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第6866号

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2017年 年賀元旦配達出発式
長門社長「年賀状文化を守っていく」

 2017年年賀郵便元旦配達出発式が1月1日、東京都の日本橋郵便局で行われた。全国の郵便局でも午前8時過ぎから一斉に年賀状を配達した。元旦に全国で配達された年賀状は前年比94・4%の16億4400万枚。今年は2日が年賀状配達を休配としたものの、年末の30日までに引き受けた年賀状の98・6%は元旦に配達された。昨年の配達率も同じ98・6%だった。

 出発式には関係者ら30人が出席。日本橋郵便局は越前藩主・松平氏の屋敷跡だったことから、当地に伝わる「越一太鼓」を中央区太鼓連盟が披露。「ドーン、ドーン」と会場いっぱいに響き渡る威勢の良い太鼓で始まった。
 曾澤隆局長が「郵便発祥の地・日本橋で、地域の皆さまの協力の下、出発式ができることは社員にとって光栄なことで、この上ない喜び。日本橋は経済・商業の中心地だが、下町情緒も持ち合わせ、郵便局も企業や地元の皆さまに支えられ今日に至っている。元気に笑顔で届けたい」と式辞を述べた。
 日本郵政グループを代表して日本郵政の長門正貢社長が「年賀状は年の初めの人と人との心の通い合う交流。年の初めにあいさつをする習慣は、平安時代から続いているそうだが、日本郵便でも時代に合わせて「郵便年賀.jp」やSNSを介したものなど様々なサービスを拡充しており、工夫をしながら年賀状文化を守っていきたい。年賀状1通1通には大切な思いがこもっている。事故に気をつけてしっかりと届けてもらいたい」とあいさつ。
 グループの経営については「日本郵政グループは一昨年11月に上場したが、マイナス金利やトール社の不調などもあり、厳しい1年だった。3社の社長の交代、限度額の引き上げ、みまもりサービスの開始決定、地銀とのファンド立ち上げ・出資など重要な準備の時期でもあった。今年は酉年でもあり、飛躍の年にしたい」と述べた。
 来賓を代表して高市早苗総務大臣が「子どもの頃、年賀状を取りに行くのが私の役目で、バイクの音がすると飛び出して家族に分けた。年賀状を囲み午後まで家族で盛り上がった幸せな光景が思い出される。これまでの年賀状に関しての準備や早朝からの配達に感謝する。今年は郵政民営化10年になるが、マイポストとマイナポータルとの連携やみまもりサービスの拡充が予定されている」と語った。
 また「誇りに思うのは、歴史ある郵便システムが世界から評価を得ていること。ベトナム、タイ、ミャンマー、ロシアなどへ日本の専門家がノウハウを伝授し、日本メーカーの区分機や備品の納入にもつながっている。世界との絆を強めていける素晴らしいサービスだ。郵便局は地域の生活インフラでもあり、地域のニーズをしっかり捉え、元気にサービスを展開していただきたい」と祝辞を述べた。
 この後、日本橋小学校の児童から来賓に年賀状が手渡された。
 日本橋をかたどったセットの除幕式が行われ、江戸消防記念会のメンバーを先頭に、江戸時代、1871年の郵便創業時、明治14年頃、明治20年の制服を着た局員が行進した。
 続いて自転車やバイク、電気郵便自動車、軽自動車が次々と冬晴れの日本橋の街へと出発した。日本橋局内では元旦に233万通の年賀状を100人体制で配達した。明治時代の制服を着た局員は、日本橋・榮太郎飴本舗に年賀状を届けた。
 5日までの全国の年賀はがき販売枚数は、約9700万枚減・前年比96・7%の約28億200万枚。年末30日までに引き受けた年賀状は16億6800万枚で、その98・6%は元日の午後4時ごろまでには配達された。



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