「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6877号

【主な記事】

ブロック営業の牽引的な役割を果たす
愛知県昭和郵便局
松井 貢局長

 愛知県の昭和郵便局・松井貢局長は就任して以来、社員のモチベーションアップに取り組んできた。本年度、郵便の特約営業では、営業力を身に付けようと外務のマイスターが社員と同行して実績を上げているのが目立つ。また、保険では石黒有功金融渉外部長の実践指導が功を奏し、全員の営業力アップにつながって目標達成に結び付いた。名古屋東ブロック幹事局としての牽引的な役割を十分に果たしている。(取材は3月8日)

 松井貢局長は平成25年4月に就任。昭和郵便局は名古屋東ブロックの幹事局になったが、社員のモチベーションアップに力を入れた。1年目は保険が郵便局もブロックも目標未達成だった。2年目に懸命な取り組みで目標達成はしたものの不安は去らなかった。
 3年目にはプレイングマネージャーとして石黒金融渉外部長が就任して初めて安心したという。石黒部長は率先垂範で先頭に立って社員の指導に取り組んだ結果、社員の営業力アップにつながり、全員営業による目標達成に結び付いた。

  年賀葉書販売と
  特約営業に成果
 本年度、特に力を入れたのは年賀葉書販売、労働災害の防止、特約営業。昨年は12件の労働災害が発生、多発局と指定されたこともあり、防止に取り組み、本年は1件と減少した。これに並行して交通事故防止に力を注ぎ、効果を上げたのはミステリーショッパーチェックである。運転技術を高めるため、社員相互間で多段階一時停止や車間距離を取っているかどうかなどのチェックを行っている。
 年賀葉書販売では配達地域のお客さま獲得を目指した。昨年、購入は3000世帯ぐらいだったが、更に3000世帯の新規開拓を目指し、自分を売り込むマイカスタマー拡大を展開したことが効果を上げ、目標を達成した。
 今、営業ができる社員を増やそうと取り組んでいるのが郵便の特約営業。名古屋市という大きなマーケットであることから、マイスターと営業プロの社員(管理者)との同行訪問で顕著な実績を上げ、新規開拓件数実績を伸ばしている。

  実践をしながら指導
  全員営業力がアップ
 保険については、石黒部長の率先垂範の実践を兼ねた指導によって着実に渉外社員の営業力はアップしている。松井局長は10年に及ぶ局長経験をフルに活用して、積極的に取り組んだ結果、「社員が元気になり、モチベーションが高くなった」と営業力を身に付けた社員が多くなり、新年度の活躍に大きな期待を寄せている。
【総務部―岩塚利浩部長】
▽局舎改装で局がきれいになり、社員のモチベーションは上がった▽今、名古屋東ブロックでは「見る人の心に響く装飾を」と局内装飾に力を入れている。社員は「今、一番力を入れるべきものは何か」を伝えるツールとして取り組んでいる。

  保障を重視した
  販売話法の習得
【東海支社金融営業部の松岡和也金融渉外本部長(名古屋東ブロック担当―昭和局駐在)】 
▽名古屋は貯蓄志向が強いところで、社員の営業は貯蓄との比較から取り組んでいることもあり、料金改定以降は伸び悩んでいる。研修などによって保障を重視した販売話法の営業スタイルを習得してほしい。アプローチ、インタビュー、ニーズ喚起、プレゼンテーション、クロージングの商談5ステップをしっかりと踏んで、保障重視の営業に取り組んでもらいたい▽保険とは険しさから守るという意味。お客さまの人生の険しさから守るため、コンサルティングセールスによって、保険に関心を持ってもらえることが大事としている。

  実績向上の秘訣は
  数多く会うこと
【金融渉外部―石黒有功部長、井戸勇太課長代理、幕稜佑さん】
〈幕さん〉▽2年目で管内優績を目指している▽大変な仕事であり、数多く回っているので疲れる▽当初は1日40軒ぐらいを訪問し、誰よりも回っていると思ったが、なかなか実績が上がらなかった。入って2日目に初実績を上げ、それ以降、約2週間、実績ゼロが続いた▽研修を受けたことと班長(課長代理)との同行によってスタイルを変えた。話し方には順番があると。インタビューして話を聞いてもらえる体制になってから提案するようにした▽1日、3~4件、話ができるところを訪問している。断られたら、なぜ、断られたのか、どう切り返せばいいのかを考えている▽保険は万が一の場合に役立つことを強調して、養老保険は強制解約があるから終身保険の方がいいのではと話している。
〈井戸課長代理〉▽郵便局として、数多くお客さまに会えば必ず、成績は上がるとアドバイスしている▽現在の加入状況を説明して、「足りないところはないですか」と問いかけている。例えば、入院保障が3000円でそれで足りるかどうか。

  電話アポの
  効果的な取り方
〈井戸課長代理の効果的な電話アポの取り方〉▽「こんにちは、井戸と申します。いつもお世話になっています。○○さまはいらっしゃいますか。ご利用いただいているかんぽのことでご連絡があります。都合のよい時間があれば、ちょっとお伺いしたいのですが。いかがでしょうか」。「来てもいい」と言われてから「ご家族の方がご同席できれば安心だと思いますが」と、ソフトな口調で言い過ぎないように話す。

  断りを切り返し
  営業力アップへ
〈石黒部長〉▽最高優績者のいない局であり、全員営業でないと目標達成は難しい。率先垂範で自ら先頭に立って営業実践をしながら、営業力を上げて全員営業で目標達成することを目指した▽本年度、高くなった目標を達成できたのは社員の営業力が確実にアップしているからだとみている。いろいろな断りを受けて、その応酬話法を考えるのが営業力アップにつながる。自分一人で勉強するよりも自主研などに参加して、顔なじみの社員ができて、格好悪くて数字を落とせなくなることが大事という▽今、データ募集で、先々、満期データは少なくなる。全員、営業力を付けて未加入開拓をする必要がある。訪問するきっかけは年賀葉書やかもめ~る販売などたくさんある▽幕さんの場合、断わられ続けると心が折れるものだが精神力が強いと思う。

  入院特約の切り替え
  大きな成果
【窓口営業部(保険)―中齋秀子部長、山本せつ子課長代理、竹本万希子主任】
〈中齋部長〉▽ライフプラン相談会を昨年8月から毎月1回、取り組んだ。相談会では19年の10月1日から20年の7月1日までの契約で、1日目からの入院特約に切り替えをしていない契約を対象に、400件ぐらいのデータの中から絞り込んで効果を上げた▽この結果、12月6日には早期目標突破できた。
〈山本課長代理、竹本主任〉▽ライフプラン相談会では切り替えた方が良い契約を毎回、7件ぐらいを抽出して取り組み、効果的だった▽近くに大きな病院があるので、入院保障では話がしやすかった▽お客さまの希望を聞くことに徹した▽処理している間に、どういう人なのかを把握するため、多くのコミュニケーションを行った▽竹本主任はお客さまの持ち物などをほめてからコミを深めることがコツ▽がん保険はがんではなく入院した方にも対象とした。

  営業ができる社員
  着実に増やす
【第一集配営業部、第二集配営業部―江尻善則・一集部長、加藤豊・二集部長】
▽昨年、年賀葉書が未達だった。配達地域の新規開拓に力を入れた。昨年、購入してくれた3000世帯に加えて、プラス3000世帯を増やそうと取り組んだ。「年賀葉書は買うところは決まっていますか」と声をかけ、「私から買ってください」と自分を売り込むマイカスタマーの拡大が成功した▽今、取り組んでいるのは特殊切手とレターパックの販売である。
【郵便部―渡邉一尚部長、名古屋東部営業統括本部の加藤雅信マネージャー、坂本浩彦営業担当】
▽集配社員の中にはマイスターとして活躍しており、坂本さんはそのマイスターをまとめている。加藤マネージャーは名古屋東部ブロックの営業全体をみている▽毎週、特約営業マイスターミーティングを行っている。外務社員との情報交換や営業活動での「聞く」「話す」のスキル向上を図っている。月2回、特約の集中営業日を設けて特約マイスターと営業社員(管理者)がペアになって訪問活動をしている。外務の集配の班は8ある。毎回4チームの8名で取り組み、現在、実績は新規開拓目標59件を突破する勢いである。渡邉部長は社員が着実に営業力を身に付けていると分析している▽かもめタウンでは、「南海トラフ地震」に備えた防災と「振り込め詐欺・特殊詐欺」の防犯の意識高揚を図るスポンサーの勧奨に取り組んでいる。
〈加藤マネージャー〉▽一体営業では日頃からエリアの局長さんとコミを図ることが大切▽お客さまと郵便局の間の潤滑油の役割を果たすのがコツ▽パソコンでラベル印字ができるサービスを提供している▽DMの出し方やどんな文章にするのかをアドバイスするのも効果的。郵便を使い続けてもらうためにいろいろなサービスの提供が大事。

  配達しながらの
  情報収集がカギ
〈坂本さん〉▽外務のマイスターは同行訪問して成果を上げている▽お客さまに郵便のメリットをしっかり伝えることが大事になる。配達しながらどれだけの情報を集めることができるかがカギ▽1か月約30件の営業メモが上がってくる。そのうちの約1割が営業につながる。郵便で扱える荷物かどうかも考えながら、細かい内容を聞くことが重要になる。


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