性を再認識してもらうための研修を大阪国際郵便局でも行う予定。

  普段の会話から
  好みを覚えておく
〈物販販売で実績を上げた秘訣―旭和美さん(枚方牧野駅前局)〉
▽普段から来局者との会話を大事にして、どういうものが好きなのかを覚えておいて、来局した際に「これはお好きではありませんか」と声をかける。普段の会話の中では梅干しが好きか、ジュースが好きかを聞いたりしている。毎年、買ってもらうお客さまには他の商品を紹介し、「皆さんからこれはおいしいと評判なのですが」と勧めている。購入しなかった場合でも、その商品が嫌いで、他の商品は好きかもしれないから、気まずくならないように丁寧な接客に心掛けている▽9月末現在、物販個人成績は約216万円、近畿支社管内10位。

  集中満期は
  最高優績旗に輝く
■ゆうちょ―河西良忠副統括局長(大東氷野)
▽集中満期については昨年度の年度当初に、全社員を集めて研修を行った。「自分たちの飯の種だから頑張ろう」と呼びかけ意識の統一を図った。本番である今年は第1四半期からスタートダッシュを図った。これが功を奏して4、5、6月と好調に推移し、最高優績旗を受賞した。現在、上向きの状況にある。これは社員の意識が変わったためであり、社員の皆さんに非常に感謝したい。再預入率は80%弱であり、80%以上を目指そうと呼びかけている。
▽後半、集中満期はこのままの推進を維持し、投資信託をやってもらいたい。取扱局が1局増えて3局となり、トスアップを図る予定。9月に近畿支社の講堂で、インナー向けの投資信託のセミナーを行った。投資信託に取組む意識統一はできた。今後どうやって紹介件数を増やしていくかが課題。第3四半期は紹介件数108件以上を目指す▽総貯金純増では年金がどうしても大事になるので、これにも力を入れたい。

  総合支援により
  営業意欲をかき立てる
〈資産運用商品販売実績向上の秘訣―迫間一七子主任(枚方香里ケ丘局)〉
▽個人ではなく、局全体が「投資信託をやるぞ」と意識を持って燃えて取り組んでいるので、総合支援で頑張った成果と感謝している▽投資信託は全局で取り扱っていないので、部会の協力を得て、紹介で実績を上げている。情報をリーダーからもらって、営業意欲をかきたてていることが大きいと思っている。日々、勉強と取り組んでいる成果だろう▽第2四半期の資産運用商品販売額はエリアM局で近畿支社管内3位。販売額は1150万円。

  カエル研修で成績を
  ジャンプアップ
■保険―祐辻桂子副統括局長(四條畷岡山)
▽社員育成の面ではカエル研修が効果的だと思っている。つまり、昨年度の自分を変える、基本に帰る、研修を振り返るとの思いを込めて実施している年6回の研修である。研修後に大きくジャンプアップしてくれるものと期待している▽かんぽ生命は現在、厳しい状況が続いている。中ぐらいの社員の実績が前年度比で下がっている。おそらく、全体的に実績が落ちており、できない人にとって、自分だけではないと安心しているところがあるのかもしれない。
▽ライフプラン相談会は地区では毎月2、3局で開催しているが、事前準備をしっかりしているところが効果を上げている▽23年度から優績者に対するバッジ推奨が7年目を迎え、社員に浸透している。「非常に励みになる」と好評である。
・MVP賞=単独マネジメント局の窓口社員・エリアマネジメント局社員で年間保険販売実績1位の社員に進呈(単マネ・エリアで各1名)
・ミリオン賞=年間保険販売実績100万円以上の社員に進呈
・ネクストミリオン賞=年間保険販売実績80万円以上の社員に進呈
・ハーフミリオン賞=年間保険販売実績50万以上の社員に進呈
・ニュースター賞=保険販売資格取得から3年以下の正規社員および時給制契約社員で年間販売実績30万以上の社員に進呈

  じっくり話を聞き
  不足部分を訴える
〈保険実績向上の秘訣―イオン大日SC内局の松田由紀さん〉
▽カウンターにはリーフレットを置いて、お客さまの反応を確認している。「これはなあに?」と聞いてくれれば大きなチャンス▽他の生保会社の引き落とし、振込みがある人は保険に興味を持っている。必ず、声をかけて、現在加入の保険の不足部分を補うように提案している▽会話の中から、潜在的ニーズを掘り起こし、設計書を作成する。じっくりと話を聞くことが秘訣だ。
▽毎日、成約1件を目標としている、そのためには多くの見込み客をつくることが大切になる。電話等で継続して反応を聞くことが大事で、見込み客づくりに専念している▽個人実績は29年10月16日現在、89.3件の約154万円と高実績を上げている。


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