「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6797・6798合併号

【主な記事】

郵政民営化委
総務省「国民の不便を解消」
金融庁「資産運用の強化を」

 郵政民営化委員会(増田寛也委員長)は9月11日、民営化の推進の在り方について総務省と金融庁からヒアリングを行った。総務省は竹田博之郵政行政部長、金融庁は西田直樹審議官が対応した。金融2社の限度額に対する両省庁の考え方はやや異なったことが示唆された。委員会は同日、かんぽ生命の法人向け商品の受託販売について「実施に問題なし」とする意見をまとめた。
 委員会後の記者会見で増田委員長は「委員から『ゆうちょ銀行の限度額を引き上げた場合、貯金残高が大きく増えるとは思えないが、増えたとするとその分国債の運用比率を高めるのか』と質問があり、総務省は『運用はゆうちょ銀行の判断だが、資金が増えた場合にはリスク管理を行った上で収益性の高い資産運用を行うと聞いている。引上げは、預け入れをする人たちの不便を解消するためのもので、後に問題が生じる場合に必要があればチェックするなど解消方法があるのではないか』と答えていた」と説明した。
 また「別の委員からの『改正郵政民営化法には附帯決議があるが、その考え方をどう思うか』との質問には、総務省が『附帯決議は国会の議論のため回答を控えたいが、今回与党から限度額引上げに関する提言もあり、状況が変わってきている』との認識を示していた」と強調した。
 金融庁のヒアリングについて増田委員長は、「全体的なトーンとして、限度額引上げや貯金規模を拡大するより資産運用をしっかりすべきとのニュアンスだった。委員の『仮に限度額を引き上げた場合の影響をどう考えるか』と質問には、金融庁が『預金を増やして資産規模を拡大しても運用は国債を中心とするしかないため、資産規模拡大は運用の制約要因となる。金利リスクも増大し、リスク管理も難しくなる。ゆうちょ銀行の企業価値を高めるには巨大なバランスシートを抑制し、手数料収入を中心とするビジネスモデルへのシフトが有効』と答えていた」と明らかにした。
 記者団から「金融庁は引上げに明確に反対と言ったのか」との質問に対し、増田委員長は「反対とは言っていない」と語った。


>戻る

ページTOPへ