「通信文化新報」特集記事詳細

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第6785号

【主な記事】

郵便局ネット守る
関東OB会 唐木全特相談役が思いを語る


 6月18日に関東地方郵便局長会OB会(三枝和洋会長)の平成27年度上期総会が東京都港区のメルパルク東京で開かれ、全特の唐木徳子相談役が出席した。「郵便局が核となって地域を活性化させることが重要。いかに郵便局ネットワークを守るかが、政治家を目指す最大の事項」と強調、「柘植芳文先生が政治の世界で苦労されている中、手足となって頑張りたい」など政治の世界に足を踏み入れようとした思いや決意について語った。

 大きな仕組みを動かす
 平成元年に当時の郵政省に入省し、平成15年までは情報通信関係の仕事をしていました。15年以降は郵政公社、郵便事業会社、日本郵便で主に郵便のサービス開発などに携わっていましたから、仕事の上で郵便局長の皆さまとはお話する機会が少なかったと思います。これから全国を行脚し、現役の局長、社員の皆さま、OBの皆さまとお話して、局長会のことなどを勉強させていただき、皆さまのお声を真摯に聴いてまいりたいと考えています。
 政治の世界への道について説得された時には、かなり驚きました。ただ、この世界になぜ足を踏み入れようとしたかというと、もともと国家公務員を目指しましたのは、大きな仕組みを動かしてみたいということが動機になっていました。仕事上、政治に関わることも多くあり、いつか能力・経験を政治の場で生かすことで、大きな仕組みを動かしてみたいとの思いは持ち続けていました。
 3月31日に26年間務めた日本郵便を退職しましたが、退職するに当たっては悩みもありました。全特の皆さまの温かい声援をいただけるならと今回、決意しましたが、皆さまの理解を得て、政治家への道を歩むことができますなら、私を育ててくれた郵政に関わる分野で懸命に勉強し、早く一人前となって皆さまに恩返しすること、皆さまにとってなくてはならない存在になることだろうと決意を新たにしています。
 政治家として何を目指していくかということですが、5月24日の全特金沢総会以降、皆さまとお話する機会が多々あります。局長の皆さま、OBの皆さまが本当に地域を愛し、地域に貢献されている姿を見聴きさせていただいています。郵便局は地域の核となり、地域の活性化に大きな役割を果たしています。安倍政権の大きな政策の一つに地方創生がありますが、その核になるのも郵便局だと考えています。

 地域活性化と若者に夢
 郵便局を守ることが結果的に地域を守ることになり、郵便局を活性化させることが、また地域を活性化させ、この国を若者が夢を見られるようにすることができると考えています。
 日本はアベノミクスで景気が回復してきていますが、円安が進み、まだ地方に景気の恩恵が届いていません。様々な事件もありますが、若者の閉塞感というものは、まだ払拭されていないと思います。
 若者の閉塞感を払拭するには、確かに国際競争、グローバル競争に勝つこともあるでしょうが、それぞれが生活している地域を活性化し、地域の中で若者が働ける、頑張っていけるという世界がつくられて初めて若者に夢が生まれるものと思います。
 そのためには、やはり郵便局が核となって地域を活性化させることが重要で、いかにして郵便局ネットワークを守るかが、政治家として目指す最大の事項だと考えています。まだまだ自分の力量は未成熟とわきまえていますが、柘植芳文先生が今、本当に政治の世界でご苦労されている中、柘植先生の手足となって頑張れるようになりたいと思います。
 ゆうちょ銀行、かんぽ生命の限度額は一定のメドが付き始めていますが、郵政が抱える様々な課題はたくさんあります。柘植先生がこれから様々な課題を解決していく中で、唐木が柘植先生の後ろで国会議員の先生方の連絡調整役となって頑張ったと皆さまに思っていただけることが、皆さまの期待に応える方法だと考えています。

 柘植先生と共に歩む
 また、郵政グループは持ち株、金融2社の上場を控えています。しかし、金融2社に関しましては法律上、株式はできるだけ早期に処分するとなっていますが、全てを早期に処分できるのか、あるいは本当に処分していいのかという点が最大の問題と思っています。 ユニバーサルサービス義務がかかっている以上、郵便局と金融2社との一体性というものは十分に維持していかなければならないと考えています。
 その中で金融2社の株式処分というのは、どこまでやっていかなければならないのか、当然、企業防衛の立場もあります。株式処分は確かに経営の問題ですが、大きな政治課題にもなっていくと考えています。
 さらにユニバーサルコストの問題もあります。7月に総務省の情報通信審議会郵政政策部会がユニバーサルコストの試算に関して最終答申を出す予定です。しかし、試算が出たとしても、それを具体的にどのように負担していくのか、どのように補てんしていくのかということに関しては、大きな課題になると思います。
 例えば、ユニバーサルサービス基金のように利用者の皆さまに広く浅く負担していただくのか、経営の自由度を拡大し会社の収益性を充てていくのか、という点もあります。
 これらについても今後、政治的に大きな課題になると思われます。このユニバーサルコストの負担が、地域の郵便局を守るという最大の問題になっていくものと考えています。地域を守る最大の核が郵便局となりますから、政治的にも解決していかなければなりません。
 さらに、ゆうちょ銀行の新規業務の関係です。郵政民営化委員会では既に認められていますが、金融庁では認可が進んでいない状態です。このままでは、やはり郵便局の窓口で営業していく上で、さらに地域のお客さまが資金を増やしていくのに、どのように貢献していくかという点でも、郵便局が新たな業務を行っていかないと地域の皆さまが本当に困ってしまいます。当然、営業上からも問題です。
 そういう新規業務の問題も、政治的に大きく動かしていかなければならないと考えています。
 こうした大きな課題がある政治の場で、ぜひ柘植先生の手足となって頑張ってまいりたいと思います。

 働く女性の安心を
 さらに、女性の代表、オール郵政の代表として、国会の席を皆さまのご支援でいただけるのであれば女性の問題にも取り組んでまいります。女性は郵便局の窓口を第一線で支えています。郵政事業を本当に基本のところで支えていただいているのは女性の皆さまだと思っています。
 女性社員が安心して長く、楽しく、より元気に、出産、子育て、介護という様々な人生のステージで働いていただくには、職場環境の整備、社会環境の整備が重要です。これらの課題にも政治家として取り組んでまいりたいと思っています。
 まだ実力不足のところは多々ありますが、これから皆さまに叱咤激励していただき、皆さまの声を聴きながら、頑張ってまいらなければならないと思っています。
 唐木徳子を一人前の政治家に育てていこうと、皆さまが思っていただけるように、そして唐木のために汗をかいて良かったと思っていただけるように精進してまいりたいと思います。


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