「通信文化新報」特集記事詳細

 年/月

第6794号

【主な記事】

日本郵政 日本郵便 
「ファミリーデー」を実施
記者会見やゆうパック配達
家族が職場体験

 社員が家族に働いている姿を見てもらうことで、社員自身が仕事に誇りを持てるようにすることや、働く意義や働き方を再考する機会づくりを目的に「ファミリーデー(家族職場見学会)」を8月7日に日本郵便、21日に日本郵政が民営化後初めて実施した。参加した子どもたちは一日社員に任命され、あいさつや名刺交換などビジネスの基本や手紙の書き方など父親や母親の仕事を楽しみながら学んだ。日本郵便ではゆうパックの配達、日本郵政では記者会見なども含めて、和気あいあいの中で子どもたちは郵政事業への理解を深めた。日本郵政の西室泰三社長、日本郵便の髙橋亨社長も社員の子どもたちを迎えた。

 日本郵便の「JPファミリーデー2015」は午前と午後に2回開催した。司会を女性活躍室の堀口真由美主任が務め、総務部の金子沙代美主任があいさつや名刺の渡し方などビジネスマナーを子どもたちに教えた。ぽすくまが登場すると、子どもたちは「かわいい」と抱き着いたり、触ったりしながらぽすくまタイムを楽しんだ。髙橋社長との名刺交換では、一人ひとりが「こんにちは」と頭を下げてあいさつし、はにかみながら名刺を渡した。髙橋社長は終始笑顔で受け取り「元気が良いね」などと声をかけた。微笑ましい姿に周囲の親たちも目を細めていた。
 髙橋社長は「今日は皆さんようこそ。パパとママは活躍してくれています。帰ったら『毎日お疲れ様』と声をかけてあげてね」と話しかけた。
 日本郵政の「家族職場見学会」では、西室社長が緊張しながらも興味津々の子どもたちを部屋に招き入れた。「どうしたら社長になれるのですか」と無邪気な質問が挙がると、西室社長は「その時、その時の仕事を一生懸命やればいいんだよ」とほほ笑みながら答えた。西室社長を囲んでの集合写真の撮影後、西室社長に子どもたちが駆け寄り、「握手をしてください」という突然の申し出にも「今日は来てくれてありがとう」と満面の笑みで握手をし、和やかなひと時が流れた。
 記者会見室では総務部調達室の田邉真悟さんが司会を務め、子どもが記者や会見者に扮する模擬会見が行われた。原口亮介常務執行役が、ぽすくまのグリーティング切手「秋のグリーティング」の発行などを発表すると「どうしてかわいい絵の切手を作るのですか」など元気な質問が挙がった。また、子ども自身が会見席に座り、家族職場見学会の様子を発表したり、質問に回答する体験も行った。
 少子高齢化が進む中、子育てや介護により限られた時間の中で確実に仕事の成果を上げるワーク・ライフ・バランス施策として、東京都が2010(平成22)年から企業に推奨する「ファミリーデー」は上場企業など大手を中心に促進され、会社と社員双方にメリットがあるものとして近年注目を集めている。
 会社側は社員が仕事に対する家族の理解を得ることで働き甲斐を感じ、仕事に対してモチベーションの高い社員が増えるメリットがある。子どもや家族にとっては日頃見ることができない職場の様子や親が同僚と働く姿に接することで仕事への理解を深められるとともに、親子間のコミュニケーションが活性化する。また、社員にとっても上司や部下、同僚に家族を知ってもらうことで通常業務を互いにカバーし合うことにもつながる。
 両日とも多くの子どもと家族から「夏休みの良い思い出が作れた」と好評だった。



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