「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6854・6855合併号

【主な記事】

地方創生で勉強会
営業推進と地域活性化を
千葉東南と魚沼連絡会


 千葉県千葉東南地区連絡会(長谷川統括局長/山田)と新潟県魚沼地区連絡会(青木進統括局長/越後上田)は、共に少子高齢化や過疎化問題を抱えており、地方創生を通じて、営業推進と地域の活性化をいかに効率的、効果的に進めていけるかを共通のテーマとした勉強会を10月3日、南魚沼市の坂戸城で開催した。千葉東南地区連絡会からは長谷川統括局長を含め役員局長らが8人、魚沼地区連絡会からは青木統括局長をはじめ役員局長37人が出席した。
 青木統括局長は「湯沢」を紹介するに当たり、川端康成の小説「雪国」に触れ、「かつてはトンネルを出ると、そこには駒子の世界があった」と語り、「バブルのときには土地が高騰してマンションも手に入りにくかった。しかし、バブル崩壊後はマンションの価格も暴落し、今では売れ残りも多く、管理費もかなりの負担になっているようだ」と紹介した。
 話題を地方創生に関する勉強会に戻し、「事業現況は依然として厳しいが、併せて少子高齢化と過疎化は大きな社会問題になっており、地域を活性化するとともに、経営基盤を強固なものにする手法の一つとして地方創生を積極的に活用していくことが大事。お互いの知恵を出し合い、学び合い、営業推進にも反映できるように取り組んでいこう」と呼びかけ、魚沼地区連絡会が取り組んでいる地域施策として、「自治体等との連携強化」「政治課題への取組深化」「地域貢献の実施」について紹介した。主な内容は次のとおり。
【自治体との連携強化】
〈町づくり協議会の開催〉
 魚沼地域の発展のため毎年、定期的に開催し、「郵便局と自治体が協力できることは何か」を本年2月から3月にかけて、2市4町と意見交換している。
 主なものは▽地場産業の振興▽総務省主管の過疎集落等自立再生対策事業▽ふるさと納税者への贈答品の発送▽魚沼観光物産展の開催▽魚沼地域限定カタログ作成と販売▽郵便局の各種サービスの説明▽観光用フレーム切手の発行▽地域限定はがきの発行による観光PR▽絵入りはがきの作成(全部会)
〈自治体行事の誘致〉
 「NHKラジオ体操」の実施(津南町、十日町市)。
〈臨時出張所の開設〉
 「十日町ゆきまつり」「ひまわり広場」「奥只見ダム・広神ふれあい祭り」など4市2町。
〈ボランティア活動〉
 カーブミラーの清掃、認知症サポーター研修、各施設の清掃。
〈地域施策〉
 ▽地域の民謡流しに参加▽魚沼観光物産展の開催
〈中堅若手の取組み〉
 八色の森わくわくラリーの開催(26年以降毎年開催)
【地方創生関係】
〈郵便局地方創生説明会の開催〉
 27年7月8日に開催。参加自治体は4市2町のほか、長野県栄村(日本郵便)本社=中島直樹常務執行役員、淵江淳執行役員、物販営業役員、信越支社=前島啓伯経営管理本部長、郵便物流部長、郵便局=各地区統括局長、郵便物販担当副統括局長、魚沼地区内役員局長▽説明事項=「ふるさと納税」「みまもりサービス」「自治体連携地域特産品の販売支援」「各種イベント出店」
〈地元特産品のカタログ販売〉
 ▽27年度魚沼地区限定のカタログ作成▽28年度は青森県中部地区連絡会とタイアップした。
 続いて長谷川統括局長は「郵便局の在り方や存在価値を考えたとき、地方創生は絶対に欠かせないもので、取り組んでいる代表的な例を紹介したい」とし、まず「ふるさと納税」の定義・内容を次のとおり説明した。
 ①全国の納税者が自分の所得に応じて、一定程度の金額(1万円以上)を他の自治体に寄付をすることができる②寄付をすると、翌年の税金から定められた2000円を引いた残額が免税される。したがって、2000円だけが自己負担となり、後日、各自治体からいろいろな特産品が贈られてくる(寄付額の30~50%)というシステムである。
 27年4月1日にふるさと納税の仕組みが大きく変わり、①確定申告が不要となった②所得に応じて寄付できる割合が決まっているが、それが大幅に増えた。そして、「全国に自治体は1700以上あり、寄付額が大幅に増えてベスト10だけで300億円も集めた。
 300億円のうち、半分は歩留りとして自治体に残る。一つの自治体で考えると、30億円の半分の15億円が自治体に残るという具合である。例えば寄付額が1万円とすれば、10の自治体で相当数の物流の市場が生まれる。
 千葉東南地区連絡会の例として「いすみ市」を見ると、ゆうパック、レターパック、郵便物、簡易書留のいずれの方法は分からないが、27年4月1日から始めて、1年間の納税額が1億4000万円だから、半分残るとして新しい仕組みを考えた。つまり、郵便の業務収入とゆうパックだけでなく、物販売上げも入る仕組みを作った。ゼロのところから、1年間で郵便収入が500万円、ゆうパックが7400個、それから物販が500万円になった。
 また、御宿町では27年10月から28年3月までの半年で、税収が6500万円、業務収入が276万円、ゆうパックが3200個、物販が2500万円となり、いすみ市をしのぐペースとなっている。
 このほか、26年10月30日に、千葉県のくらし満足度日本一に向け、県民サービスの向上を図るため、連携強化に関する協定を千葉県と関東支社との間で締結した。
〈経済の活性化と交流基盤の整備〉
 ①10月3日にフレーム切手「千葉県出身AKBグループメンバーとめぐる千葉の名所」(1セット1900円)を追加を含めて3万部発行し、郵便収入2400万円、物販収入5700万円を図った。ちなみに、14人の撮影に当たってはノーギャラであった②「ちばアクアラインマラソン2014」では郵便局ブースを出店、フレーム切手、記念切手、ふるさとゆうパックの販売を行い、「ぽすくま」との記念撮影も行った③千葉県産物産の販路拡大
〈安全で豊かな暮らしを実現〉
 ▽「振り込め詐欺撲滅キャンペーンへの協力」▽「危険ドラッグ 持たない 買わない」ポスターの全局掲出
〈千葉の未来を担う子どもの育成〉
 手紙の書き方体験授業
〈ゆうちょ銀行との連携〉
 給与受け取りキャンペーン実施
〈かんぽ生命との連携〉
 公立学校職員に対するかんぽ二者間団体の設置
〈2016年度の取組み〉
 「千葉アクアマリンマラソン2016」に協賛し、参加選手へのゼッケンやパンフレットなどの配送、フレーム切手やはがきセットの販売、ボランティアスタッフへの実施要領や昼食の配送などを請け負った。
 勉強会終了後は情報交換会が行われた。魚沼連絡会の局長は「県にしろ、市区村にしろ、事務レベルの連携がしっかりしており、参考にしたい」と語り、千葉東南連絡会の局長は「幅広い取組みに驚いた。非常に積極的であり、学ぶものが多い」と感想を述べていた。


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