「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6890号

【主な記事】

総務省のユニバ検討会
意見集約に向け議論


 「第3回郵便のユニバーサルサービスに係る課題等に関する検討会」(座長:村本孜・成城大学名誉教授)が総務省で6月9日に開かれ、「現状と課題等に関するワーキンググループ(WG)」(主査:米山高生・一橋大学大学院商学研究科教授)と「コストの算定手法等に関するワーキンググループ」(主査:関口博正・神奈川大学経営学部教授)のとりまとめについて、様々な側面から意見を交わした。
 現状と課題等WGについて、竹内健蔵・構成員は「働き方改革が日本郵便で実行された場合、サービス水準への影響やそれに応じた見直しの可能性について留意するということになっている。郵便の需要が細ってきて、経営が厳しくなってという側面から考えてきたが、勤めている人など供給からみるサービス水準や制度の在り方という視点も大事。改めてユニバーサルサービスの提供の在り方について、日本郵便の働き方の実態も含めて情報提供を受けながら考えてみる必要がある」という労働の側面から意見を述べた。
 このほか、コスト面でも「過疎地でのサービス需要の減少に対していかにコストを下げるかについて検証し、あらゆるシナリオや戦術を考えるべき。例えば、赤字のローカル線の上下分離(下は自治体)や車両をリースにするなどがあるが、そういった仕組みを勉強しながら対応策を考えるべき」と述べた。
 第4種郵便の政策的低廉料金については、同WGでも各省庁のデータが不十分なことに対して様々な方策や意見が出されたが、横田純子・構成員も「各省にヒアリングしてここまでやってきたのだから、前向きに早めにやっていただきたい。時間が空くとトーンダウンしてしまう。このタイミングでやった方がよい」と総務省に早い対応を迫った。
 関口構成員は「ドル箱の年賀はがきが減っている。お年玉付き年賀はがきを利用者に魅力的なものにして需要を喚起するとともに、値上げも検討してもらいたい」と意見を述べた。
 コスト算定WGでは、米山構成員が「算定方法はいろんなものがあって、何を選ぶかによって数値は変わってくる。複数の立場から複数のものがあっても悪いわけではない。コスト算定のために数値を毎年取ることはないので、簡便にする方法など多様な方法があってもよい。また必要に引っ張られて出た数字が本来の意図を超えて、一人歩きしないようにして欲しい。数値の意味も合わせて正確に伝わるようにしてもらいたい」との意見。
 井出秀樹座長代理は「いろんなご意見をいただいたが、とりまとめの参考にしたい」と締めくくった。


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